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原発推進派の専門家が反対派になった理由

2011-06-30 | Weblog
もし政府が今回の原発問題で隠蔽工作を行うことなく、徹底的に原発の安全性を見直していれば、原発の危険性を訴えて来た専門家も反対派に転じることはなかったと思います。

その一人である武田教授のHPから転載します。

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原発再開のための必須条件(1) 経産大臣の論理


福島原発事故が起こってから約3ヶ月後(2011年6月18日)、海江田経産大臣は次のような記者会見をしました。その要旨は、

「原子力発電所の深刻な原発事故に備えた電力会社などの安全対策は適切に実施されている」

「電力需給の安定は震災復興と経済再生のために不可欠だ」

「原発の再起動をぜひお願いしたい」

の3つです。


福島第一原発の事故の一つの原因が、

「原発は必要だから、安全だ」

ということにあったのは、すでに指摘していますが、まだ経産大臣はこの奇妙な論理の中にあるようです。

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日本の原子力では、大きな国の方針があり、それを元に国民の同意を得て原発を動かしています.

それは、

1) 原子力を推進するのが原子力委員会(内閣府)、

2) 原子力を抑制(規制)するのが原子力安全委員会(内閣府)、

で、経産省が監督している原発もこのシステムの中で動きます.

つまり、原子力委員会も原子力安全委員会も内閣府にあり、首相の指揮を受けますが、だからといって首相の命令で決まるものではありません。

先に原子力安全委員会が安全であることを宣言しないと、首相は勝手に「安全」ということは出来ないのです。この世はすでに法治国家、民主主義であり、首相は殿様ではないからです。

・・・・・・

たとえば、九州の玄海原発の再開問題で、

1) 海江田経産省が再会を要請する、

2) 経産省が地元住民7名を選出して説明会を行う、

という手順で行われていますが、こんな奇妙なことを誰が考えたのでしょうか。

ナチス時代の世論操作に似ているので、官僚だけではなく、世論操作の専門家が関与していると考えられます.

もともと、玄海原発は耐震性があまり高くなく、津波は2メートルです。それに福島原発の電源問題、付帯設備問題、住民の救命ボートが無いこと、マスク、風向き、ヨウ素剤など基本的な防護システムが整っていないことなど、まったく再開できる状態には無いのです.

この状態で、福島原発の教訓を活かして玄海原発は安全であると原子力安全委員会が言うはずもありません。

それに玄海原発は原子炉の脆化が進んでいる可能性もあり、技術的な課題が多いのです.

・・・・・・

「曖昧な日本」と「巨大技術としての原発」は完全に相容れません。こんなことが事故後に行われるということは、本当に日本では原発が出来ないのではないかと思います.

これは技術問題では無いようです。


(平成23年6月27日 午後9時 執筆)

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