予想に反して下がれば意気消沈するが、逆は結果オーライだ。13連騰だが我が国の投資環境を見る限りこれからそんなに上がるとも思えない。贔屓目に見ても日経株価の実力はせいぜい20000円程度だろう。最近の急上昇は我が国の景気や業績を評価しているのではなく、NY株高と円安に連動しているに過ぎずどう見ても出来すぎだ。今後もNY株と為替次第だから、セルサイドの言うような株価は新たな上昇局面に入ったと考えるのは早計だろう。相変わらず一歩ひいて見ているが、個人的には空売りはしないホルダーだから、違和感があるとは言え上がれば儲けものだ。
株価は円安とNY株高以外にこれといった好材料がないものの、21年ぶりの高値圏で推移するという想定外の動きになっている。高揚感なきままに上げてきたが正念場はここからだ。北朝鮮情勢、衆院選等は相変わらず不透明だし、景気や業績は順調だが上値を追う材料としては力不足だ。需給的にも短期筋以外には上を買う投資主体は不在で売買金額は膨らまない。個人的にはホールド継続中につき上がる分にはうれしい限りだが、一方でやや違和感も感じている。年末年始23000円予想も出て来たが、行き過ぎた金融緩和策の修正とか大幅な円安とかのサプライズでもない限りリスクマネーの流入増は期待出来ず、相場が循環を脱し上昇トレンドが定着するのは難しそうだが…？
日銀短観は大きく改善したが、景気が絶好調といっても統計上のことだけに過ぎず実感はない。株価が20000円台を回復してそこから一段高とならないのは、現実には実体経済に回復感が乏しいからだろう。市場で今起こっている動きは長期トレンドで見れば、中段持ち合い下での円高見通しの後退を受けた単なる循環相場の戻り局面に過ぎないようだ。日本経済が見せかけの数字だけではなく、構造的な変革を成し遂げない限り株価が上昇トレンドに転じることはないだろう。強気派が言う株価は新たな動きに入ったという見方は妄想と同次元の淡い期待に過ぎない。
