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「中国の現状と今後」石平氏講演…6

2009年09月02日 | 【講】中国の現状と今後

【6】石平氏講演/中国の現状と今後


中国の外貨準備高、あれは別に中国政府が稼いだわけじゃないでしょ。企業が
稼いだ、中国国内の企業が海外に向けて商品を輸出して、それで外貨を稼いだ。
しかし中国独特の外貨管理制度下では、企業の稼いだ外貨が、企業の手に直接
入って来ない。

全部一旦は中国政府、具体的に言えば中央銀行の所に留まる。そして中国政府が
その企業の稼いだ外貨と同額の人民元を企業に渡す。という事は、今中国が持って
る外貨は既に人民元として国内で流通してるんですよ。

だからそのお金はもう外貨としての意味しかないんですよ。もう、1回人民元に
して中国で使ったら、要するに無いお金を使ってしまうという事になる。だから
出来ない。

出来ないからどうするか、結局アメリカの国債買うしかない。だから今中国の
外貨準備高が逆にアメリカに拉致されてしまう。アメリカの国債買う以外に
使い道は無いの。それが中国の、温家宝達のかなり苦しいところ。

しかし、じゃあ皆さんは、中国はアメリカの国債売ればいいじゃない(という
けれど)そんな事も出来ない。売れば暴落する。誰が損するか、また中国が
損する。どっちみち温家宝が大変という事は確実。要するに、経済を輸出で
引っ張ってきた、この構造が段々おかしくなってきた。

もう1つの投資、投資は皆さんご存知のように、1つは不動産投資ですわね、
いわゆる固定資産投資、一部は不動産投資。もう1つは企業による設備投資。
しかしね、企業が色々設備投資をやリ過ぎると、どういう問題が出てくるかと
いうと、中国語で「産能過剰」になる。

どういう意味かというと、生産能力が過剰になる、余ってしまう。簡単な話
工場を作りすぎた(けど)消費がそれ以上伸びない(ということ)そうすると、
過剰出資。

実はこの問題2006年から中国で既に発生してきている。工場を作りすぎた
結果、産能過剰という事になってる。

例をあげますと、中国の携帯電話。2006年の段階で中国は、携帯電話の市場が
伸びてるから一斉に携帯電話の市場に参入して関連企業を一生懸命作った。携帯
電話を生産する工場を作った。2006年の段階で、中国の国内で作った携帯電話
関連の工場がどれほどになったかというと、あの頃の工場を全部フル回転させたら
1年間で5億台の携帯電話を作れるだけの(数)になったんです。

しかし2006年の段階で、中国の携帯電話の年間販売台数は7千万台くらいです。
7千万台に対して、産能だけは5億台、確実に過剰出資。

いつまでも投資の拡大で経済を引っ張っていく戦略のリズムが狂ってくる。要
するに永遠に続かない。今まではね、産能過剰のかなり大きな部分を輸出で
吸収してもらえばよかった。輸出が伸びてれば、過剰の部分は吸収されてしまう。
しかし、一旦輸出が止まってしまえば、過剰問題がまた生じてくる。

じゃあこの問題をどう解決するか、経済学的な常識に照らせば、そのやり方は
簡単。投資も輸出も減ったら、それをカバーするのをどうすればいいかというと、
議論としては簡単、要するに内需寛大。

国民に消費を拡大させる。そうすることによって輸出で減った分(余った製品)を
吸収させる。投資した産能もまた(内需拡大による消費で)吸収してもらえる。

ですから去年から中国政府も内需拡大、内需拡大とまるで馬鹿のひとつ覚えの
ように毎日言うんですけど、しかし、この内需拡大が果たして出来るかどうか、
そこがまた問題です。結論から言えば、それはまだ無理。どうして無理かと
言うとー

大変大事な論文が最近見つかったんですよ。ここも以前から同じこと言ってます
けれども、5月の30日、2週間前に中国の国内新聞で発表された3つの論文。
論文の書き手は中国社会科学院公共管理と政府政策研究所の経済学博士の馬 
光遠(バ・コウエン)さん、彼のこの論文を見つけたあとは、私は個人的に馬さん
こそ一番かわいい中国人だと認定しております。

じゃあ何を彼が書いたかというと、論文のタイトルは「労働力



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