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米中による日本の富収奪計画と大・東アジア再建計画  2/7 青木直人講演会

2009年09月07日 | 米中による日本の富収奪

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では、我々が非常に関心を持ってるキム・ジョンイル政権がどうなるのかという
ことに関して言いますと、私は、中国とキム・ジョンイル政権は極めて危険な
対立点、矛盾点を抱えてきていると思っております。

一般に我々はこう考える、「何故北朝鮮は崩壊しないのか、中国が支援している
からだ」と。なるほど、その通りなんですね。しかし、中国の支援とは何なの
ですか。あれは、善意の人達がボランティアでやってる支援じゃないんですよ。

このあとでも言いますけどね、明らかに2005年以降、今から2年前ですね、
中国の北朝鮮政策は質を変えているんです。どう変えたかというと外交的圧力を
いくらかけてもきかない北朝鮮を、政治と貿易で押さえ込もうというのが中国の
戦略なんです。

今後キム・ジョンイルがですね、死亡、ないしは執務不能という決定的な時期に
なったら(どうなるか)

北朝鮮の中にいる中国派のグループ、彼等こそが新興階層グループなんですよ。
今、北朝鮮の中で豊かになっているという連中はですね、中国との貿易関係に
依存して豊かになった連中なんですよ。彼等は言うならば、北京が送り込んだ
※トロイの木馬なんですよ。 ※トロイの木馬:北朝鮮を陥落させるために送り
込まれた部隊(人々)

これに危機感を持った朝鮮労働党キム・ジョンイル政権が、今北朝鮮経済を事実上
牛耳ってる革新階層グループの中国派グループ、及び北朝鮮の中に5万人いると
言われてる華僑の弾圧を始めた場合、私は、中国は鴨緑江(おうりょっこう)を
越えて北朝鮮に進軍するのではないかとすら感じております。

何故そう感じるか、それは79年の2月に何があったかを皆さんは記憶して欲しい。
あの時、中国は明らかにベトナムに攻め込んだじゃないですか。攻め込んだ理由は
何であったか。(ベトナムによる)華僑弾圧ですよ。じゃあ、何故中国にとって
華僑がそれだけ大事なのか。それは華僑の資本、及び台湾との統一戦線における
華僑の位置づけ。

さらに華僑によって代表される、北朝鮮における中国の権益。その、北朝鮮で築い
てる中国の権益こそが、中国が今大々的に、日本及び欧米の資本家を呼んでやろう
としている大東北アジア再建計画、これと確実にリンケージ(連鎖)するわけですね。

今、実は日本の財界の方が中国、北京に行っておられます。日中経済協会という、
トヨタの会長をやってる張さんがこれの会長をやっておられます。このメンバーが
今、財界人150人です。日中経済協会が出来たのが1972年の国交正常化の
時なんですけれども、それ以来35年ですか、これだけの数というのは初めてなん
ですよ。

いかに日本の財界と中国が組んでるか、これも「中国の黒い罠」という本にも
書いたんですけど、中国に対するODAですね、来年(2008年)廃止されてる
ODAが確実に復活します。このODAに対する支援、さらに北朝鮮との正常化に
よる支援、これから日本の富の収奪が、我々の全く知らないとこで、歓迎しない
とこで、周辺大国によって強制されるであろうと(思われます)

その政策を忠実に代表するのが福田政権なんです。ですから、そういう大きな
文脈の中で拉致問題を考えるべきであろうというふうに私は感じております。
このあと、ちょっと細かい説明をさせていただきます。

中央公論に発表されました「拉致敗戦」という論文を、中には読まれた方がいらっ
しゃると思います。あの中で衝撃的なのはですね、昨年(2006年)の10月9日に
北朝鮮が核実験の発表した(その)翌日に、キッシンジャーがブッシュの親書
持って、胡 錦濤と会ってたと(いうことです)

で、調べたんですよ。キッシンジャー行ってるんですよ、確かに、10月10日に。
つまり核実験の翌日ですね。ところが、胡 錦濤とキッシンジャーが会ったという
報道が無いんですよね。私、新華社も全部調べました。要人の会見というのは、
翌日「人民日報」の1面の右肩にだいたい写真入りで出るんです。あそこが指定席
なんですけども無いんですよね。隠しているんですよ。
(4分24秒)
何で隠したんですかね。私ね、日本に知られたくなかったんだと思う。ところが
ですね、キッシンジャーがその日に北京に行った報道はあるんですよ。つまりどう
いう事かというと、10月10日のお昼に、キッシンジャーは北京大学で名誉博士号
みたいなものを授与されて、その・・記念式典には参加してるんですね、10日のお昼。
ところが夜の報道がないんですよ。おそらく、この時に会ったのではないかと。

実は何故これが決定的に大事かと言いますとね、その時、国連では安部さんと麻生
外相が、アメリカのボルトン国連大使と、制裁決議やってたんですよ。その時に
米中の裏コネクションがこういう形で動くんですよ。キッシンジャーがちゃんと
行って胡 錦濤と会っているんですよ。

それはどういう内容であったかと(いうと)北朝鮮の核をこれ以上拡大しないと、
北の核を封じ込めるんだと。しかしながら、持って行ったものは、「今の段階で
これ以上抑えてもしょうがないから、核の拡散に今後は米中で政策を調整していこう」
という(親書で、それに基づいた)話し合いが行われたのではないかというふうに
私は見ております。なぜかと言いますと、ボルトン国連大使は、北朝鮮に対する
海上封鎖まで提議するんですけれど、実はライス国務長官は海上封鎖に徹底して
反対するんですよね。

海上封鎖反対というのは、中国が一貫して言っている事で、中国の認識では、海上
封鎖までやると北の体制は崩壊する。アメリカの国務省ラインもこれに賛成しない
わけですよ。

そういう形で、アメリカのネオコングループと日本の安倍・麻生外交が国連で北
朝鮮の制裁決議をやってる時に、アメリカと中国の裏チャンネルがこういう形で
動く。キッシンジャーが胡 錦濤と会って、その報道は一切外部に出てこない。

そして、一旦始まった北朝鮮の核実験と制裁のエスカレート、これを米中は抑え
込もうというふうに動き始めるわけです。そういう中で、中川(昭一)政調会長が
「核論議を日本はすべきだ」と発言すると、ライスさんがすぐ来て、これを牽制
するという事ですね。
(6分55秒)
そしてその後、ブッシュ政権は中間選挙で敗北します。最終的におそらくここで
ネオコン勢力が排除されていく。そしてアメリカはアジアに対して戦略的な利益を
持っていないので、中東におけるイラン・イラクを中心とした※核のドミノと、
アメリカにおける決定的な同盟国であるイスラエル防衛、こちらの方にブッシュ
政権は政策のシフトを始めたと。

※核のドミノ:ある国が核兵器を保有することにより、軍事バランス維持の
ために近隣国が対抗上ドミノ現象的に核武装すること。

じゃあ、北朝鮮の核はどうするかと言うとですね、核を廃絶させると言っても現実
には手段が無いんで、核の拡散を封じ込める。そして同時にこれ以上制裁をエス
カレートさせない為に、第2回目の核実験を抑え込むという大まかな合意が行われ
たのではないかと私は感じております。

その代償は何かと(いうと)日本の核武装化に徹底して米中両国が反対する。
このような小さな動きは事前に、芽の段階でも潰していくと(いうこと)さらに
来年3月に行われる台湾の独立を賭けた運動(総統選挙)を潰していく。台湾
独立の動きはアメリカも中国も決して協和しないでしょう。

それは何故かと言うとですね、米中が対立しなければならなくなるんですよ、
台湾でこういう事が起こると。これは徹底して大国のエゴイズム外交が行われて
いるわけですよ。アメリカも中国も今さら対立なんかしたくないですよ。こんな
美味しいビジネスチャンスが中国市場に(あるのに)

中国も大歓迎じゃないですか。だって中国の成長って言うのは外資依存ですからね。
自己資本なんて無いんだから。全部、外国の資本に来て下さい、投資して下さい、
お金も出して下さいと(依存している)日本の20分の1で働く労働者はこちらで
提供しますと。ある意味では中世の奴隷制にも匹敵するような経済行動、それを
共産党官僚が上から牛耳る事によって中国はここまで成長してきたわけです。

ですから、かつて毛沢東は中国革命の初期の段階で、国民党や正規の・・政権と
いうふうに批判したんですけど、今の共産党の指導部は本質的に・・勢力なんです
国際資本の。それがイデオロギー的にいいとか悪いとか言ってるんじゃないんです。
客観的に見ればそうなんですよ。

 小平が80年代に出した先富論というのがありますね。豊かなところ豊かな人
から先にどんどん豊かになって(いく)これは市場経済化路線(?)そのものじゃ
ないですか。そういう形の成長なんですよ。

だとするならば、中国がアメリカと徹底的に対立するシナリオなんてありえない
ですよ。さらに朝鮮半島に関して言うと、中国の人民解放軍とアメリカの軍部が
交流してる。その中で、ただの1度も、ただの1度もですよ、アメリカを批判した
発言が出てこないんです、中国の軍部から。

http://www.youtube.com/watch?v=TrU_Ms05d8Y

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