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再生可能エネルギー特別措置法

2011-08-20 | Weblog
「そんなに私の顔が見たくないなら、そんなに私の顔が見たくないなら、そんなに私の顔が見たくないなら、この法案を通せ」

この映像を見たとき、これが本当に日本の総理大臣だろうか?と耳を疑いました。

自分の退陣と交換条件ということは、どういうことか?



主要国では初の脱原発法案を閣議決定したドイツは、2022年までに国内にある17基の原発をすべて停止し、自然エネルギーや天然ガスによる火力発電で代替する計画だ。チェコのクラウス大統領は「バカげた政策」と批判し、アメリカの政治アナリスト、デービッド・フラムは「(独首相の)メルケルは、欧州で一番重要な経済をどうする気だ」と嘆いた。

衝撃が走るのも無理はない。低コストで安定した電力供給源である原発を廃止すれば、電気料金が急騰するか停電するかで企業は国外に逃げ出し、経済が縮小してしまう恐れがある。ドイツ産業連盟(BDI)は4月末、脱原発を推進すればドイツの電力料金は2018年までに30%も上がると警告していた。

原発停止の第一弾は、福島第一原発と同型の原発で、3月から停止していた7基を含む8基。ドイツの原発が作る電力の4割を絶つ計算だ。一見自殺行為にみえるが、ドイツの脱原発政策は実は長期間のエネルギー安全保障戦略に基づいている。それが福島原発の事故で前倒しになったにすぎない。「計画を立てるための数字はすべて推定でしかない」と、今はベルリン自由大学で環境政策を研究するミランダ・シュラーズ教授は言う。「だが成功すれば世界のモデルになれる」と。どこの国にもこういう教授はいるものだ、既に失敗しているというのに。

原子力発電は総発電量の22%を占めるので、その4割が停止することで直ちに失われる電力は総電力の約9%になる。もともとドイツでは電力の輸出超過分があるため、当面この程度のロスは何とか賄える。問題は、電力需要が最大になる冬をいかに乗り切るか。さらに残り9基の原発も順次止めながら、22年までの電力不足をどう回避するか。

ドイツ政府はつなぎとして天然ガスによる火力発電所に加え、石炭による火力発電所も少数ながら稼働させる見込みだ。化石燃料の中では最もクリーンな天然ガスはともかく、石炭火力まで計画に入れているのは、中小企業や金属、化学のような電力多消費型産業に低コストの電力を供給するための手当てではないかと、シュラーズは言う。

ドイツのエネルギー・水道業界団体BDEWは、原発の一時停止措置により、ドイツは電力の純輸入国になったことを明らかにした。主な調達先は、フランスとチェコ共和国だ。

BDEWは、ハノーバーで行われた産業フェアの会合で、先月実施された発電能力7000メガワット(MW)の原子力発電所の停止措置により、ドイツは1日当たり50ギガワット時(GWH)の純電力輸入国となったとし、「フランスとチェコからの電力輸入が倍増した」と述べた。

日本国内にもこの方向転換を評価する声がある。だが、手放しの脱原発礼賛は禁物だ。環境先進国を自負するドイツの国内でさえ、産業界から憂慮と懸念の声が上がっている。産業用の電気料金は既に高くなっており、脱原発でさらなる高騰が避けられないからである。同国の産業競争力の低下は欧州連合(EU)全体の景気低迷を招きかねない。

原発の停止状態が継続すると国内9電力の負担増は、年間2兆円の規模となる。この巨費が料金増に転嫁され得ることを、国民は見落としてはなるまい。消費税率アップに換算すれば、約1%増に匹敵する規模である。

ドイツの脱原発は一国の選択としては尊重すべきだが、同時にドイツのエネルギー事情の実態を知っておくことが必要だ。ドイツは電力の約半分を石炭火力でまかなっている。太陽光発電に熱心な一面のみが伝えられがちだが、現実は違う。

これだけで驚いてはいけない。ドイツは原発停止で不足する電力を隣のフランスから輸入するが、フランス産電力の8割は原発で作られたものである。ドイツの脱原発は「自国内では生産しない」という名ばかりの「脱」である。隣国から安い電力を買いながら、自然エネルギーを作り出す高価な設備等で儲けようという魂胆なのか?

全原発の停止に踏み切ることができるのは、欧州全域をカバーする電力網が存在するからだ。島国であり、エネルギー資源小国の日本では、同じように考えてはいけないのだ。



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