陸海空各自衛隊が毎年度持ち回りで行う自衛隊記念日中央観閲行事のうち、海上自衛隊が担当して行われる観艦式を「自衛隊観艦式」と呼称しています。
2009年度は3年ぶりに海自の担当年度で、平成21年度自衛隊観艦式は10月25日に開催される予定となっています。
その参加部隊編成と実施内容の詳細が、昨14日にようやく発表されました。
以前の自衛隊観艦式に比べて、今年のは各種詳細情報の公表が異常に遅いです。
これは、軸足が磐石ではない政治情勢をぎりぎりまで見極める必要があったことと、実施内容をめぐって早くからマスコミどもの餌食にされないためのことでしょうから、一概に海上幕僚監部広報室を責められるものではありません。
なにせ政治家どもがぶれまくりなものですから。
なお今回発表分でも、艦内一般公開の各日の実施艦艇の詳細はまだ明らかにされていません。
見たい艦を狙って見学予定を立てる向きは、まだ焦らされているのです。これは早く発表していただきたいものです。
さて、私的に今回の最大の注目点だったのは、平成15年度と18年度に行われた「洋上給油の訓練展示」を今回も実施するかどうか……という点でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/f6/70d5ac5408cb25fe9bc031aa760dda30.jpg)
昨日の発表で、このかねてからの関心事に答えが出ました。
結果は、やはり「実施せず」でした。
そうですよね。
新政権は前々から、海自が灼熱と砂塵のインド洋で営々と実施してきたテロ対策洋上補給支援活動を、まるで評価していないのですから。
北沢防衛相、インド洋の給油活動「評価低い」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090917AT3S1701O17092009.html
(NIKKEI NET 2009年9月18日 00:23)
海自インド洋給油:北沢防衛相「評価高くない」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090918ddm002010089000c.html
(毎日jp 2009年9月18日)
そして駄目押しになったのが、発表前日のこれでしょう。
インド洋の海自を撤収へ 首相「アフガン政府強い思いない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091013/plc0910131848020-n1.htm
(MSN産経ニュース 2009年10月13日 18:48)
アフガンは給油に強い思い持たず 首相が認識示す
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101301000741.html
(共同通信 / 47NEWS 2009年10月13日 19:28)
なんのことはない、アフガニスタン政府の口を借りてポッポが自論を述べているだけです。
これには先に「日中関係の充実を "多くの日本の国民は" 心から願っている」という表現を使った(出典: サーチナ)のと同様の、狡さ、嘘臭さが感じられます。
こいつの物言いはいつもこうです。騙されてはいけません。
もちろん海自内部では部隊編成や実施内容の計画はもっと前から決まっていて、その計画に従って粛々と準備してきただけに違いありません。
ですが、早めに実施内容の全容を発表することで「(給油展示をやるのは)政治家に向けた活動継続へのアピールか」とか「(給油展示をやらないのは)活動を評価しない新政権への当て付けか」などという余計な詮索をされるのを避けたかった……というのが、発表をここまで控えてきた事情であると思われます。
補給支援活動打ち切りに政府内の流れが完全に傾いたのを待った結果の、このタイミングの発表なのです。
まあでも、もし給油展示をやると発表した後で補給支援活動打ち切りが最終決定すれば、外野からは「海自は恥をかいた」と捉えられ、また政府からは「海自は政府に反抗的な立場から政治パフォーマンスをした」と捉えられてしまう訳ですから、衆院選開票の時点でもともと今回の給油展示実施の可能性は低かったとも言えます。
補給支援活動関連の最近の政府内の動きで上記以外にざっと目に付いたものだけでも、ごらんの有様だよ!!!
○9月24日 亡A相「来年1月以降の継続はない」 (朝雲ニュース)
○9月25日 ポッポ「単純に延長するということは考えておりません。その発想は今でも変わっておりません」 (MSN産経ニュース)
○9月30日 ジャスコ「絶対ノーとは言っていない」 (時事ドットコム)
○10月1日 亡A相「民主党は継続しない立場であり、衆院選でも主張してきた」 (NIKKEI NET)
○10月5日 亡A政務官「国会の承認をつけて出すべきだ。そういう単純延長でない形を考えたい」 (MSN産経ニュース)
○10月6日 亡A相「延長という選択肢はあり得ない」 (47NEWS)
○10月6日 ジャスコ「政府のメッセージとしては『単純延長はない』という言い方で統一している」 (MSN産経ニュース)
○10月6日 みすぽ「条件付きであれ延長されないよう協議していく」 (47NEWS)
○10月12日 ジャスコ「はるかに給油のニーズが少なくなっている。月間8件程度だ」 (NIKKEI NET)
○10月12日 ジャスコ「臨時国会に延長のための関連法案を提出するのは困難」 (毎日jp)
○10月13日 感冒朝刊「ポッポやジャスコの発言は非常に重い」 (nikkansports.com)
○10月13日 亡A相「法に基づいて粛々と撤退をする」 (MSN産経ニュース)
できるだけ日持ちのするソースを選んだつもりですが、リンク切れでしたらご容赦を。
今度の政権は国防への関心が希薄ですから、受閲側の自衛官の皆様にしてみても仕え甲斐のないリーダーになるでしょうなぁ。
* * * *
私ですか? 公募の乗艦券は来着の気配がありません ○| ̄|_
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平成21年度自衛隊観艦式
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/kankan21/index.html
平成21年度観艦式及び同付帯広報行事について (PDF)
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/info/news/200910/091014.pdf
インド洋における補給支援活動
http://www.mod.go.jp/jso/oef/oef_info.htm
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Summary of image:
Description = 平成18年度自衛隊観艦式予行における補給艦「ときわ」JDS Tokiwa (AOE 423 / JSVN) と護衛艦「はるさめ」JDS Harusame(2代) (DD 102 / JSQO) の洋上給油展示
Date = 2006-10-27
Source/Author = Vantey
License = CC-BY-NC-SA-2.1-JP
![Creative Commons License](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/65/5efebab006589e20a8d6549e7bd36519.png)
2009年度は3年ぶりに海自の担当年度で、平成21年度自衛隊観艦式は10月25日に開催される予定となっています。
その参加部隊編成と実施内容の詳細が、昨14日にようやく発表されました。
以前の自衛隊観艦式に比べて、今年のは各種詳細情報の公表が異常に遅いです。
これは、軸足が磐石ではない政治情勢をぎりぎりまで見極める必要があったことと、実施内容をめぐって早くからマスコミどもの餌食にされないためのことでしょうから、一概に海上幕僚監部広報室を責められるものではありません。
なにせ政治家どもがぶれまくりなものですから。
なお今回発表分でも、艦内一般公開の各日の実施艦艇の詳細はまだ明らかにされていません。
見たい艦を狙って見学予定を立てる向きは、まだ焦らされているのです。これは早く発表していただきたいものです。
さて、私的に今回の最大の注目点だったのは、平成15年度と18年度に行われた「洋上給油の訓練展示」を今回も実施するかどうか……という点でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/f6/70d5ac5408cb25fe9bc031aa760dda30.jpg)
昨日の発表で、このかねてからの関心事に答えが出ました。
結果は、やはり「実施せず」でした。
そうですよね。
新政権は前々から、海自が灼熱と砂塵のインド洋で営々と実施してきたテロ対策洋上補給支援活動を、まるで評価していないのですから。
北沢防衛相、インド洋の給油活動「評価低い」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090917AT3S1701O17092009.html
(NIKKEI NET 2009年9月18日 00:23)
海自インド洋給油:北沢防衛相「評価高くない」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090918ddm002010089000c.html
(毎日jp 2009年9月18日)
そして駄目押しになったのが、発表前日のこれでしょう。
インド洋の海自を撤収へ 首相「アフガン政府強い思いない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091013/plc0910131848020-n1.htm
(MSN産経ニュース 2009年10月13日 18:48)
アフガンは給油に強い思い持たず 首相が認識示す
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101301000741.html
(共同通信 / 47NEWS 2009年10月13日 19:28)
なんのことはない、アフガニスタン政府の口を借りてポッポが自論を述べているだけです。
これには先に「日中関係の充実を "多くの日本の国民は" 心から願っている」という表現を使った(出典: サーチナ)のと同様の、狡さ、嘘臭さが感じられます。
こいつの物言いはいつもこうです。騙されてはいけません。
もちろん海自内部では部隊編成や実施内容の計画はもっと前から決まっていて、その計画に従って粛々と準備してきただけに違いありません。
ですが、早めに実施内容の全容を発表することで「(給油展示をやるのは)政治家に向けた活動継続へのアピールか」とか「(給油展示をやらないのは)活動を評価しない新政権への当て付けか」などという余計な詮索をされるのを避けたかった……というのが、発表をここまで控えてきた事情であると思われます。
補給支援活動打ち切りに政府内の流れが完全に傾いたのを待った結果の、このタイミングの発表なのです。
まあでも、もし給油展示をやると発表した後で補給支援活動打ち切りが最終決定すれば、外野からは「海自は恥をかいた」と捉えられ、また政府からは「海自は政府に反抗的な立場から政治パフォーマンスをした」と捉えられてしまう訳ですから、衆院選開票の時点でもともと今回の給油展示実施の可能性は低かったとも言えます。
補給支援活動関連の最近の政府内の動きで上記以外にざっと目に付いたものだけでも、ごらんの有様だよ!!!
○9月24日 亡A相「来年1月以降の継続はない」 (朝雲ニュース)
○9月25日 ポッポ「単純に延長するということは考えておりません。その発想は今でも変わっておりません」 (MSN産経ニュース)
○9月30日 ジャスコ「絶対ノーとは言っていない」 (時事ドットコム)
○10月1日 亡A相「民主党は継続しない立場であり、衆院選でも主張してきた」 (NIKKEI NET)
○10月5日 亡A政務官「国会の承認をつけて出すべきだ。そういう単純延長でない形を考えたい」 (MSN産経ニュース)
○10月6日 亡A相「延長という選択肢はあり得ない」 (47NEWS)
○10月6日 ジャスコ「政府のメッセージとしては『単純延長はない』という言い方で統一している」 (MSN産経ニュース)
○10月6日 みすぽ「条件付きであれ延長されないよう協議していく」 (47NEWS)
○10月12日 ジャスコ「はるかに給油のニーズが少なくなっている。月間8件程度だ」 (NIKKEI NET)
○10月12日 ジャスコ「臨時国会に延長のための関連法案を提出するのは困難」 (毎日jp)
○10月13日 感冒朝刊「ポッポやジャスコの発言は非常に重い」 (nikkansports.com)
○10月13日 亡A相「法に基づいて粛々と撤退をする」 (MSN産経ニュース)
できるだけ日持ちのするソースを選んだつもりですが、リンク切れでしたらご容赦を。
今度の政権は国防への関心が希薄ですから、受閲側の自衛官の皆様にしてみても仕え甲斐のないリーダーになるでしょうなぁ。
* * * *
私ですか? 公募の乗艦券は来着の気配がありません ○| ̄|_
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平成21年度自衛隊観艦式
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/kankan21/index.html
平成21年度観艦式及び同付帯広報行事について (PDF)
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/info/news/200910/091014.pdf
インド洋における補給支援活動
http://www.mod.go.jp/jso/oef/oef_info.htm
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Summary of image:
Description = 平成18年度自衛隊観艦式予行における補給艦「ときわ」JDS Tokiwa (AOE 423 / JSVN) と護衛艦「はるさめ」JDS Harusame(2代) (DD 102 / JSQO) の洋上給油展示
Date = 2006-10-27
Source/Author = Vantey
License = CC-BY-NC-SA-2.1-JP
![Creative Commons License](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/65/5efebab006589e20a8d6549e7bd36519.png)
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