今回は、普段馴染みが薄いキャンピングカーの走行充電リレーの故障について。
旅の途中で故障するとサブバッテリーが走行充電できなくなって、かなりやばい状況になる。
先日、キャン友さんが走行充電リレーが故障してウィンカーも点かなくなった。
その事例をブログで紹介したら、同じ故障を経験した方から情報提供。
バンテック車は走行充電リレー電源をウインカーのラインから引いているらしい。
情報をもらった方はちょうど九州の旅の途中で、他のトラブルでうちにお立ち寄り。
同じように故障したリレーをもらったので、さっそく分解してここにご紹介。
このリレーはとても大きくて片手で握って余るくらいの大きさでコイルは12Vで接点容量は200A。
床下のプラボックスの中にあるので見た事がない人もいるかも。
メインバッテリーから22SQでこのリレーを経由してサブバッテリーにつながっている。
以前はそれほどトラブルも少なかったが、最近はサブバッテリーの充電量を出来るだけ大きく取るようになって、このリレートラブルが増えてきた。
さあ、故障したリレーを分解してみよう。
まずフタを取ると上部がサビが生じている。
ホルマル線のベーパーによるものかも。
円盤状のものが接点容量を稼ぐためのリレー接点。
下側にコイルがあるがかなり焼けたような状態。
リレー接点の接触抵抗は測ってないが、動作に問題は無さそう。
ここがこのリレーの心臓部
円盤上の接点がマグネットで下に吸着されると左右の接点がつながる。
流れる電流が少ないと接触抵抗による発熱もそれほどでもないが、60Aの走行充電器であれば昇圧前なので70A程度の電流が流れる。
実際に60~70A流れている状態でリレー本体を触ったことがあるが、熱くて触れない状態になる。
コイルをほどいていくとホルマル線が変色して焼けて絶縁破壊して銅線がショートした状態。
銅線どうしがショートすると過大電流が流れてヒューズが飛ぶ。
これが俗にいうレアショートという現象でトランスなどではおなじみのトラブル。
ピンボケしているが銅線のホルマル被覆が熱で変化して取れている。
下層は巻き線は細いがレアショートも見られない。
上記とは別の正常なリレーを使ってコイルの発熱状態をチェックする。
リレーのコイルに正規のDC12.0Vを印可してリレーコイルがどの程度発熱するか温度測定。
温度計のセンサーをリレーの胴体のコイルがあるところと、電極右側に設置。
スタート コイル側 23.9℃ 電極 24.0℃ 気温 24℃
2時間後 コイル側 38.0℃ 電極 38.6℃ と40℃近いが問題なし。
次にコイルに14.2Vを印可すると2時間後に
温度計の表示は コイル側 43.3℃ 電極 43.8℃ となっているが、実際に触ってみるともう数度高い感じがする。
かなり熱いがレアショートを引き起こす温度ではない。
コイルの印可電圧が高くなるとコイルからの発熱も増える。
おまけに通す電流が増えると接点からの発熱もかなりのものになるので、リレーコイルのレアショートを考えていた方がいい。
特に夏場は気温が高くてエアコンによる電力消費も増える。
サブバッテリーの容量を大きくしたら走行充電量を増やしたい気持ちも分かるが、こんなところにも落とし穴がある。
キャン友が使わなくなったとの事で置いて行ったもの。
こんなに発熱するのであればチョット気になりますね。
>このリレー、我が家にもあります。... への返信
このリレーは大型でいかにも信頼性がありそうな風貌ですね。
国内の多くのキャンカーに採用されています。
走行充電器の大きいものは何らかの対策を取った方が良さそうですね。
うちのキャンカーの走行充電器はこのリレーをパスしています。
おはようございます。
関西も梅雨入りとなりました。
記事の内容・・興味深く見ました。
YouTubeなどで、欲望の果てに物置ハウスにオフグリッドの蓄電システムをしっかりと観察です。
コイルのほどき / 変色・なるほどね・自由電子の拡散でしょうか ? 通電を理論的に見ています。
各種のリレー・スィッチ・ヒューズが実例で組立てあり、インバーター制御に絡む内容は「全体の容量」によりあちこちで不具合となっていますね・まさに欲望の果て・そのものが現れたYouTubeでした。
見ていたのは、電気工事士(第二種)の資格の要らない30A以下の自家発電の太陽光発電システムですが、何故「ヨドコウ物置」が出てくるかも理解。
分野は違うけど・・なるほどね・・です。
北の大地の大学からお誘いが来ました / JRの払い下げスチールコンテナハウスに格納する水素エネルギープラントに関するプロジェクトも進みます。
暫く、新千歳空港国内線で隠密の往来かな ?
コメントに追加です。
当面は無理をしません。
大型ポタ電の複数台の併用での使用と太陽光パネルの屋根上搭載です・走行充電機は「ポタ電用」は購入しません。移動先での行動スタイルに様子見です
ポタ電用は、大容量リン酸鉄BTを組む予定なのに二度手間になる。ブルーティやエコフローに560Wや500W・800Wタイプがあるが「必要な電力確保量」を確定した上でサブバッテリーシステムの構築としたいです。。。それが理想スタイル。と勝手に判断。
おはようございます。
永久なんて言葉は信じませんが出来れば長旅中は壊れないで欲しいものです。
今回は九州の避難場所があって良かったですね。(不謹慎)
最近よくYouTubeで走行充電を見ますが
狭いバッテリー庫内で熱暴走で止まる
対策としてはブロアファンを使用していますが
PCファンと比べてかなり風量があるものですが?
200AのRyの接点ですか、凄い200Aって言うと
エンジンをかけるときのセルモータの電流じゃあ
なかったかなってうろ覚えですけども・・・
この辺りまで来ると、FETを使うより安上がり
かつ丈夫なんでしょうかね
FETは物理的に接点がないから、そこは大丈夫ですけども電流がね、凄いですね
>欲望の果て... への返信
梅雨に入ってこれからしばらくは鬱陶しい日が続きますね。
梅雨が明けると灼熱地獄ですが、これもまた辛い。
先週は実家に行って畑の草取りを済ませてきました。
今週は梅雨らしくずっと雨模様です。
次車のハイエースはまだ納車が決まりませんか?
ポタ電用の走行充電器もメインバッサテリーからの電源取り出しが面倒です。
>機械の寿命... への返信
走行充電リレーが壊れても充電できるように、リレーの入力と出力をショートさせるショートバーをアルミ板で作りました。
バッテリー庫内は発熱機器が色々あるので常時換気できる方がいいです。
PCファンは静音で能力が低いものが多いです。
換気用なら静かさよりも換気能力で選択ですね。
サーマルリレーを付けて設定温度以上になったら働くのがいいかも。
>すごいですね... への返信
セルモーターはかなり大電流が流れますね。
200~300Aはざらですよ。
最近はFETを使ったアイソレーターと称するものがありますが能力の程は分かりません。
電流容量が取れなければパラで使う方法もありますね。