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「中国の現状と今後」石平氏講演…5

2009年09月02日 | 【講】中国の現状と今後

【5】石平氏講演/中国の現状と今後


輸出が伸びると原材料も設備投資も勿論増える。要するに経済というものはそう
いうものですよ。1つの原動力、エンジンが発動している(状態)たとえば私が
このマジック(インキ)1つ買うと、あるいは日本国民が1本買って1億本これが
売れたら凄い経済効果でしょう。そういう生産する色んな機械も売れますし1本に
関わるメーカーは何百、何千あるんですよ、それが経済の成長ですから。

(中国経済を引っ張ってきた)2つの馬車(投資、輸出)が、この十何年間ずっと
走ってきたから、中国経済が繁栄してきた。問題は、2台の馬車で経済の成長を
引っ張っる戦略が、永遠に続くかどうか。しかし、そこが問題ですが、大変楽しい
事に、私からすれば大変嬉しい事に、これは続かないです。

どうして続かないかと言うと、いつまでも輸出の拡大が(続く事が)前提になって
いるからです。世界市場が永遠に拡大する。世界の市場が常に増える、世界の
景気が常に良くなる。この前提で中国の経済は回っているんですよ。

一旦中国の得意先であるアメリカ、日本、ヨーロッパの経済がダメになったら
この馬車が止まってしまう。そして大変嬉しいことに、このことが現実に起きた。
アメリカ発の金融危機で、世界同時不況。

それが中国の輸出産業にとって、去年の秋位から凄く大きな打撃(になった)例え
ばね、私のところに、中国の経済に関する嬉しいニュースが多く来るんですよ、
勿論私にとっての嬉しいニュースです。胡 錦濤にとっては悲しいニュースかも
知れませんが。

今年の1月から5月、中国の海外輸出がだいたい20何%のマイナス成長。そこ
皆さん考えて、大きいでしょう。昔はプラス20何%の成長、今はマイナス20何%。
マイナス20何%とプラス20何%、その差は数字で言えば50%以上ですよ。

中国にとって、この構造(2台の馬車=投資と輸出)が段々崩れてしまう。ただ、
今、中国にとって救い(の可能性)は、世界経済が急速に回復するかどうか。実は
ね、私もそう言うし、中国の国内学者もそう言うんですよ。

(これは)中国国営のいちばん大きな通信社、新華社の記者が色々経済問題取材
して書いた文章ですけども、彼が言うように、今中国の経済成長にとって最大の
困難が何かというと、輸出の縮小、萎縮。それが最大の困難であると(書いてある)

要するに、中国の経済成長の大きな部分は、私から見れば今までは他力本願。
大体中国はね、共産党は外にでて偉そうな事言うでしょう。本当は偉そうな事
言う立場じゃないよね。お前達の繁栄も発展も、政権の正当性も、外国のお客
様の財布をあてにしているんだもの。その・・結果的にアメリカのバブルの崩壊。
そこが中国にとってかなり致命的なダメージ。

しかも、そこから経済にとってさらに問題が生じたことは、外貨準備高の問題。
ご存知のように中国は今1.9・・何兆ドルの世界一の外貨準備高、あれを見て
中国は大丈夫、あんな外貨を持ってれば大丈夫だと思うんですけれど、しかし
大丈夫じゃない。

どうしてかと言うと、正直、今中国が持っている外貨準備高が、中国国内の問題
解決に、何の意味も無い。どうして無いかというと、この外貨は、中国国内で使う
事は出来ない(から)

どうして出来ないかと言うと、それは簡単な話。ご存知のように、中国が外貨を
国内で流通させないから。要するに人民元と外貨を遮断する為替政策やってる
からです。




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