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そして、北朝鮮と中国というのは極めてロジックに長(た)けた国なんですよね。
彼等は大喧嘩やってる時でも友好で抱き合うわけです。僕なんか人民日報30年も
読んでるから腐るぐらいそういう例知ってますよ。あとになってみればね、あっ,
この時は実は大喧嘩をやっていたんだと。
だからですね、中国はいかにも北朝鮮の味方をするように言うんですよ。何故か、
それは中国にとって外交的なカードになるんです。みんな日本人も言ってるじゃ
ないですか、愚かな人達は。北朝鮮に中国は影響力があるから中国に託しましょう
って。
カードになるんですよ。去年安倍さんが行って戦略的互恵関係でね、日本の外務省が
乗せられたのはそれなんです。安倍さんは、要するに中国に援助する事によって、
北朝鮮にコミット(かかわりあう事)させようとしたんですよ。中国、何にもしてませんよ。
日本の一部の善意の人達も騙されてるんです。中国が北朝鮮に対して影響力を行使
する事をもの凄く恐れているのはキム・ジョンイルなんですよ。キム・ジョンイルも
本音では中国ではなくてアメリカの方が大好きなんです。
そういう魑魅魍魎(ちみもうりょう)たる世界を、中朝両国は非常に巧妙なレトリック
(言い回し)によって、両者の友好関係みたいな事を言ってるわけですよ。ところが、
ちょっと調べてみれば人民日報に『血で結ばれた友誼(ゆうぎ:友情)』なんて
言葉、どこにも出てこないんだよね。ちょっと調べれば分かるんだけれども皆さん
調べないから分からないんですよね。
そういう今の北朝鮮と中国の従属関係、まだキム・ジョンイルが元気な間は北朝鮮
が突っ張ってられますけれども、私は、キム・ジョンイルが死んだり執務不能に
なった時というのは、一挙に中国が力を持ってくると思います。
中国の狙いは一言で言えば、皆さん聞き慣れない言葉かも知れませんが、和平
エンペンです。和平エンペンとは何か。1996年、中国とソ連は大々的な中ソ
論争を始めます。その時、中国はソ連共産党を批判した六評(りゅうぴん)と
いうのがありましてね、6つの評価論文が出るわけです、評論文が。
その中にユーゴスラビアは社会主義国かという有名な論文があるんですね。この中
にですね、和平エンペンという言葉が出てくるんです。つまりユーゴスラビアは
形式的には社会主義かもしれないけど、明らかにブルジョアイデオロギーが復活し、
経済も資本主義化しているじゃないかと。
彼等は要するに、形の上では共産党政権であっても、内部から党員が変質して
ですね、西側資本の和平エンペンによって、体制の性質が変わったのだという
批判を、アメリカはやるわけですよ。
それは暗にロシアの事を指しているんです、ロシアの事を。で、今中国がですね、
かつて和平エンペンを激しく糾弾した中国が、北朝鮮の労働党政権に対してやろう
としているのが、まぎれもなくこの和平エンペンなんですよ。
なぜなら和平エンペンは内部から敵を陥落させるから、血を出さなくて済むんですよ。
そして、明らかに今、中国(人の)北朝鮮の革新階層グループの中には、北朝鮮の
統制経済の破綻によって、大量に流入した中国の物資に寄生する事によって経済的
力を持った新興・・グループが台頭しつつある。
さらに伝統的に北朝鮮の経済を牛耳る4万人、ないしは5万人と言われる北朝鮮に
いる中国の華僑の政治的発言力が、明らかに強化されてる。
※この華僑に対して、朝鮮労働党が中国の内政干渉を和平エンペン政策(と捉え)
あるいは中国の大国主義に反発して、このグループを仮に手をつけて粛清するよう
な事になれば、中国は黙ってないだろうと私は思う。※
※上の文章、分かり難かったので大幅に変更しました
それはですね、かつて79年の2月に、中国は有名な中越戦争、俗に言うベトナム
懲罰戦を開始するわけですね。100万の中国人が一挙に中越国境を下って、南下
してベトナムの領土を占拠するわけです。
そして、徹底してあそこを破壊するわけです。この時の狙いは何か。一ヶ月間で
中国は撤退するんですよ。別にベトナムを占拠したり、政権を妥当するのが目的
じゃないんです。外交的アピールなんですよ。「我々は同胞たる華僑の苦難は座視
(傍観)しない」というアピールなんですよ。
何故か、それは 小平がやろうとしてた、79年2月の中越戦争の3ヶ月前の
78年11月に「十一期三中全会」という有名な文化大革命から経済建設に変わる
大胆な路線転換が行われるんですね。
その3ヵ月後に中国はベトナムに攻め込むわけですよ。どういう事かと言うとですね、
中国の開放政策というのは、先ほど言ったように内部にお金が無いので、外部から
お金と技術を持ってくるしかないんです。中国が頼ろうとしているのは華僑なんで
すよ。
だから華僑の弾圧を中国はしなかったんですよ。自分達の※4つの現代化にとっても
必要だから。そして華僑は、確実に南ベトナムにおける中国の権益を代表する勢力
なんです。さらに言えば、79年にベトナムに進攻した中国は、80年代に香港
返還を控えているわけですね。香港返還は明らかに台湾統一の布石なんですよ。
※4つの現代化:農業、工業、国防、 科学技術の現代化
であるがゆえに、中国は、「華僑は我々大陸(の者)が守るんだ。華僑の・・こそ
我々なんだ」という政治的アピールを台湾向けにも行うわけですね。
そのような3つの要因の中で、中国のベトナム進攻が開始されたのだと考えれば
ですね、北朝鮮は、ここまで(大きく)国内で力を持ってきた中国の影ですね。
これを何らかの力で排除しようとすれば、おそらく中国と非常に大きな対外的な
摩擦を生むであろう事は、まず間違いない。
そういう点でですね、中国と北朝鮮の間に、中国は大きな枠組みの中で東北開発を
行おうとしている。その為に北朝鮮の開放化を中国は必要としている。それを
キム・ジョンイルの先軍政治は許容しようとしない。明らかに中国の路線と北朝鮮の
路線は摩擦を起こしているんですよ。
今の段階では、中国は北に手を突っ込めないんですよ。自分とこがヤバイから、
北京オリンピックもありますしね。
しかし、仮にキム・ジョンイルが亡くなって、北朝鮮の政権に動揺があって、北朝鮮が
何らかの形で中国の影響を排除しようとした時に、おそらく私は、中国は出る可能
性があると思う。
そして、これに対し日本の平和勢力の人は、まさか中国がそんな事するはずが無い
と思うんですけど、中国人っていうのは徹底して本音ですからね。
小平が何を言ったか知っていますか。中越戦争で、西側は一応批判してみたん
ですよ。 小平はせせら笑うんですよ。「アメリカが喜ばないわけは無い。アメ
リカを叩いたベトナムを俺達が叩いてやったんだ」と、こう言うんですよ。
であるとするならばですよ、あのキム・ジョンイル政権を中国が叩いて、反対する
人間がいるんですか。というとこまで中国は読んでいるんです。だからと言って、
国際的に孤立するのは困るから、一ヶ月くらいで多少折(が)つけば直ぐに撤退
しますよ。その程度のオプション(選択権)は既にあるということなんですね。
http://www.youtube.com/watch?v=iAW5qs0HpLc&feature=related