本日をもって22年の受け渡しは終了する。明日から新年相場に入るが、需給動向からは日本株の短中期の見通しはあまり明るくない。主たる商いは値鞘稼ぎの短期売買や先物、指数ETFばかりで、 現物の買いは自社株買いとNISAだけで相場上昇につながるエネルギーはない。信用残高、裁定買い残とも史上最高水準で株価が上昇しないと重荷になる。日本株が新春に上がるとすれば、頼みは米国株高だけだ。市場関係者の年末に想定する新年見通しは、根拠のない期待感で常に明るい。振り返ってみると、市場関係者による年末時点の新年相場見通しは競馬の予想と同レベルと言えそうだ。
相場は金融政策の一部修正から大きく売られているが、当面戻れば売られうまく戻しても中長期MAが位置する27000円台前半までだろう。今後も黒田総裁退任を控えて、3月の金融政策決定会議に向けて思惑が交錯すると見られ、1-3月は調整色の強い展開が避けられないだろう。日本株は米国株次第だから、楽観に傾いた米株が崩れれば、思わぬ安値があっても不思議ではない。基本は年度末に向けて、相場は下はあっても上はないという状況が続くだろう。
そろそろ2023年の市況見通しが出てきているが、1年の予想など相場の前提が多要因で、いつ何がきっかけでどうなるか読めないから意味はない。株価の予想は所詮期待に基づくベストシナリオとなりがちだ。だが現実には期待はだいたい裏切られ、ありえないと思っていることが起こるのがマーケットだ。ある程度確度の高い予想可能時期はせいぜい数か月先までだろう。最近の株価の年間変動幅については6000円程度ある。現状の28000円を中心に変動幅6000円と単純に考えれば、25000-31000円となるが説得力はない。当面、年前半は米国株の動き次第で、日経は25000-30000円レンジでの往来だろう。環境的に上昇トレンドへの転換はまだ考えづらく、海外要因次第では大きく下落する局面もありそうだ。株式は上昇トレンド下にない限り、中途半端に仕込んでも果実は得られない。個人的には、最低でも安値圏とみられる26000円前後まで見送る予定だ。
日経は28000円台定着とならなかったが、都合よい解釈で上げていた米国株が一服すれば、主体性なき日本株は年末年始もこんなものだろう。来年への期待感もありまだ大崩れはないように見えるが、日米とも1-3月は心配だ。マーケットでは新年相場に強気の見通しも散見されるが、いつもの根拠なき願望によるもので30000円を奪回するような環境変化は全く感じられない。お屠蘇気分が抜ければ、決算期末を控えることもあり、例年相場は低迷する。当面日経については主体的に動くことはなく、米株を見ながら25000-29000円ゾーンでの動きに終始しそうだ。