ミラノはミラノ

ミラノ在住のおねえさん(うそ)おっさんの気まぐれ場当たり日記

イタリアン(料理の)バイブルはこれです。

2013-09-15 00:01:52 | 日記

イタリアは、南北に長く、北と南ではかなり気候が違いますから、食べるものや調理方法も大きく異なります。
またイタリアは長い年月この狭い国土でいくつかの国が対立してきた歴史的経緯がありますので、独自に発達したレシピが数多くあります。
日本でも北海道と沖縄では気候も人々の気質も大きく異なりますが、現在では日々食べているものは、郷土料理は別として、さほど違いはないように思います。
もちろん塩分濃度や味付けは異なるとは思いますが、サバの味噌煮とか唐揚げやカレーライスなんてものは、どちらの地方でもよく食卓に出されることでしょう。

この辺がイタリアと日本の食習慣が最も異なる部分で、日本人は戦後いろいろな洋食を取り入れ、今日は中華、明日は日本食、明後日はイタリアンのようにバラエティ豊かな食生活の工夫が多くあります。
一方イタリアでは、食に対しては全く保守的で、北の雪の降る町では、体を温めるために工夫された調理法で、少量でもカロリーが高めの料理を食べることが多く、南の地方の料理が食卓に並ぶ機会はあまりありません。
もちろん、カレーライスなんて一生のうちに一度も食べずに生涯を終える人も少なくありません。

今ですらこのような状況ですから、約130年前にほぼ全イタリアを網羅する料理本があったなんて、ちょっと想像しにくいのですが、実はこれがありまして、今日では、プロの料理人からもイタリアンのバイブルと呼ばれることもあります。
その本とは、La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene (料理の科学と美食の芸術)

 

1881年にPellegrino Artusi(ペッレグリーノ・アルトゥージ)が自ら前イタリアを旅して各地で味わった料理を、プロの料理人数名に再度調査をさせ、出版したものです。
各国語に翻訳され、世界各地で見ることができますが、恐らく日本語訳はないと思います。
網羅される料理の数は、800品ほどで、前菜からデザート、飲み物まで多岐にわたります。
正式名称が長いので、今では単にARTUSIと呼ばれることが多いです。

ブログちょっと長くなっちゃいますが・・・もう少しだけ(笑)

ウリちゃんの料理の先生は、まあ有名なシェフで、基本的にはお優しいのですが、こと料理になると妥協がありません。
今では、もう言われなくなりましたが、習い始めの頃に質問をすると、「ウリちゃん!Artusiをちゃんと読んでから質問してね!」って・・・

まあ、そんなこともあって一通りは目を通していますが、今でもちょっと躓きかけると、この本にお世話になります。

(こんな感じで、ちょっとした挿絵があるくらいで、料理の写真は全く掲載されていません)

イタリア料理に興味があるとか、プロの料理人を目指す方には、是非読んで欲しい本です。
原書は、もちろんイタリア語で書かれていますが、独学でイタリア語を半年も勉強すれば読めます。
英語版とフランス語版もありますから、お得意の言語のものを読んでもよろしいでしょうが、翻訳にニュアンスがやや違うところもあるので、頑張ってイタリア語版でお読みになることをお勧めします。

 

 

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