カフェロゴ Café de Logos

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中村晋『むずかしい平凡』を読む会

2020-01-22 | 文学系
          
【テーマ】中村晋『むずかしい平凡』を読む会
【ゲスト】中村晋さん
【日 時】2020年2月1日(土)17:00~19:00    
【会 場】Book&cafeコトウ(福島市宮下町18-30)
【定員・申込】 定員10名・要申込(参加希望者はメッセージをください)満員御礼につき募集を締め切らせていただきます。
【参加費】700円(ドリンク代込)
【書籍販売】1,400円(Book&cafeコトウ、西沢書店うさぎ屋にて販売しています。各自ご購入の上でご参加ください)
【共催】Book&cafeコトウ
【開催趣旨】

 中村晋さんは高校教師をされながら1995年より俳句を作り始め、2005年福島県文学賞俳句部門正賞受賞後、俳誌『海程』(金子兜太主宰)に入会、2009年海程新人賞、2013年海程会賞、2017年海程賞を受賞された俳人です。
 『むずかしい平凡』は中村さんの第一句集であり 、身のまわりの日常を詠んだ句を中心に、教え子たちを詠んだ句や3.11に翻弄された日々を詠んだ句などが詠まれています。
 今回、カフェロゴはBook&cafeコトウさんとの共催により、中村さんをゲストにお招きして、現代俳句の読み方をお話いただきながら、参加者の皆さんと『むずかしい平凡』について読み、語り合いたいと思います。
 募集定員がわずかですので、参加申し込みはお早めにお願いします。

なお、以下は中村さんを紹介した河北新報の記事です。ご参照ください。

「原発事故で翻弄された日常表現 保原高の教員中村さんが句集出版」(河北新報2019年12月15日)
 福島市在住の俳人中村晋さん(52)が、初めての句集「むずかしい平凡」を自費出版した。東京電力福島第1原発事故で翻弄(ほんろう)され続ける福島の日常を、生活者の視点に立って17文字で表現した。「原発事故とは何だったのかを振り返るきっかけにしたい」と話す。

 中村さんは保原高(伊達市)定時制課程の教員。俳句を始めた1995年ごろは自分の身の回りを詠んだ句が多かったが、福島市内の高校の定時制教員になった2004年ごろから作風が変化。さまざまな事情を抱える夜学生の境遇といった社会に目を向けた作品が増えた。
 東日本大震災後は、原発事故によって甚大な被害を受けた福島県の被災状況を詠んでいる。「むずかしい平凡」に収めた259句の中には、原発事故後の思いをつづった58句が含まれる。

 春の牛空気を食べて被曝(ひばく)した

 福島第1原発20キロ圏内で飼われていた家畜の牛は圏外へ運び出されずに被ばくし、多くが餓死したか殺処分された。中村さんは「残された牛の切なさ、酪農家のやるせなさをストレートに表現した」と言う。
 作った11年5月は事故後の混乱で創作意欲を失っていた。ある朝、目が覚めて思いついたという句は、師匠の金子兜太(とうた)の作品<猪(しし)がきて空気を食べる春の峠>がモチーフになった。「この句がポンと浮かんで、これからも俳句ができると思った」

 蟻(あり)光るよ被曝の土を埋めし土も

 除染土を埋めた自宅の敷地で、アリが動いているのを見て詠んだ。中村さんの句には「蟻」「蠅(はえ)」といった小さな生き物が多く登場する。「多くの命が失われた震災を経て小さな命を慈しむ思いが強くなった。原発事故に翻弄される人間がハエのような小さな存在に思えるようにもなった」と語る。
 句集のタイトル「むずかしい平凡」は、震災で当たり前の暮らしを続けることがいかに難しいかを実感して付けた。同時に感じるのは、行政による復興が効率優先で進められているのではないかという疑問。経済的な豊かさを最優先に復興を加速させた戦後日本の復興とも重なるという。
 中村さんは「戦後の日本は復興を進めるあまり人間性が置き去りになった」と強調。「句集を通して一度立ち止まり、本当の震災復興とは何かを問い直してほしい」と話す。
 四六判161ページ、1540円。出版元は「BONEKO BOOKS」。連絡先はメールでbonekobooks@gmail.com




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