今年も終わった。自分の予想に反して相場はことごとく予想を上回り全く当たらなかったが、現実の投資行動では利益確定はせずホールドを続けたので結果オーライだった。来年のことを言ってもどうせ当たらないだろうから予想は差し控えるが、経済が順調に拡大するなら株価は上がるし、逆ならこれ以上は上がらない。実証分析によれば、名目GDPとTOPIXの方向性は概ね連動している。名実逆転が起こっていたバブル崩壊後は株価が上がらなかったのは当然とも言える。名実逆転が解消するには、物価と所得が上昇しなければならない。そういう世界が実現すれば株価は上がるし、そうならなければ株価の上昇余地は限られる。長期なら報われるといういい加減な発言がみられるが、長期投資の有効性は投資期間との相関性は全くなく、その市場が持続的成長経済下にあるかどうかにかかっている。
また長期投資有効論が台頭してきた。株価上昇とNISAを背景に日経新聞や投信などがさかんに喧伝し始めた。先日も高名な独立系投信のS氏が、日本株はまだ長期波動のスタート時点に立ったばかりとの見方を披露されていた。Sファンドの運用が優れているとも思えないし、この方は万年長期投資礼賛論だから聞くに値するものは殆どないように感じているが、なぜか世間的には人気があるから不可解だ。この種の議論はほとんど意味がない。起点と終点の期間設定で数字はいかようにもなる。株式投資は不確実性への賭けだ。将来のことは誰にもわからないから、理屈をこねても株式投資はその期間に関わらずギャンブル性が高い。こういう本質だから、株式投資では、勝者、敗者の入れ替わりが目まぐるしい。成果は偶然の産物、それはスパゲティチャートを見れば明らかだ。
ここにきて株価は良く上がっているが、来年は上がれば儲けものというスタンスで運用するつもりだ。劇的な環境変化がない限り多少下がっても買うことはしない。その代わり売りも急がず出来る限り引っ張る。2012年末から2013年始までは積極的に仕込んだが3月以降殆ど売買していない。お陰で2度の配当金を享受できたし、かつ、時価総額は大きく膨らんだ。所詮先は分からないから下手な相場観に固執し決め打ちするのは適当ではない。予想は数カ月先でさえ当たらないもの、まして来年1年間の相場など読めるわけもないが、現時点では前半高で年間ではあまり上がらないと見ている。もっとも予想は占いみたいなもので大した根拠などないから、環境変化を踏まえてその都度見方を修正していきたい。来年は18000~20000円がコンセンサスになっているが、今年大幅上昇しただけに上値はあまり大きくないと思って慎重に運用するつもりだ。予想に反して来年も上がれば結果オーライだ。
株式市場は久しぶりに明るい1年となったようだ。アベノミクスはそれなりに評価されているようだし、この株価水準なら含み損の投資家はごく一部だろう。株高と円安はアベノミクスの成果と言えなくもないが、期待が先行し株高円安が達成されたため政策運営では次の矢はどうにでもよくなってしまったようだ。株価は指数が突出して上がるという歪な上昇だからか、弱気にはならないもののなかなか強気にもなれない。日経平均はこの1年で50%以上上昇しており、経験的には翌年も連続して大きく上がるか甚だ疑問だ。実体を見れば日本経済に構造的な変化は殆ど起きていないし、金融政策を除けば政策運営は従来型の域を出ておらず株価は出来過ぎだ。2年連続で大きく上がるためには経済の構造変化が必要だが、現状では安倍政権にそこまでの信頼はおけない。売られ過ぎていたものが長年の低迷からやっとまともな水準に戻ったものの、日本経済が生まれ変わり新たな相場が始まるとはまだいえそうにもない。
世界的な過剰流動性が背景にある限り弱気になる必要はないが、さりとて市場筋が言うような強気にもなれない。市場を支配しているのはいまのところ根拠に乏しい先高ムードだけだ。アベノミクスが意気込んで取り組むはずだった成長戦略にはこれまでのところほとんど見るべきものがない。もともと日経平均で15000円以上は割安とは言えない。実現可能性の高い期待があれば割高も容認できるというものだが、これまでの対応を見ていると今後もあまり政策には期待できそうにもない。法人減税の先送りが象徴的だが、アベノミクスは株価水準に満足し踏み込んだ政策対応の必要性など感じていないようさえ見える。2013年の株価は変化への期待感から大幅に上昇したが、一段の円安進行とか追加的な金融緩和でもなければ、ファンダメンタルズや需給構造から見て株価がさらに大きく上がることは考えにくい。
来年の株価見通しが出始めてきている。武者氏に代表される強気派で20000円、常識派で18000円がコンセンサスのようだ。個別ではトヨタがまた圧倒的人気になるだろう。株価予想はプロが予想しているといっても殆ど意味はなく占いみたいなものだ。所詮先のことなどわからないが相場のテーマとしてアベノミクスはまだ生きているということは言えそうだ。安倍政権が誕生してこの1年でうまくいったのは金融政策ぐらいで、成長戦略においては何ら大した成果は上がっていない。構造問題に本気で取り組めば日本経済の先行きにも展望が開け、株価もさらに上がるだろうに、安倍政権は相変わらず既得権益絡みの永田町と霞が関の壁を乗り越えられないでいるし、リスクを取ってまで乗り越える意思にも乏しいようだ。前提が不透明だから予想は虚しいが、この1年大幅に上昇しただけに、強力な経済政策が発動されなければ上値は限られそうだ。
日経平均こそ高値を更新したが、市場を代表するトヨタは5月高値以降概ね6000円台前半での小動きだ。一方でソフトバンク、ファーストリ、ファナック、KDDIの値動きを見れば、指標だけが先物絡みで如何に上げてきたかが分かる。トヨタの値動きこそが日本株の実体であり、指数の上昇はファンド筋の株価操作による歪な新年更新だ。もちろん円安と言うフォローの風が吹いたこともあるが、売買代金を見てもこの半年は明らかにエネルギーが縮小しており参加者は限定されている。普通の一般的な投資家が参加し、トヨタあたりが新値を更新するような動きにならないと日本株の本格上昇はないだろう。政策への期待はあっても政策の効果で戻しているのではないということがこの相場の抱える脆弱さだろう。そろそろ来年の株価見通しが出てきているが、成長戦略の実行なしでは強気筋の言うようなバラ色のシナリオはなかなか描きづらい。
10月の国際収支速報によると、経常収支は9カ月ぶりに1279億円の赤字となった。内外金利差から見ても懸念される再度の円高は回避されそうだ。円安はアベノミクスにも株式相場にも好ましい援軍だ。主要グローバル企業の収益構造は円高対応型に変化しており、必ずしも円安により業績が改善されるとも言えないが、株式市場の強気ムードを支えるには十分だ。リーズナブルな株価水準は14000円台と見ているが、悪材料があまり多くないことから見れば多少割高に買われるのも納得できる。年末年始にかけては先物絡みの取り引きで振らされながらも概ね底堅い動きが継続しそうだ。優遇税制廃止で個人や投信の売りが出ているようだが売るにはもったいない水準だ。個人的には買う勇気もないので出来る限り引っ張るつもりだ。
相場はまた先物主導で乱高下する局面に入った。成長戦略実行国会は特定秘密保護法案国会に変わり、経済対策には本気度が見られない。これでは膨張した裁定買い残をSQに向けて手仕舞う動きとなるのは当然だろう。円安や高値圏の株価が維持されている限り、アベノミクスがこれ以上進展することはないのだろう?当初声高に叫んでいた成長戦略は何もかも骨抜き、先送りで優先度は低いようだ。先高を見越して現物株を仕込む投資家はごく一部に限られている。今後の株価動向も短期ファンド筋の先物での株価操作次第だろうから、相場予想は難しい。
市場筋はいよいよアベノミクスの第2幕相場がスタートしたと見ているようだ。安倍総理は運のいい政治家だ。どこが、なにが、アベノミクスの成果なのか?ここまでうまくいっているのは金融政策ぐらい、威勢良く打ちだされた次の矢はどこかに飛んで行ってしまったようだ!安倍総理は経済政策よりも安保や国のかたちへの関心が高くそれらの優先度が高いようにみえる。成長戦略や構造改革はプライオリティが低いから遅々として進まない。総理になった時期は、景気、株価はどん底、ユーロ危機は終局、誰がやっても早晩底入れする時期でもあった。その後を見ても欧米株が新値更新を続けるなど運が良い。我が国の株高はアベノミクス相場ではなくグローバルな過剰流動性相場とみるのが妥当だろう。
早いもので師走相場入りだ。予想外にずいぶん上がったが、ここからは一進一退でさほど大きくは動かないだろう。ずっと慎重な見方をとっており曲がり屋になってしまったが、需給的には外人買い以外にプラス要因はなく、高値圏だけにこれまでのようなペースで外人買いが継続しないと上昇継続は見込み難いだろう。最近の急騰ぶりや環境を考えれば、動くとすれば16000円乗せより15000円割れを警戒しておきたい。大きく上昇しただけにSQ前後にも乱高下があるかもしれないが、いったん大きく調整しても世界的な過剰流動性が背景にあるから新春にはまた戻す相場だろう。夏場以降一貫して慎重に見ているが弱気になる情勢でもない。予想が外れ16000円に乗せるなら儲けものだ。