今日のブログのタイトルをもう少し詳しく書くと、
「素性の分からないケーブルは電源回りでは使ってはいけない !! 」
ブロ友さんがキャンピングカーのサブバッテリーで使用している接続ケーブル。
写真では分かりにくいが、約60SQの太い電源ケーブルで圧着端子の首の部分から折れたというもの。
原因が分かれば教えてほしいと送られて来た。
最初に話を聞いた時にはそんなバカなと思った。
この写真の物が送られて来た60SQのケーブルと圧着端子。
注 電線の太さは、日本では「SQ」と表記され、芯線の断面積であるスクエア―ミリメートルを略して「スケア」と呼んでいる。
うーむ、確かに太い。
しかし、60SQの割には軟らかくて軽いぞ。
圧着端子の首の部分から折れたケーブル側の端部。
白ッぽくボロボロの状態。
こちらは圧着端子側。
こちらも同じようにボロボロになって圧密したような感じ。
ケーブルには Install Gear 1/0 GAUGE POWER OR GROUND WIREと記されている。
AWG表記になっているので、AWG 1/0は正確に言うと53.49SQ になる。
ちなみにこのケーブルとKIVの22SQを並べて見た。
KIVの22SQというのは、おそらくキャンカーのサブバッテリー回りで一番多用されているケーブル。
このケーブルの外径は15mmで、22SQのケーブルの外径は10mmである。
ケーブル調べるために少し切断してみた。
それにしても切断部がぺったんこで、ワイヤーカッターで切断した端部が白いぞ???
切断した部分をバラしてみたら、線がかなり細いぞ。
端部をライターで炙ったら白くなった。
うーむ、これは銅線じゃなさそう。
マイクロメーターで線径を測ると0.15mmとかなり細い。
髪の毛よりもちょっとだけ太いくらい。
ちょうど10cmに切ったケーブルから、内部の線だけを取出した重量は17gでかなり軽い。
ちなみにKIV 22SQの銅線は10cmあたり20gだった。
圧着端子部分の表裏の画像
このケーブルに取付けられた片方だけがボロボロになって取れた。
圧着端子の刻印は左側はUL規格の1/0で右側がJIS規格の60SQ。
このことから推測されるのは、AWG規格の電線をJIS規格の圧着端子を使用したので、圧着端子に比べて電線が細いための圧着不足と度重なる発熱による線材の劣化と考えられる。
しかし、一般的な銅線では粉上になるのは見たことがない。
それにしても見てくれの割にかなり軽いので簡単に比重を測ってみた。
昔、学校で習ったアルキメデスの原理である。
水を満たした容器の中に銅線を沈めてハカリをゼロにする。
銅線につけた糸を引っ張って水中から浮かせて減った重量は7gなのでこの銅線の体積は7立方センチメートル
この線の重量は17gなので 17 / 7 = 2.4 g / 立法センチメートル
この金属の比重は2.4なので銅線ではなく、おそらくアルミ線にハンダ付けできるように銅メッキを施したものと思われる。
このケーブルには電源用の表記があるが、使用に当たっては規格を確認することと、それに応じた材料を使うことが重要だと思う。
しかし、アルミニウムは銅より電気抵抗が1.6倍程度高いのでこの60SQのケーブルは太さの割には通せる電気容量はKIVの22SQと大して変わらないと推測される。
通せる電流容量も分からないケーブルはサブバッテリーの電源回りに使ってはいけない
日本国内であればJIS規格の一般的なケーブルと圧着端子を使えば問題はない。
キャンピングカーの電源回りの配線はKIVケーブルを使用するのが加工しやすくて良い。