『環境問題』を考える より一部転載します。日本のマスコミは報道しないので、全文を読まれることをお勧めいたします。図やグラフがあるので非常に分かり易いです。
参院選で民主党の福山哲郎氏が当選してしまいましたが、今頃言い訳を考えているのでしょうか?あの性格だから、「それでもIPCCは間違っていない」と言い張るのでしょう。どこかで聞いたような言葉・・・そう明日香か今日香か昨日香か知りませんが、IPCCのデータ捏造が発覚した後でも、同じことを言ってましたねw
気候変動に関する国際会議=ICCC
今年の5月、シカゴで『第4回気候変動に関する国際会議(ICCC)』が開かれました[1]。国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)と名前こそ似ていますが、ICCCは人為的CO2温暖化説に否定的な研究者(懐疑派)が中心となっている国際会議で、アルファベット一文字違いながら中身は随分と異なります。
ICCCは700名を超える出席者で盛況だったようですが、日本のメディアは取り上げないでしょうから、気候変動の原因と温暖化詐欺のトピックに焦点を絞って紹介します。ICCCの講演はオンラインで録画を見ることができますし[2]、論文として発表されている物も多く、一般向けに分かり易く解説したBlog も幾つかあるようです(ほとんどが英語ですが)。
まず最初に現在の地球の気候変動の状況を確認しておきますと、地球の平均気温は'98年を
境に寒冷化傾向を示していることが複数の観測で報告されています(Fig.1)。今年に入ってからはエルニーニョ(南方振動)の影響で気温が上がっているものの一時的な現象であり、今月はエルニーニョが収まる兆しも出ていますし、今後も寒冷化が続く可能性が高いと言われています。
Climategate事件[3]で炎上したイーストアングリア大学・気象ユニット(CRU)のPhil Jones所長自身が、「過去15年間で有意な地球温暖化は起きていない」と認めていますが[4]、21世紀に入って地球が温暖化していないことは CO2温暖化説を支持する研究者(脅威派)に大きな衝撃を与えており、この事実だけでCO2温暖化説は揺らいでしまいます。
脅威派の大御所たちですら、「大気中の水蒸気濃度の減少がCO2による温暖化を相殺している[5]」となんとも苦しい言い訳を始めたり、「ガンガンCO2を排出しているはずなのに、CO2濃度はあまり上がっていない[6]」と、大気中CO2濃度が気候変動の結果であって原因でないこと[7]を暗に認めるような論文も出てきました。
それはともかく国際会議に話を戻すと、ICCCでは現在の寒冷化がいつまで続くか解明するこ
とが重要なテーマの一つとなっており、ウェスタンワシントン大学のDon J. Easterbrook教授は、地球では過去500年に亘って25~30年で温暖化と寒冷化が繰り返されてきたことを説明し、地球の気候変動は“Pacific Decadal Oscillation(PDO)”で説明できるのではないかと発表しました。
PDOは“太平洋十年規模振動”と訳されますが、約20年周期で起こる太平洋各地の海面水温や気圧の変動で、そのメカニズムはあまりよく分かっていません。Easterbrook教授によると、地球の温暖化・寒冷化の時期とPDO指数を調べるとFig.2のように大変良く一致しており、PDOが'99年に低温モードに入ったことから20~30年は寒冷化が続くのではないかとのこと。
海洋の熱容量は大気の1,000倍ですから、太平洋の海面水温の低下(上昇)が地球全体の平均気温を下げる(上げる)という説明は自然だと思います。Easterbrook教授はPDO と太陽活動との間に強い相関があることを指摘した上で、「太陽活動、PDO、地球の温暖化・寒冷化にはそれぞれ相関がある」と結論付けていました。
それに対してメキシコ国立大学のVictor Manuel Velasco Herrera博士は、現在、太陽活動は著しく低下しており、2030~40年頃に太陽活動は最小になるとの予測に基づき、現在の寒冷化が今後60~80年続くと主張、21世紀が小氷期となる可能性について言及しました。
ロシアの プルコヴォ天文台のHabibullo Abdussamatov所長も、過去7,500年の間に起きた18
回の小氷期は日射強度の低下とそのフィードバック(氷面積の増加による反射能の増加、水蒸気濃度の低下による寒冷化)でほぼ説明できると提唱し、現在のサイクルから計算すると地球は2014年頃に小氷期入りするのではないかとの見解。
また、ハリケーンが専門のWilliam M. Gray教授(コロラド州立大学)は、過去140年の温暖期が熱塩循環(深層の海洋循環)の変化と一致していることに注目し、地球の気候変動の主因は熱塩循環であるとの説。海洋が気候変動の主因と考えるのはEasterbrook教授と似ていますが、Gray教授も現在の寒冷化は数十年続くと見ているようでした。
私見ですが、太陽活動が地球の気候変動に一番影響していることは、地球温暖化と時期を同
じくして火星など他の惑星も温暖化していたことから疑いないと思います[8]。
ただそのメカニズムについては様々な議論があり、例えばPDO、熱塩循環、フィードバックの他にもスベンマルク効果(太陽活動低下による宇宙線量の増大、そして宇宙線による雲生成の増加)なども提案されており、仮にEasterbrook教授が主張するようにPDO と地球の気候サイクルとの間に強い相関があったとしても、必ずしもPDO と気候変動との間の因果関係を意味するわけではないことに留意する必要があります。
初めから他の可能性を排除してしまっては、CO2温暖化説と同じ間違いを犯してしまいますから。
現在の地球が温暖化していないことには多くの科学者が同意していますが、今後、どうなるかについては意見が分かれています。温暖化より寒冷化の方が人類に与える被害は甚大なので重要な問題ですが、1998年のエルニーニョによる一時的な気温上昇を除くとここ数年の寒冷化は0.4℃/100年と緩やかなものであり、個人的には小氷期を心配する程でもないと考えています。ただ、現在の太陽活動は11年周期のリズムが崩れており、太陽黒点数も著しく減少するなど、マウンダー極小期(1645~1715年の小氷期)との類似性も指摘されています[9]。
さて温暖化詐欺に話を移すと、アメリカの気象予報士で有名なブロガーAnthony Watts氏は、彼が突き止めた温暖化詐欺の手法を報告。以前の私の日記でも紹介しましたが、市民が協力して調査を行ったところ、アメリカの気温観測ステーションの90%がいつの間にかアスファルトの駐車場やエアコンの排熱口の近くなど暑い場所に置かれており、通常より1~5℃も高めの気温を叩き出していました。
加えてアメリカ海洋大気圏局(NOAA)はデータ均質化やスムージングなどの“補正”を行い、ヒートアイランド現象を誇張することで地球温暖化を演出しているとWatts氏は発表。
続いてアメリカ大気河川改善研究所のCraig Loehle博士は、NOAAの気温データからヒートア
イランドの効果を取り除くと『59年周期の温暖化・寒冷化変動』が現れ、Easterbrook教授の指摘したPDOで地球の気候変動を説明できると発表。CO2温暖化説に拘らなければ、地球の気候変動を単純かつ自然に説明できてしまうわけです。
そしてカナダの気象学者のJoseph D'Aleoは、NOAA とアメリカ航空宇宙局(NASA)のデータ
不正について報告。NOAAは温暖化を示す観測ステーションだけを選別しているようで、NOAA
のデータベース(GHCN)に登録されているステーション数は、1980年と比べて2007年には1/3以下にまで不自然に減少しています[10]。
ステーション数が減少したのはNOAAによると、「データ取得に時間がかかるものもある」
だそうですが[11]、20年前のデータが未だに更新されていないのは、あまりに時間がかかり過ぎでしょう。
Anthony Watts氏も説明していましたが、NOAAは謎の“補正”を施すことで寒冷化しているステーションのデータをあたかも温暖化しているかのように書き直す“マジック”に成功しています。一方NASAは世界の気候変動を算出する際にNOAAのデータを利用していますが、より暖かい場所に設置されたステーションのデータを寒い地域のものとして補ったり、NOAAに負けじと更なる地球温暖化への挑戦を日夜続けています。
世界気温の4つの観測データベースはCRU、GHCN(NOAA)、GISS(NASA)、気象庁ですが、CRU もGISS もNOAAのGHCNのデータを元に構築されており、残る気象庁も2000年以前はGHCNを利用していたため、GHCNのデータが腐っていた以上、結局どれも信用できないことになります。
データ捏造に対して脅威派の研究者がよく使う、「4つの独立した観測結果が全て同じ温暖化傾向を示している」との反論は脆くも崩れ去るわけですが、現在、信頼できる過去の気温データベースがないことは大変な問題だと思います。
世界に与えた影響は莫大で、捏造に関与した科学者の罪は、あまりに重い。
また、バージニア大学を引退したFred Singer翁は、衛星観測の結果と照らし合わせ、NOAA
が不自然な観測ステーション選別をせず、かつ怪しげな補正も行わなければ、1979~'97年で温暖化はほとんど起きていないんじゃないか、ということを言っていました。
懐疑派のトークばかり取り上げましたが、ICCCには脅威派の研究者も招待されており、コロラド州立大学のScott Denning教授もスピーチを行いました[12]。
懐疑派の国際会議で、脅威派の研究者が温かい拍手で迎えられ、和やかに議論が進行する。
当たり前のことのようですが、もし逆の立場で懐疑派の研究者が脅威派の会合に出かけたら、無視されれば良い方でしょう。
科学とは無関係の誹謗中傷を浴びせられることも珍しくないです。
『地球の気候変動は自然現象で、人間の手でコントロールすることは出来ない』当初は多くの研究者がそう考えていたのにも拘わらず、CO2温暖化説は政治やメディアを利用して多額の予算獲得に成功し、学会をコントロールするに至っています。
自然現象ならほとんど予算が付かないですが、“人為的”温暖化なら多くの人々が注目しますから。学会、政界、国連、金融、そして産業界の思惑が複雑に絡み合い、地球温暖化は科学的に間違っていても、もはや間違いだと認められない状況になってしまいました。
雑音から隔離し、今回のICCCのようにオープンな科学の場で冷静な議論がもっとなされるべきではないでしょうか。