トラウマに縛られずっと慎重スタンスを取ってきたが、株価的には一貫して良い方に裏切られてきた。バブリーとはいえ相場の勢いだけ見ていると先行きを読むのが難しい。個人投資家は売り越しが続いているが、結果的には間違いだったようだ。個人的には相場観ではなく配当取りのためホールドを継続したので結果オーライだが、個人投資家の多くは上昇持続に懐疑的で売り切って買い戻しが出来ない。需給で気になるのは、外人が先物主体で現物ではさほど買い越しにならない点および個人の現物が一向に買いに転じないことだろう。ファンダメンタルズからは明らかに買われ過ぎに思えるが、27兆円ともいわれる買い余力のある官製需給からみればいったん下を見ても底割れする感じはない。相場は下値こそ固そうだが、あまりにも上がり過ぎた。強気筋のいう高値22000~25000円の可能性はそれほど高くなさそうだからなかなか手が出ない。
NY株安を受けて急落している。NY離れが言われたが米国が世界経済の主役である限りそんなことは幻想に過ぎないようだ。日本株の実力は18000円台と見ているが、相対的な比較では好環境だから少し割高に買われても理屈はつくだろう。20000円突破には、18000、19000円台でもみ合いながら環境好転を待つ時間が必要だろう。日経平均は15年前の20000円に接近しており、当時のレベルならTOPIXは1800でもよいくらいなのだが1550程度と戻りが鈍い。指数プレイで嵩上げされた4000円程度を差し引けば、日経は16000円程度が実体だろう。
いったんは20000円をつけなければ終わらないムードだ。市場では次は22000円、25000円と景気のよい話が増えてきた。ファンダメンタルズがついてくれば問題ないが、現状ではだいぶ期待を先食いしているとみられる。先行きの運用環境は不透明過ぎて判断のしようもないが、短期的には上げ過ぎだから年度替わり後小波乱があるのだろう。アベノミクスの第2ステージが始まったなどという大袈裟なものではなく、官製需給への安心感がファンダメンタルズを上回る相場を演じていると見るのが妥当だろう。相場はバブルであってもすぐにはじけるわけでもなく、むしろ懐疑的だからこそ意外に長続きする面もある。シナリオを描くのはいくらでもできるが、先のことは所詮誰にも分からない。自分の理屈には合わないが、これも相場だからホールド継続でついて行くしかない。
GPIF、共済、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、日銀、NISAで数年内に27兆円の買い余力があるらしい。誰が名付けたか世間では彼らをクジラと言うようだ。クジラの存在を拠り所に相場は下がらず20000円前後まで一気に行きそうな勢いだ。高値圏でのクジラ頼みの官製バブル相場が継続するとみれば、TOPIXコア30のなかから高配当利回りかつ低PBR大型バリュー株のバイ&ホールドをとりたい。対象はその資金性格から極論すれば、三井住友(三菱UFJ)、トヨタ、ドコモ(NTT)の3銘柄あるいはETFで十分だろう。もっとも株高は日本経済が変わったことでもたらされたものではなく、需給構造が一変したことによるものだからあまり強気にならない方がよさそうだ。官製バブルだから上値の水準や時期など予想してもあまり意味はない。とりあえず皆が言っている20000円に到達すればそこでまた検討するしかない。もう理屈ではなさそうだ。これだけの買い需要が本当にあるなら、高値圏だけに一時的な波乱はあっても下値は固そうだ。
短期的には明らかに買われ過ぎた。好悪材料はいくつかあるが、株価水準を更に上方シフトさせるようなインパクトのある好材料はまだみえず、ファンダメンタルズからは18000円台がリーズナブルな水準だろう。経験則によればいったん水準が上方にシフトすると、その後は水準訂正したゾーンで膠着横ばいが続く傾向が強い。株価は昨年末のレベルから2000円上げており、持ち合いレンジ相場入りを示唆している。公的年金、日銀、ゆうちょ銀行、かんぽ生命等 27兆円のクジラ需給を考慮すれば、当初想定16000~19000円を1000円程度上にみても良いのかもしれないが、彼らは仕込みに時間をかけ上値を追っかける主体でもないから慎重に見ておくに越したことはない。上げているときはよいが何かをきっかけに下げに転じれば、何も変わらなくても短期的な需給悪化だけで簡単に下げる。メガバンクやトヨタ等の主力株が新値を取る動きにならないと、日経20000円は市場筋が言うほど簡単ではなさそうだ。
株式投資に王道はない。基本を知っておくことは大事だが理論と実際は違う。ある程度コンスタントに儲けるには、今の相場にあった自分の得意なやり方を身につけることだろう。愚かなことは情報に惑わされ飛びつくこと、自分はどんな好材料が出ても自分のフォローリストにない銘柄は買わない。デイトレのごく一握りの華々しい成功談を信じるのも愚かだ。デイトレは博才がなければうまく行かないし、メディアで紹介される成功例は殆どが虚構と思われる。また、資金規模が大きく、資金流入が継続的な機関投資家の理論を真に受け実践することも感心しない。自分は個別銘柄で値幅を狙うやり方は現在はやっていない。個別株の業績は今期はともかく先は読めないから、株価は織り込み度合いの判断が難しい。自分のやり方は全体相場を見ながら連動する主力株で運用しているから、全体相場の分析に時間を割いている。自分のやり方も相場の性格が変わればいずれ通じなくなる。株式投資で儲けられるかどうかは個人の運用力と言うより相場次第だ。相場が良ければ誰がやってもうまく行く。勘違いして同じやり方を続ければいずれ大火傷する。アベノミクス相場は右肩上がりだったから普通にやっていればだれでも儲かる相場だった。それでも苦戦している投資家はやり方を再考する必要があるということだろう。
好ましい調整だ。金融セクターの出遅れ見直しは一巡したとの見方も多いが、ここではメガバンクの押し目を仕込みたい。賛同者は少ないが、個人的には今年最も上がりそうなのはメガバンクと見ている。理由はいろいろ上げられるが、何か一つと言われれば、かん(感、勘、観)しかない。メガバンクはホルダーでもあるから割り引いて見てほしいが、割安感が顕著でまだ初動の段階だろう。官製相場の資金性格からもバリュー株の代表であるメガバンクは選好され易い。株価妙味から言えば、既に自社株買いや増配を発表した三菱UFJより、これからそれらが具体化しそうな三井住友FGに注目、低位のみずほFGもつれ高が見込まれる。来週末13日はメジャーSQ、SQの前は相場は荒れる傾向があるが、そこはチャンスでもある。
明日から3月相場入りだ。ホールド継続中だから結果オーライだが、休みも入れず良く上がるものだ。このまま突っ走ることもありうるが、常識的には3月相場前半は短期の調整となりそうだ。根拠などないが19000円前後まで行けば、達成感、過熱感、警戒感等からさすがにこれ以上は買い上がりにくく、健全な(?)調整が必要だろう。経済も業績もまずまずだが絶好調と言う訳でもなく、今後、劇的に好転する要素もあまりないことを前提にすれば、株価はリーズナブルな水準を超えミニバブルに入ったようだ。今の相場の性格を一言で言えば、官製過剰流動性相場とはいえ、ネガティサプライズでもでない限り売られてもそのまま下げることは考えにくい。GPIF、日銀に加えて、KKR、かんぽ生命、自社株買い、NISA等いずれも上値を追う主体ではないが下値を支える。いつまで、どこまで行くかは予想しようもなく、5月は Sell in May というアノマリーもある。例年の動きを見てみると、4~6月に高いようだと夏場から秋にかけ比較的大きな調整が入り、年末まで動かない傾向も見てとれる。セルサイドは強気一色だが、上がれば儲けもの程度に考えて、調整があれば収益安定性と配当利回りの高い超大型主力株を狙いたい。