心の敷石

Candyの 思いつくまま気の向くまま

米中による日本の富収奪計画と大・東アジア再建計画  5/7 青木直人講演会

2009年09月07日 | 米中による日本の富収奪

●4/7はアップしていません

そして、北朝鮮と中国というのは極めてロジックに長(た)けた国なんですよね。
彼等は大喧嘩やってる時でも友好で抱き合うわけです。僕なんか人民日報30年も
読んでるから腐るぐらいそういう例知ってますよ。あとになってみればね、あっ,
この時は実は大喧嘩をやっていたんだと。

だからですね、中国はいかにも北朝鮮の味方をするように言うんですよ。何故か、
それは中国にとって外交的なカードになるんです。みんな日本人も言ってるじゃ
ないですか、愚かな人達は。北朝鮮に中国は影響力があるから中国に託しましょう
って。

カードになるんですよ。去年安倍さんが行って戦略的互恵関係でね、日本の外務省が
乗せられたのはそれなんです。安倍さんは、要するに中国に援助する事によって、
北朝鮮にコミット(かかわりあう事)させようとしたんですよ。中国、何にもしてませんよ。

日本の一部の善意の人達も騙されてるんです。中国が北朝鮮に対して影響力を行使
する事をもの凄く恐れているのはキム・ジョンイルなんですよ。キム・ジョンイルも
本音では中国ではなくてアメリカの方が大好きなんです。

そういう魑魅魍魎(ちみもうりょう)たる世界を、中朝両国は非常に巧妙なレトリック
(言い回し)によって、両者の友好関係みたいな事を言ってるわけですよ。ところが、
ちょっと調べてみれば人民日報に『血で結ばれた友誼(ゆうぎ:友情)』なんて
言葉、どこにも出てこないんだよね。ちょっと調べれば分かるんだけれども皆さん
調べないから分からないんですよね。

そういう今の北朝鮮と中国の従属関係、まだキム・ジョンイルが元気な間は北朝鮮
が突っ張ってられますけれども、私は、キム・ジョンイルが死んだり執務不能に
なった時というのは、一挙に中国が力を持ってくると思います。

中国の狙いは一言で言えば、皆さん聞き慣れない言葉かも知れませんが、和平
エンペンです。和平エンペンとは何か。1996年、中国とソ連は大々的な中ソ
論争を始めます。その時、中国はソ連共産党を批判した六評(りゅうぴん)と
いうのがありましてね、6つの評価論文が出るわけです、評論文が。

その中にユーゴスラビアは社会主義国かという有名な論文があるんですね。この中
にですね、和平エンペンという言葉が出てくるんです。つまりユーゴスラビアは
形式的には社会主義かもしれないけど、明らかにブルジョアイデオロギーが復活し、
経済も資本主義化しているじゃないかと。

彼等は要するに、形の上では共産党政権であっても、内部から党員が変質して
ですね、西側資本の和平エンペンによって、体制の性質が変わったのだという
批判を、アメリカはやるわけですよ。

それは暗にロシアの事を指しているんです、ロシアの事を。で、今中国がですね、
かつて和平エンペンを激しく糾弾した中国が、北朝鮮の労働党政権に対してやろう
としているのが、まぎれもなくこの和平エンペンなんですよ。

なぜなら和平エンペンは内部から敵を陥落させるから、血を出さなくて済むんですよ。
そして、明らかに今、中国(人の)北朝鮮の革新階層グループの中には、北朝鮮の
統制経済の破綻によって、大量に流入した中国の物資に寄生する事によって経済的
力を持った新興・・グループが台頭しつつある。

さらに伝統的に北朝鮮の経済を牛耳る4万人、ないしは5万人と言われる北朝鮮に
いる中国の華僑の政治的発言力が、明らかに強化されてる。

※この華僑に対して、朝鮮労働党が中国の内政干渉を和平エンペン政策(と捉え)
あるいは中国の大国主義に反発して、このグループを仮に手をつけて粛清するよう
な事になれば、中国は黙ってないだろうと私は思う。※

※上の文章、分かり難かったので大幅に変更しました

それはですね、かつて79年の2月に、中国は有名な中越戦争、俗に言うベトナム
懲罰戦を開始するわけですね。100万の中国人が一挙に中越国境を下って、南下
してベトナムの領土を占拠するわけです。

そして、徹底してあそこを破壊するわけです。この時の狙いは何か。一ヶ月間で
中国は撤退するんですよ。別にベトナムを占拠したり、政権を妥当するのが目的
じゃないんです。外交的アピールなんですよ。「我々は同胞たる華僑の苦難は座視
(傍観)しない」というアピールなんですよ。

何故か、それは 小平がやろうとしてた、79年2月の中越戦争の3ヶ月前の
78年11月に「十一期三中全会」という有名な文化大革命から経済建設に変わる
大胆な路線転換が行われるんですね。

その3ヵ月後に中国はベトナムに攻め込むわけですよ。どういう事かと言うとですね、
中国の開放政策というのは、先ほど言ったように内部にお金が無いので、外部から
お金と技術を持ってくるしかないんです。中国が頼ろうとしているのは華僑なんで
すよ。

だから華僑の弾圧を中国はしなかったんですよ。自分達の※4つの現代化にとっても
必要だから。そして華僑は、確実に南ベトナムにおける中国の権益を代表する勢力
なんです。さらに言えば、79年にベトナムに進攻した中国は、80年代に香港
返還を控えているわけですね。香港返還は明らかに台湾統一の布石なんですよ。

         ※4つの現代化:農業、工業、国防、 科学技術の現代化

であるがゆえに、中国は、「華僑は我々大陸(の者)が守るんだ。華僑の・・こそ
我々なんだ」という政治的アピールを台湾向けにも行うわけですね。

そのような3つの要因の中で、中国のベトナム進攻が開始されたのだと考えれば
ですね、北朝鮮は、ここまで(大きく)国内で力を持ってきた中国の影ですね。
これを何らかの力で排除しようとすれば、おそらく中国と非常に大きな対外的な
摩擦を生むであろう事は、まず間違いない。

そういう点でですね、中国と北朝鮮の間に、中国は大きな枠組みの中で東北開発を
行おうとしている。その為に北朝鮮の開放化を中国は必要としている。それを
キム・ジョンイルの先軍政治は許容しようとしない。明らかに中国の路線と北朝鮮の
路線は摩擦を起こしているんですよ。

今の段階では、中国は北に手を突っ込めないんですよ。自分とこがヤバイから、
北京オリンピックもありますしね。

しかし、仮にキム・ジョンイルが亡くなって、北朝鮮の政権に動揺があって、北朝鮮が
何らかの形で中国の影響を排除しようとした時に、おそらく私は、中国は出る可能
性があると思う。

そして、これに対し日本の平和勢力の人は、まさか中国がそんな事するはずが無い
と思うんですけど、中国人っていうのは徹底して本音ですからね。

 小平が何を言ったか知っていますか。中越戦争で、西側は一応批判してみたん
ですよ。 小平はせせら笑うんですよ。「アメリカが喜ばないわけは無い。アメ
リカを叩いたベトナムを俺達が叩いてやったんだ」と、こう言うんですよ。

であるとするならばですよ、あのキム・ジョンイル政権を中国が叩いて、反対する
人間がいるんですか。というとこまで中国は読んでいるんです。だからと言って、
国際的に孤立するのは困るから、一ヶ月くらいで多少折(が)つけば直ぐに撤退
しますよ。その程度のオプション(選択権)は既にあるということなんですね。

http://www.youtube.com/watch?v=iAW5qs0HpLc&feature=related

米中による日本の富収奪計画と大・東アジア再建計画  3/7 青木直人講演会

2009年09月07日 | 米中による日本の富収奪

明らかに北朝鮮の人民軍のスタンスは違うんですよ。そういう米中協調路線こそが
中国にとって日本を抑え込む事が出来るし、ロシアを牽制する事も出来るし、朝鮮
半島において中国に有利な政権を作れるし、最大の危惧である台湾も抑え込むこと
が出来るわけです。

つまり、この米中協調体制というものはアメリカにとっても中国にとっても極めて
都合のいい体制なんですよ、72年から始まった体制は。そういう中で、北の核の
突出によって改めて米中両国は、日本の核武装と、軍事的台頭、及び台湾の独立
反対を、北京とワシントンのコントロールから離れるがゆえに許さないという合意を
したわけです。

それが今度は朝鮮半島における、私が言いました拉致処分という、キム・ジョンイル
政権を積極的にではないんだけれども、自分達の外交的な都合で延命させておくと
いう選択に繋がったんだと思います。

そして時系列に話しますと、昨年の7月に北がミサイル発射を行い、10月に国内
核実験が行われた。10日にキッシンジャーが中国に行って胡 錦濤と会う。そして
米中両国が、北の核は黙認した上で、北の核が日本や台湾にドミノ的に広がる事を
抑えるという話し合いをした。

今度は2ヵ月後の12月13日に、ブッシュ・シニアが息子の親書を持って、また
胡 錦濤と会うわけです。ここで、ブッシュ・シニアが何を言ったかというと、
同じような事を実は言ったんだと(思う)そしておそらく私は確実に、ここで・・
軍の話が出たと思いますね。何故かというとブッシュ・シニアは,このあと北京で
記者会見やって、従軍慰安婦問題を含めた日本の歴史認識を叩くんですよ。

この従軍慰安婦叩きっていうのは、本質は何かというと拉致隠しなんですよ。お前
等もやったじゃないかという北のロジックなんです。それにアメリカが協力する
わけですよ、アメリカのチャイナロビイストが。

実は米中が体制間、例えば人権問題とかイデオロギーとか、アメリカと中国は対立
するわけですよね。米中が対立する時、何をカードに持ってくるかというと、日本
の歴史問題なんですよね。これ実は天安門事件の後もそうなんですよ。

89年の6月月4日に、有名な天安門事件がございました。私の友人も死にました。
天安門事件で外国に逃げた連中も死んだ奴もおります。天安門事件のあと西側は
一気に経済制裁に入るわけですね。

その時にブッシュ・シニアつまりブッシュ大統領のお父さんは密かにメッセンジャーを
送るわけです、 小平のもとに。送られたのがですね、これが大事なんですよ
皆さん、キッシンジャーであり、キッシンジャーの愛(まな)弟子のスコウクロフト
なんです。スコウクロフト大統領補佐官という人物なんです。

このスコウクロフトが何故大事かというと、彼が北朝鮮処分のシナリオ書いていて
彼の愛弟子がライスさんなんですよ。そういう非常に生々しい人脈がありまして、
そのスコウクロフトが行くと(いう点が大事)

天安門事件の時、 小平は 小平で孤立してたわけです、軍部から彼、叩かれて
いたんで。で、そういう叩かれた 小平が何をやるかというと,アメリカに強硬な
姿勢を取らざるを得ない。アメリカはアメリカで議会やメディアで叩く、なかなか
動かないわけですね。

次にアメリカのブッシュ政権が送ったのが、ニクソン元大統領なんです。72年の
国交正常化をやった(ニクソンです)そのニクソンが中国の要人と会見します。
(そして)帰国後に、彼はワシントン・ポストにある論文を発表するんです、中国
の要人と何を話したかと。

ニクソンは 小平達中国の要人にこう言ったんです。「我々の共通の敵であった
ソ連は今や力を失った。次の敵は日本である」と。

新たに台頭する日本に対して、米中両国の絆は今後も友好(有効?)であるという
プロポーズをニクソンはやるわけです。ここでも、中国のある種日本に対する、日中
戦争も含めたトラウマをアメリカは徹底して利用するわけですよ。で、中国を恫喝
(?)する形で自分達の陣営に引き込むという構図がございます。

こういう米中共同による日本封じ込めを極めて・・した形で行われたのが、天安門
事件のあと、対立してた米中指導者の相互訪問が回復した98年のクリントン訪中
だったんですね。これは私、繰り返し言ってるんですけど、クリントンはあの時、
日本上空を通ってないんです。これ歴代の大統領が中国を訪問する上では初めて
なんですよ。

彼(クリントン)アラスカから入るんだよね。アラスカから西安に入るんです。
これも歴代の大統領では初めてです。常に北京から入るんです、みんな。何故
西安に行ったんですか。西安て、※「国共合作の舞台」じゃないですか、そこに
行くんですよ、まずクリントンは。

※1936年に国共合作(国民党と中国共産党の協力関係)による日本政府への
対抗を目指す張学良が、蒋介石を軟禁した西安事件の舞台

次に上海に行って、台湾独立を認めないと、彼は大演説をやるわけです。何故台湾
独立を認めないか、その2年前に台湾海峡で中国のミサイル攻撃があったがゆえに、
クリントンのアメリカは第七艦隊を派遣せざるを得なくなったわけです。米中関係の
枠組みが崩れるんですよ。だから台湾の跳ね上がりは許さないんです。

実は、このクリントン滞在(期間)というのは、歴代のアメリカの首脳が海外に
滞在した日数の中では9日間で最大なんです。これはあまり指摘されないんですが、
一番長いんです。そしてクリントンは香港に行きます。イギリスから返還されて
1年目の香港ですね。イギリスの香港支配史とは何かと言うと、難しい言葉で
言えばパックスブリタニカの時代、それが終わったわけです。

パックスブリタニカが終わって、これからはパックスアメリカーナの時代が始まる
と(いうことです)その時にクリントンは香港で大演説をやるわけですよ。「安定
して豊かな中国はアメリカの同盟国である。戦略的パートナーである」という大発
言をやるわけです。日本に寄らなかった大統領がこう言うわけですよ。

クリントンは翌日、香港からアメリカに7月6日(4日?)にハワイに帰るんです。
7月4日はアメリカの独立記念日じゃないですか。全部仕組まれたんですよ、アメ
リカと中国が演出して。

ところが日本人だけは気付かないんですよ。私は、これは、冷戦が終わってアジア・
太平洋の一極支配を確立したアメリカの、最高首脳による大遠征だと思います。
何の為の大遠征か、クリントンに同行した経済人の数って言うのは、数千人いる
わけですよ。ビッグビジネスのトップ連中が皆いるわけです。

つまり、こういう事なんです。第二次世界大戦によってアメリカにとって最大の
脅威であった日本海軍は崩壊した。次にアメリカの支配するアジア・太平洋地域に
おいて、アメリカの敵となったソ連海軍も、ソ連崩壊によって消えてしまったわけ
ですね。

アジア・太平洋は確実に中国(アメリカ?)の内海、内なる海に変わったわけです。
そして内なる海に変わった太平洋の向こうには、自らの意志によって市場経済化を
選択した13億の市場が登場してきたんです。

中国共産党が、社会主義市場経済というのを党規約に書き込んだのは1994年です。
クリントンの訪中が98年なんです。明らかに中国の新しい市場を巡って、ビッグ
ビジネスのトップを連れて、クリントンが大遠征に行ったんです。そういう大きな
流れ、大きな枠組みは、実は共和党政権の中であっても歴然としてあるわけです。

さらに言えば、クリントンの98年の中国訪問の前年に、江沢民がアメリカを訪問
してるわけですね。彼は最初どこに行くんですか。パールハーバーを視察するんで
すよ。江沢民はパールハーバーを視察して、「かつて我々は同士であった」という
大演説をするわけです。

次(の年に)にクリントンは西安に行くんですよ、日本の上空通過せずに。私が
申し上げたいのは、単純なアメリカ不信ではございません。※パワーポリティクス
というのはこういうものだという、我々はリアルな認識を持つべきではないでしょうか。

※パワーポリティクス:強制力としての権力の行使や追求によって特徴づけられる
政治的活動。

それは来るべき朝鮮半島における我々の同胞を果たして奪還出来るのかどうか、
という我々にとって緊急な問題にとっても、一切の幻想を持たずにリアルに、
時には冷静、残酷なまでに、起こるべき現実を分析すべきであろうと私は考えて
おります。

http://www.youtube.com/watch?v=ej_GVOgmUMc&feature=related

米中による日本の富収奪計画と大・東アジア再建計画  2/7 青木直人講演会

2009年09月07日 | 米中による日本の富収奪

●まだ1/7はアップしていません

では、我々が非常に関心を持ってるキム・ジョンイル政権がどうなるのかという
ことに関して言いますと、私は、中国とキム・ジョンイル政権は極めて危険な
対立点、矛盾点を抱えてきていると思っております。

一般に我々はこう考える、「何故北朝鮮は崩壊しないのか、中国が支援している
からだ」と。なるほど、その通りなんですね。しかし、中国の支援とは何なの
ですか。あれは、善意の人達がボランティアでやってる支援じゃないんですよ。

このあとでも言いますけどね、明らかに2005年以降、今から2年前ですね、
中国の北朝鮮政策は質を変えているんです。どう変えたかというと外交的圧力を
いくらかけてもきかない北朝鮮を、政治と貿易で押さえ込もうというのが中国の
戦略なんです。

今後キム・ジョンイルがですね、死亡、ないしは執務不能という決定的な時期に
なったら(どうなるか)

北朝鮮の中にいる中国派のグループ、彼等こそが新興階層グループなんですよ。
今、北朝鮮の中で豊かになっているという連中はですね、中国との貿易関係に
依存して豊かになった連中なんですよ。彼等は言うならば、北京が送り込んだ
※トロイの木馬なんですよ。 ※トロイの木馬:北朝鮮を陥落させるために送り
込まれた部隊(人々)

これに危機感を持った朝鮮労働党キム・ジョンイル政権が、今北朝鮮経済を事実上
牛耳ってる革新階層グループの中国派グループ、及び北朝鮮の中に5万人いると
言われてる華僑の弾圧を始めた場合、私は、中国は鴨緑江(おうりょっこう)を
越えて北朝鮮に進軍するのではないかとすら感じております。

何故そう感じるか、それは79年の2月に何があったかを皆さんは記憶して欲しい。
あの時、中国は明らかにベトナムに攻め込んだじゃないですか。攻め込んだ理由は
何であったか。(ベトナムによる)華僑弾圧ですよ。じゃあ、何故中国にとって
華僑がそれだけ大事なのか。それは華僑の資本、及び台湾との統一戦線における
華僑の位置づけ。

さらに華僑によって代表される、北朝鮮における中国の権益。その、北朝鮮で築い
てる中国の権益こそが、中国が今大々的に、日本及び欧米の資本家を呼んでやろう
としている大東北アジア再建計画、これと確実にリンケージ(連鎖)するわけですね。

今、実は日本の財界の方が中国、北京に行っておられます。日中経済協会という、
トヨタの会長をやってる張さんがこれの会長をやっておられます。このメンバーが
今、財界人150人です。日中経済協会が出来たのが1972年の国交正常化の
時なんですけれども、それ以来35年ですか、これだけの数というのは初めてなん
ですよ。

いかに日本の財界と中国が組んでるか、これも「中国の黒い罠」という本にも
書いたんですけど、中国に対するODAですね、来年(2008年)廃止されてる
ODAが確実に復活します。このODAに対する支援、さらに北朝鮮との正常化に
よる支援、これから日本の富の収奪が、我々の全く知らないとこで、歓迎しない
とこで、周辺大国によって強制されるであろうと(思われます)

その政策を忠実に代表するのが福田政権なんです。ですから、そういう大きな
文脈の中で拉致問題を考えるべきであろうというふうに私は感じております。
このあと、ちょっと細かい説明をさせていただきます。

中央公論に発表されました「拉致敗戦」という論文を、中には読まれた方がいらっ
しゃると思います。あの中で衝撃的なのはですね、昨年(2006年)の10月9日に
北朝鮮が核実験の発表した(その)翌日に、キッシンジャーがブッシュの親書
持って、胡 錦濤と会ってたと(いうことです)

で、調べたんですよ。キッシンジャー行ってるんですよ、確かに、10月10日に。
つまり核実験の翌日ですね。ところが、胡 錦濤とキッシンジャーが会ったという
報道が無いんですよね。私、新華社も全部調べました。要人の会見というのは、
翌日「人民日報」の1面の右肩にだいたい写真入りで出るんです。あそこが指定席
なんですけども無いんですよね。隠しているんですよ。
(4分24秒)
何で隠したんですかね。私ね、日本に知られたくなかったんだと思う。ところが
ですね、キッシンジャーがその日に北京に行った報道はあるんですよ。つまりどう
いう事かというと、10月10日のお昼に、キッシンジャーは北京大学で名誉博士号
みたいなものを授与されて、その・・記念式典には参加してるんですね、10日のお昼。
ところが夜の報道がないんですよ。おそらく、この時に会ったのではないかと。

実は何故これが決定的に大事かと言いますとね、その時、国連では安部さんと麻生
外相が、アメリカのボルトン国連大使と、制裁決議やってたんですよ。その時に
米中の裏コネクションがこういう形で動くんですよ。キッシンジャーがちゃんと
行って胡 錦濤と会っているんですよ。

それはどういう内容であったかと(いうと)北朝鮮の核をこれ以上拡大しないと、
北の核を封じ込めるんだと。しかしながら、持って行ったものは、「今の段階で
これ以上抑えてもしょうがないから、核の拡散に今後は米中で政策を調整していこう」
という(親書で、それに基づいた)話し合いが行われたのではないかというふうに
私は見ております。なぜかと言いますと、ボルトン国連大使は、北朝鮮に対する
海上封鎖まで提議するんですけれど、実はライス国務長官は海上封鎖に徹底して
反対するんですよね。

海上封鎖反対というのは、中国が一貫して言っている事で、中国の認識では、海上
封鎖までやると北の体制は崩壊する。アメリカの国務省ラインもこれに賛成しない
わけですよ。

そういう形で、アメリカのネオコングループと日本の安倍・麻生外交が国連で北
朝鮮の制裁決議をやってる時に、アメリカと中国の裏チャンネルがこういう形で
動く。キッシンジャーが胡 錦濤と会って、その報道は一切外部に出てこない。

そして、一旦始まった北朝鮮の核実験と制裁のエスカレート、これを米中は抑え
込もうというふうに動き始めるわけです。そういう中で、中川(昭一)政調会長が
「核論議を日本はすべきだ」と発言すると、ライスさんがすぐ来て、これを牽制
するという事ですね。
(6分55秒)
そしてその後、ブッシュ政権は中間選挙で敗北します。最終的におそらくここで
ネオコン勢力が排除されていく。そしてアメリカはアジアに対して戦略的な利益を
持っていないので、中東におけるイラン・イラクを中心とした※核のドミノと、
アメリカにおける決定的な同盟国であるイスラエル防衛、こちらの方にブッシュ
政権は政策のシフトを始めたと。

※核のドミノ:ある国が核兵器を保有することにより、軍事バランス維持の
ために近隣国が対抗上ドミノ現象的に核武装すること。

じゃあ、北朝鮮の核はどうするかと言うとですね、核を廃絶させると言っても現実
には手段が無いんで、核の拡散を封じ込める。そして同時にこれ以上制裁をエス
カレートさせない為に、第2回目の核実験を抑え込むという大まかな合意が行われ
たのではないかと私は感じております。

その代償は何かと(いうと)日本の核武装化に徹底して米中両国が反対する。
このような小さな動きは事前に、芽の段階でも潰していくと(いうこと)さらに
来年3月に行われる台湾の独立を賭けた運動(総統選挙)を潰していく。台湾
独立の動きはアメリカも中国も決して協和しないでしょう。

それは何故かと言うとですね、米中が対立しなければならなくなるんですよ、
台湾でこういう事が起こると。これは徹底して大国のエゴイズム外交が行われて
いるわけですよ。アメリカも中国も今さら対立なんかしたくないですよ。こんな
美味しいビジネスチャンスが中国市場に(あるのに)

中国も大歓迎じゃないですか。だって中国の成長って言うのは外資依存ですからね。
自己資本なんて無いんだから。全部、外国の資本に来て下さい、投資して下さい、
お金も出して下さいと(依存している)日本の20分の1で働く労働者はこちらで
提供しますと。ある意味では中世の奴隷制にも匹敵するような経済行動、それを
共産党官僚が上から牛耳る事によって中国はここまで成長してきたわけです。

ですから、かつて毛沢東は中国革命の初期の段階で、国民党や正規の・・政権と
いうふうに批判したんですけど、今の共産党の指導部は本質的に・・勢力なんです
国際資本の。それがイデオロギー的にいいとか悪いとか言ってるんじゃないんです。
客観的に見ればそうなんですよ。

 小平が80年代に出した先富論というのがありますね。豊かなところ豊かな人
から先にどんどん豊かになって(いく)これは市場経済化路線(?)そのものじゃ
ないですか。そういう形の成長なんですよ。

だとするならば、中国がアメリカと徹底的に対立するシナリオなんてありえない
ですよ。さらに朝鮮半島に関して言うと、中国の人民解放軍とアメリカの軍部が
交流してる。その中で、ただの1度も、ただの1度もですよ、アメリカを批判した
発言が出てこないんです、中国の軍部から。

http://www.youtube.com/watch?v=TrU_Ms05d8Y