日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

サンゴ礁生態系保全行動計画フォローアップワークショップ(その1)

2018-02-03 17:15:05 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
〇下地宮古市長
琉大に入学。山里先生がバリバリの先生として入ってきた。生態学が脚光を浴びるようになった時代。サンゴそのもの、生態系としてのサンゴ礁を学んだ。土屋先生も同門でお会いできて嬉しい。
このように宮古島でWSを開催していただけて有り難い。エコアイランド宣言。その6つの一つが「美しいサンゴ礁を守ろう」。どうやったら守れるか、漁業者、ダイビング事業者、行政で話し合いながら進めている。
観光客が急激に増えている。100万人を越えた。3年で120-150万人と予測。環境をどう保全するかが課題。島の人が心豊かに暮らせることが第一。次に来訪者が満足すること。日夜考えている。
急激に観光客が増える中、島の陸・海の生態系を守ることが喫緊の課題。
サンゴ礁保全について提言いただけると有り難い。

〇議長挨拶 土屋先生
 サンゴ礁保全行動計画2期目。3つの重点項目(陸域に由来する赤土等の土砂及び栄養塩等への対策の推進、サンゴ礁生態系における持続可能なツーリズムの推進、地域の暮らしとサンゴ礁生態系のつながりの構築)を設定した。毎年各地を訪れてレビューしている。今年は宮古島。

(1)沖縄県各地からの報告
①-1 環境省 那覇自然環境事務所 東岡所長
石西礁湖の危機。2016年度以降の白化の状況。石西礁湖自然再生協議会の取り組み紹介。環境省の活動(モニタリング、サンゴ移植、オニヒトデ駆除、普及啓発)。これまで10年間の取り組み成果をレビュー中。1983年以降のサンゴが占める割合は衰退と回復の連続であり、「より影響を受けにくい健全な状態を保つ」「より速やかに回復しやすい状況にする」ことが必要。1970年代の八重山のサンゴ礁の復活を目指す。
慶良間所得国立公園の取り組み。ビジターセンターとて「さんごゆんたく館」が3月5日に阿嘉島にオープンする。

①-2 沖縄県 自然保護課 「サンゴ礁保全再生地域モデル事業の概要」
課題①コスト高、②サンゴ白化、③地域でのサンゴ礁保全体制の構築。モデル地区は恩納村(先進的地域)、久米島(新規地域)。
①低コスト種苗生産・植え付け方法の調査研究。
②サンゴ種苗等の白化対策の調査研究。
 白化が起こりにくい環境を把握、白化に強いサンゴの遺伝学的分析、遮光、植え付け効果の確認。
③植え付けサンゴの生態系への影響評価、幼生加入への効果など検証、植え付けサンゴの地域経済への効果研修

①-3 宮古島市 梶原係長
市としてはサンゴ礁保全の対応部局が無い。そのため、体系的な取り組みは行っていない。これまでの取り組みについて紹介する。
オニヒトデ大発生の対策。元々はサメ対策の協議会。その中に分科会を作ってもらった。2006年に「美ら海推進協議会」を設立。ダイバーから500円取っている。そこでもオニヒトデのモニタリング・駆除を実施。地下水の窒素汚染がオニヒトが増えるきっかけになっている。
八重干瀬での観光上陸対応。ルール化や仮設桟橋設置したが、フェリー設置の影響は回避できず。2014年に大橋設置でフェリーが無くなり事業としては終了。八重干瀬が2016年に国指定名勝及び天然記念物になったことから、接岸禁止になった。
観光利用対応。ダイビング事業者と漁業者のトラブル。2004-2006年海面利用協議会で建設的議論。2006年から美ら海連絡協議会で管理。
サンゴ礁地図(沖縄県自然保護課) 2011年。県内全域
モニタリングサイト1000 14箇所。経年変化は十分把握できている。
課題:他地域と共通だが赤土流出の影響は大きくない。行政の課題はサンゴ礁保全を扱う部局が無い。関連部局で役割分担しながら進めているが、総括部署が無いのでステークホルダーへの働きかけが弱い。その結果、行政の取り組みがサンゴ礁に負荷を与えた事例もある。

Q(木村):2016年の白化でひどい被害を受けた。GBRは、政府主体で議論し、現場の保全が役に立たない規模の白化。現地の負荷削減に加えて、気候変動対策に大きく舵を切った。日本ではどうか?
A(土屋):環境省としても大きな取り組みをしないといけないということで、4月に対策会議を行った。その中で気候変動対策も明確に打ち出した。内容を全ての発表者に論文化していただき、日本サンゴ礁学会紙に発表した。
A(奥田):指摘は非常に重要なポイント。問題点と優先順位について議論した。その中で温暖化対策・陸域対策もハイライトされている。効果的技術の検証も含まれる。具体的にどうすすめるかは、総合的に考えて行かなければいけないと考えている。個別の取り組みは進んでいる。国際サンゴ礁年の取り組みの中で温暖化対策の普及啓発は進めている。総合的な計画はまだ検討中。FUの中でもH30に検討していく。
A(土屋):IYORキックオフシンポジウムでそのような話をした。後ほど共有される。


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