写真歳時記≪まさとしの一日一首≫――写真と短歌で綴るコラボ作品

きょうも生きた、泳いだ、自転車漕いだ。
その一日を、フォト短歌に仕立てる。
写真歳時記≪まさとしの一日一首≫。

仏サンマロから巡礼に来たおじさんのリュック

2015-09-04 06:47:27 | 日記
帆立貝に仏語の文字を書きつらね ブルタニュ州旗しっかり付けて
(in Leon, Spain)                  まさとし

ここは”フランス人の道”にある北スペインの都会レオン:
大聖堂の前のベンチに、巡礼の小太りのおじさんが腰かけていた。

話しかけると、「ブルターニュのサンマロから来た」と答えた。
サンマロはフランス北西部にあるブルターニュ州の港町で、
あのモンサン・ミシェル(聖ミカエル山)のすぐ西に位置している。

今年5月に、Mont-Saint-Michel 郊外で大きな帆立貝を壁に打ち
付けた巡礼宿をみつけ、そのあと Saint-Malo にも立ち寄った。
その城壁で、イギリス国旗のパンツを穿いた少女に出会ったっけ。

――このおじさん、あの Saint-Malo から、やって来たんだ。
なんだか、昔なじみに出会ったような気分になれた。

「おじさんのリュック、素敵だから撮らせて」と言うと、
「じゃあ、この杖も入れて」と、握り部分に船長らしき
貌の彫りの入った杖を貸してくれた。

「あ、この杖、ステッキだね」(このジョーク、通じたかな?)

撮り終わると、白と黒の横じまのブルターニュ州旗を広げて
みせてくれた。
このおじさん、フランス国旗よりも”わが街”のブルターニュ
州旗の方を愛しているんだ。
ブルターニュの歴史をひもとくと、その愛郷心にも納得がいく。