株式投資入門

株式配当金での年金補完を目的としています。運用機関での運用経験と知識に基づいた情報を提供しています。

絶望の国の能天気な人々たち

2012-03-30 14:45:49 | 株式投資
消費税増税問題で政治が迷走している。我が国の財政は破綻へのカウントダウンが始まった。破綻回避のためには財務省主導とはいえ消費税増税は数少ない正しい選択肢のように思える。これが廃案ともなれば、国債の格下げを招き資本市場の一時的な混乱は避けられないだろう。まだ今年の段階では本格的な日本売りなるとは思えないが、一時的には債券安(金利高)、円安、株安は必至だ。日本国債を支えてきたのは、経常収支の黒字、貯蓄過剰だが、このところ貿易収支は赤字となり経常収支もいずれ赤字になりそうだ。また、高齢化の進展と所得減に伴い貯蓄取り崩しが始まった。そろそろ手を打たなければ破綻の道を進むのは必至だ。にもかかわらず国会も党内も国民もおよそ半数は事の重大さに気付いていない。当面は民主党内が分裂の危機だが、自民党に政権交代しても状況は同じだろう。小沢氏は政局的には功績を残してきたが、政治家としては国民生活へ貢献実績は全くない。増税反対を叫ぶのは好き勝手だが、観念論ばかりで具体策ゼロだ。反対派の政治家、国民も同類だ。財政赤字の水準は対症療法で何とかなるレベルを超えてしまった。過去10年ぐらい見れば経済はほぼゼロ成長だから、成長率目標など入れること自体無意味、株価でいえば2万円になれば…と言っているに等しい。国民も政治家も数字が解っていないから能天気なものだ。明日か10年後か、このままでは財政破綻は避けられない。
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強気説には乗れない

2012-03-29 10:31:23 | 株式投資
株価水準を決める要因は、景気、業績、金利、為替、需給…色々あるが究極的には景気に集約される。ベースの景気動向によってその他の要因は決まるからだ。景気は循環的変動と構造的変動に分けられる。年明け後、我が国の景気は震災復興という循環変動で回復するはずという期待と世界的な金融緩和で株価はいったん戻した。一方、構造要因をみれば持続的な景気拡大には制約条件が多すぎて、新たな成長ステージには当面入れそうにもない。景気回復が循環変動に留まるなら、国際会計基準の導入、自己資本規制強化を控え、需給構造からは現物株を買い増す投資主体は不在だ。リーマンショック前の12000円は向こう数年高い壁になり、日経平均は向こう数年程度10000円挟んだボックスゾーンで動く可能性が高い。おそらく個人投資家の塩漬けは11000円を超えてやっとほぐれ始める。ベストシナリオが実現されて11000円超え、ワーストシナリオが現実化して8000円突入のイメージだ。相場が上昇トレンドに移行できない中では、株式保有は大きなリスクだ。我が国の社会、経済システムの構造的な変革が芽生えない限り、経済の長期低迷は避けられず、株式相場も割安感で買われ割安是正達成感で売られるという長期ボックス相場の継続が不可避だろう。セルサイドが言うような円安前提のベストシナリオという強気説にはなかなか乗れない。
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押し目を買いたい投資家は多くない

2012-03-26 11:34:47 | 株式投資
水曜日から実質新年度入りだ。押し目を買いたい投資家が多いから、あまり下がらないという見方が多い。高値に張り付いていればもっと高くなるように思える期待がそう言わせているのだろう。大きく下がれば買いたいと考える投資家は多いが、押し目を買いたい投資家は多いという見方はセルサイドの都合のよい論理だ。PER,PBR,テクニカル指標から見て、円安期待以外には買い上がれる材料はなくなった。相場が底堅いのはファンド筋がまだロングポジションを取っているからだ。短期筋の需給は良いが構造的な需給は決して良くない。投資環境を点検すれば、年度替わりとはいっても中途半端な押し目で買うには疑問がある。皆が儲けたい中で、ここまで戻れば現物買いで儲けるのは難しくなった。現物取引のウエイトがあまりにも低すぎ短期筋に翻弄される市場構造には何ら変化がない。
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円安期待頼みの相場見通し

2012-03-23 10:33:26 | 株式投資
日銀の金融緩和を市場は実質的インフレターゲット設定と認識しているが、その後の日銀の行動を見る限りではいまのところ本気度が見えない義理チョコだ。日銀の当座残高が膨らんでいない。ヘッジファンド等の短期筋がリスクを取って円安に賭けるほど日米金利差は大きくない。円安論者は何を持って円安が進むと言うのだろう。多分にムード先行だ。厳密に解釈すれば、日銀はインフレ1%目標とは言ってはいない。期待ばかりの都合のよい解釈だ。ポルトガル問題が浮上すれば再度ユーロ安円高もありうる情勢だ。米国経済は緩慢な回復に留まり、欧州も中国も景気減速懸念が台頭してきた。円安見通しを言うにはあまりにも希薄な根拠づけだ。円安期待頼みの株高見通しは希望的観測と言わざるを得ない。
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「たられば」と後講釈の世界

2012-03-22 14:40:44 | 株式投資
市況見通しはたられば前提、市況解説は後講釈だから、当たることもあるし、外れることもどちらもある程度の世界だ。想定外の早い戻りを受けて、市場関係者には日経平均で年末12000円程度とする見方が多くなったが、12000円はともかく上値11000円程度なら循環相場の範囲、この水準なら専門家でなくても誰でも考える範囲だから、わざわざ市場関係者にコメントを参考にする話でもない。株価上昇が続くならば、金融、自動車、電機等主力株が水準訂正するだろうし、逆にこれらが上がらなければ本格的な上昇相場は来ない。円安進行が継続する前提ならば、メガバンク、トヨタ、日立等が買われ株価が上がるのは当たり前だ。株式見通しは競馬予想と同じでプロとアマの差は殆どない。「たられば」と後講釈なら誰にでも言える。
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3月19日付藤戸レポート

2012-03-21 09:11:08 | 株式投資
3月19日付三菱UFJモルガンスタンレーの藤戸レポートは一読の価値がある。セルサイドとしては比較的慎重な見方だが、これは同ストラテジストが生保出身ということに影響しているだろう。証券出身者に比べ、セル、バイ両サイドを経験しており、セルサイドにありがちな一方向へのバイアスがかかった見方ではないように思える。現在の戻り相場の本質的な要因を分析しており、今後の相場見通しの一助になりそうだ。
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配当狙いは慎重に

2012-03-19 11:32:28 | 株式投資
毎年、年度末の安いところは配当狙いで仕込んできた。今年は様相が違うから、いつもの年度末より慎重に対応している。株価は上昇トレンドに転換したというのが市場のコンセンサスだがいまだ半信半疑だ。昨秋からの戻りの期間からいえば早晩調整入りは避けられない。相場が熱いうちは乗り遅れたと思っている資金が出てくるから底堅い。配当狙いの買いが終わった新年度入りからGW辺りまでのどこかが戻りの日柄から見ても調整のきっかけになるタイミングかもしれない。配当狙いでリスクを取って仕込む意味は例年とはちょっと違う。株価見通しは更なる円安進行前提のベストシナリオだから、いったん熱が冷めれば相場は一気に萎む可能性だってある。2000円上げた相場だから、次の調整は市場が現時点で想定しているような微調整に終わるとは限らない。いまは楽観が支配しているが、好材料が次から次に出続けない限り、こんな調子が続くわけがない。最近は外しっぱなしだから説得力にも乏しいが、世の中そんなにうまく行かないというのが経験則でもある。
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大相場には玉を吸い上げる投資主体の存在が不可欠 

2012-03-15 11:08:49 | 株式投資
デフレ終焉相場なる大相場説が台頭してきた。過去、株価が大きく上昇した時には、そこには必ず玉を吸い上げ継続保有する投資主体があった。かつての投信、外人、生保、年金、個人…だ。大相場にはこの種の投資主体の存在が不可欠だ。一般的には今年の相場のリード役は外人と言われているが、その外人の中身が変質している。昭和50年代の外人は日本経済の成長力に注目した年金等のロングホルダーだったが、現在の外人はヘッジ、裁定、CTA等の短期筋ファンドが中心で玉を吸い上げ保有する性格の資金ではない。彼らにとっては上がろうと下がろうと値幅さえあればよい。一方、国内の金融機関は株式圧縮が喫緊の経営課題、市況好転予測に基づき株式を積み増すことはありえない。個人は金融資産が潤沢な層は50、60代以上、これから貯蓄取り崩しに入るリスクオフ世代だ。年金は給付増とリスク回避から既に取り崩しに動き始めている。外人、個人信用の短期筋だけでは相場水準を大きく変えられない。マネーフローが変わらない限り、大きな括りで見ればリーマンショック後の循環相場に過ぎない。年明け後の環境好転によってゾーンがやや上位にシフトしつつあるというのが冷静な見方だろう。総じて強気筋の見方には需給構造の分析が欠如しており説得力に乏しい。円安是正やデフレ脱却だけでは成長には繋がらない。日本経済が新たな成長ステージに入らない限り、強気派が言うような大相場は実現しないとみるのが妥当な見方だろう。武者氏に代表される13000円説など夢のまた夢にしか思えない。
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対岸の火事 

2012-03-13 11:04:28 | 株式投資
ユーロが落ち着くに伴い恵の円安がやってきた。まだ歓迎できる円高是正の水準ではあるが、欧州のソブリンリスクが落ち着くのも考えものだ。向こうで騒いでいるうちはまだ対岸の火事ですむからだ。日銀はターゲットとはいっていないが、1%という目途を示したことは too little too late と揶揄されるこれまでのスタンスを転換したのかもしれない。消費税論議が迷走する中、当局はおそらくここで手を打たなければ、日本国債が早晩ヘッジャーのターゲットにされる恐怖を多少感じ始めているのだろう。緩やかな円安なら株高に繋がり歓迎だが、円安の進みようによっては経常赤字等何かをきっかけに日本売りにつながるリスクも内在している。円安=株高と言う単純な図式が市場のコンセンサスだが、そこには一抹の不安も感じている。
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実態は短期筋の腕力相場

2012-03-12 10:16:44 | 株式投資
こんなに早く1万円をつけるとは全くの想定外だ。バレンタインディ以降、外しっぱなしだから見通しをいう資格もなくなった。市場では1万円台が定着、万年強気の武者氏などは年末13000円と言い始めた。いまの市場を見通すには、短期筋なかでも裁定やヘッジファンドの動きを読む必要があるが、これがなかなか読めない。実態は短期筋の腕力相場なのだが、ファンダメンタルズ好転が原動力のようにすり替えられている。円安継続を前提とした業績回復のベストシナリオをもって、市場のコンセンサスは4-6月には11000円、年末12000円がコンセンサスになりつつある。業績回復をにらめばそのレベルまでは割高感、達成感もないという見方のようだ。全ては円安シナリオ前提、構造的な需給悪を見れば、相場が順風満帆に上がる可能性はあまり高くない。
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基金制度自体の廃止を検討すべき

2012-03-07 10:29:32 | 株式投資
年金基金は運用については素人だ。年金消失問題はAIJが一番悪いに決まっているが、問題の本質は年金基金の制度疲労にある。この制度は高度成長時代に市況の右肩上がりを前提とし、運用利回り5.5%程度で構築されたもの。古き良き時代の遺物なのだが、積立不足を埋められないから仕方なしに存続している。制度的には私的なものだから、公的資金の注入も出来ず傷はますます深くなる一方だ。担当者は単独型基金では人事・労務出身、総合型では社保天下りOBばかりで巨額な資金を素人が運営しているというのが実態だ。運用音痴だから表面的な運用利回りすなわち定量評価にしか関心はなく、定性評価には無頓着だ。運用機関出身者や善管注意義務を意識した良識的な担当者なら、AIJが利回り的に候補に挙がってきても運用委託は躊躇しただろう。将来的にもどう楽観的に見ても基金財政は回復不能と言わざるを得ない。監視強化、天下り廃止、運用経験者の配属義務を課しても本質は何も変わらない。基金制度自体の廃止を検討すべき時期が来ている
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日本株は最後の選択肢

2012-03-06 08:05:28 | 株式投資
金融機関、年金は規制強化やリスク回避が経営課題だから株式は増やさない。相場感で動く国内投資家は投信ぐらいだ。ロングの外人からみても日本株は最後の消極的な選択肢だ。短期筋の外人が先物、オプション絡みで相場を持ち上げてきた。流動性相場で潮目が変わったとはしゃいでも、まだ10000円にもとどかない。この程度の水準では個人の塩漬けはほぐれない。当面、米国のQE3も遠のき、欧州ソブリンリスクは相変わらず水面下で燻っている。日経は雌伏20年の日本株などと大げさな表現で投資家を煽るが、熱くなるのはセルサイドだけでいい。日本株は最後の選択肢だ。
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根拠に乏しいマネーゲーム

2012-03-04 09:45:40 | 株式投資
今週から少し調整含みになりそうだ。押しの水準はどこか見当もつかないが、ここまでマインドが強くなれば、いったん下げても新年度以降一度10000円を超えないと達成感は出ないのかもしれない。ここで伸るか反るかの大勝負に賭けてもいいだろうし、慎重ならもうすこし様子を見る選択となる。色々考えても所詮はたられば、株式投資は勝っても負けても根拠に乏しいマネーゲームでしかない。儲けたい人は乗る、損したくない人は動かない。不確かな前提に基づく期待は何通りもあるが、投資の選択肢はこのふたつしかない。
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進軍ラッパが鳴り響いてきた

2012-03-02 10:30:53 | 株式投資
今年の運用はうまくいっていない。もっとも保有株は僅かしかないから上がっても下がってもあまり影響はないが、儲け損なったから面白くない。かといってここで少し押したら買うとやられそうだし、見通しに自信もないからしばらくおとなしくしていようと考えている。普通の投資家が買いたくなる時は、一相場終わっていることが多いものだ。この水準では割安感も出遅れ感もなく、業績回復は為替次第だから見通しには信頼感が持てない。先物主導の空中戦で想定以上に戻したが、10000円台が定着した後も日本株が上げ続けるとは考えづらい。投資環境に落ち着きは見られるものの、現物株の需給悪は構造的だ。進軍ラッパが鳴り響いてきたが、さらに上をいったい誰が買うのだろうか?
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3月は重要月だが…

2012-03-01 11:15:01 | 株式投資
昨日は東京に今冬2度目の雪が積もった。今日から3月、年度末まで残り僅かだ。あくまでも個人的な意見だが、自分の投資スタイルから見れば3月は投資で最も重要な月だ。毎年、2月頃からウォッチに入り3月中旬過ぎ頃から集中的に仕込む。もちろんうまく行かない例外の年もあるが、3月に仕込んで秋までには売るやり方は経験的には収益を稼げる確率が高い。自分のやり方はトレンドに相乗りする投資だから、木はあまり見ないで森を見ている。この時期からの投資は期末配当も取れ、多寡はともかく夏場までには値上がり益も享受できる可能性が大きく効率は良い。ただし今年は2月に上がりすぎたからこの経験則が通用しないかもしれず悩ましいところだ。
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