現在議論を要するのが、地球寒冷化対策だったらどうするんだろう?
以下、「環境問題を考える」より転載
資源エネルギー庁の謀略広告
本日の大分合同新聞朝刊(そしておそらく全国の新聞の朝刊)に次のような経済産業省・資源エネルギー庁の全面広告(上半分は資源エネルギー庁のお手盛りのシンポジウムの記事という体裁)が掲載されました。
1.エネルギーの自給率が向上します。
2・地球温暖化対策になります。
3.日本の将来を支える新たな産業を育てます。
再三このHPで説明してきたとおり、風力発電や太陽光発電は石油エネルギー投入量に対する電気エネルギー産出量があまりにも少なく、石油の浪費システムにしか過ぎません。更に致命的なのは自然エネルギーは不安定であり、電力供給の必要条件である安定供給をすることが出来ません。仮に蓄電装置を介してエネルギー供給を行おうとすれば、ただでさえ低いエネルギー産出比(=電気エネルギー産出量/石油エネルギー投入量)は更に絶望的に低くなり、全く使い物にならないことは電気事業者自身が最もよく知っています。
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朝日新聞10/1/13
『エコ発電 「低品質」のつけは国民に』(伊藤仁元北海道電力室蘭支店長)
風力発電や太陽光発電は地球温暖化を防ぐ救世主のように言われている。だが、一般的に「光」の側面だけが強調される一方、「陰」の側面の品質とコストに関する問題点がほとんど無視されている。長く各種の発電方法による電力の購入に関わってきた立場から一言したい。
「良品」と「不良品」、あるいはそれにもあたらない「くず」の区別ははっきりしている。例えば清掃工場建設に私用する鉄骨はトン何十万円、ごみとして出された金属くずはキロ何円といったように、値段は品質によって大きく違う。だが、「電気」という商品になると区別がぼやける。
極端に言えば、風力発電などから出て来る電気は、廃棄される金属くずの類といってもいい。そのままでは電気として流通しない。いつでも安定的に使用できる良質な電気ではないからだ。この点を、風量発電を例に説明しよう。
日本の風力発電の年間利用率は25%。風任せなのでフル発電でも一日6時間しか発電できない。太陽光発電も夜や曇りの時に機能しない。普通の製造業でこんなに働きの悪い機械を使うだろうか。
安定・良質な電気の供給を義務づけられている電力会社が、地域によって差はあるものの、不安定な風力発電の比率をある限度以上増やせないのは当然である。「環境にやさしい」といわれる風力発電は、コストや仕事の質からいうと「怠け者」にすぎない。
それなのに風力発電や太陽光発電設備の設置推進を叫ぶ声は鳴りやまない。
2003年、日本風力エネルギー協会会長の牛山泉氏は「ヨーロッパでは、火力発電より高い価格で強制的に電力会社に買い取らせている」と言われた。風力の設備をどんどんつくり、非効率な電気を発電所から得られた良質な電気以上の価格で買い取らせるというのだ。民主党政権はこれら自然エネルギーを電力会社に強制的に買い取らせようとしているが、つけは(電気代の値上げとして)一般の消費者に回ってくる。
国が自然エネルギーを推進するなら、模範とされるドイツ、デンマーク、米国の料金体系と会社間の料金格差、電力会社がその導入で電力系統内におきる負荷(需要)の変動をどう吸収しているのかを調査し、投資が国家利益にかなうことを国民に説明する義務があると考える。
二酸化炭素の発生量を低減させる方法は、風力・太陽光発電に限らない。水力発電の開発、電気自動車の深夜電力(深夜充電)の利用、住宅電化の推進、モーダルシフト、通勤時の幹線道路のマイカー規制など成熟した技術が沢山ある。それらをコストパフォーマンスの順に採用すればよい。その際、風力、太陽光発電などの「陰」の側面を冷静に見据えた姿勢が望まれる。
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風力発電装置や太陽光発電パネルは大量の石油を浪費することによって成り立っているのであって、石油消費量が増大することは大いに考えられますが、エネルギー自給率が向上することなど、金輪際ないのです。
理由2:CO2排出量の削減
理由1で述べたとおり、風力発電や太陽光発電に代表される自然エネルギー発電による供給電力は、石油エネルギー投入量に対して利用可能な電気エネルギー産出量が極めて少なく、その発電効率は現行の火力発電システムよりもはるかに低いのです。その結果、単位消費電力量当たりの石油消費量は火力発電をはるかに上回るため、CO2放出量もはるかに多くなるのです。資源エネルギー庁の言うCO2削減量は明らかな虚偽の数値です。
付言しておくと、風力発電は各地で低周波による健康被害が報告されているばかりでなく、設置場所の自然環境を破壊する施設であり、環境にやさしいなどというのは幻想に過ぎません。
以上で簡単に示したとおり、この経済産業省・資源エネルギー庁による謀略広告の自然エネルギー導入の自然科学的な理由は全く根も葉もない虚偽であり、これは国家ぐるみの詐欺行為です。彼らの本音は、第3の理由である『産業の育成のために金を払え!』ということだけなのです。この点をしっかり見ておくことが重要だと考えます。
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以下、「環境問題を考える」より転載
資源エネルギー庁の謀略広告
本日の大分合同新聞朝刊(そしておそらく全国の新聞の朝刊)に次のような経済産業省・資源エネルギー庁の全面広告(上半分は資源エネルギー庁のお手盛りのシンポジウムの記事という体裁)が掲載されました。
1.エネルギーの自給率が向上します。
2・地球温暖化対策になります。
3.日本の将来を支える新たな産業を育てます。
再三このHPで説明してきたとおり、風力発電や太陽光発電は石油エネルギー投入量に対する電気エネルギー産出量があまりにも少なく、石油の浪費システムにしか過ぎません。更に致命的なのは自然エネルギーは不安定であり、電力供給の必要条件である安定供給をすることが出来ません。仮に蓄電装置を介してエネルギー供給を行おうとすれば、ただでさえ低いエネルギー産出比(=電気エネルギー産出量/石油エネルギー投入量)は更に絶望的に低くなり、全く使い物にならないことは電気事業者自身が最もよく知っています。
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朝日新聞10/1/13
『エコ発電 「低品質」のつけは国民に』(伊藤仁元北海道電力室蘭支店長)
風力発電や太陽光発電は地球温暖化を防ぐ救世主のように言われている。だが、一般的に「光」の側面だけが強調される一方、「陰」の側面の品質とコストに関する問題点がほとんど無視されている。長く各種の発電方法による電力の購入に関わってきた立場から一言したい。
「良品」と「不良品」、あるいはそれにもあたらない「くず」の区別ははっきりしている。例えば清掃工場建設に私用する鉄骨はトン何十万円、ごみとして出された金属くずはキロ何円といったように、値段は品質によって大きく違う。だが、「電気」という商品になると区別がぼやける。
極端に言えば、風力発電などから出て来る電気は、廃棄される金属くずの類といってもいい。そのままでは電気として流通しない。いつでも安定的に使用できる良質な電気ではないからだ。この点を、風量発電を例に説明しよう。
日本の風力発電の年間利用率は25%。風任せなのでフル発電でも一日6時間しか発電できない。太陽光発電も夜や曇りの時に機能しない。普通の製造業でこんなに働きの悪い機械を使うだろうか。
安定・良質な電気の供給を義務づけられている電力会社が、地域によって差はあるものの、不安定な風力発電の比率をある限度以上増やせないのは当然である。「環境にやさしい」といわれる風力発電は、コストや仕事の質からいうと「怠け者」にすぎない。
それなのに風力発電や太陽光発電設備の設置推進を叫ぶ声は鳴りやまない。
2003年、日本風力エネルギー協会会長の牛山泉氏は「ヨーロッパでは、火力発電より高い価格で強制的に電力会社に買い取らせている」と言われた。風力の設備をどんどんつくり、非効率な電気を発電所から得られた良質な電気以上の価格で買い取らせるというのだ。民主党政権はこれら自然エネルギーを電力会社に強制的に買い取らせようとしているが、つけは(電気代の値上げとして)一般の消費者に回ってくる。
国が自然エネルギーを推進するなら、模範とされるドイツ、デンマーク、米国の料金体系と会社間の料金格差、電力会社がその導入で電力系統内におきる負荷(需要)の変動をどう吸収しているのかを調査し、投資が国家利益にかなうことを国民に説明する義務があると考える。
二酸化炭素の発生量を低減させる方法は、風力・太陽光発電に限らない。水力発電の開発、電気自動車の深夜電力(深夜充電)の利用、住宅電化の推進、モーダルシフト、通勤時の幹線道路のマイカー規制など成熟した技術が沢山ある。それらをコストパフォーマンスの順に採用すればよい。その際、風力、太陽光発電などの「陰」の側面を冷静に見据えた姿勢が望まれる。
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風力発電装置や太陽光発電パネルは大量の石油を浪費することによって成り立っているのであって、石油消費量が増大することは大いに考えられますが、エネルギー自給率が向上することなど、金輪際ないのです。
理由2:CO2排出量の削減
理由1で述べたとおり、風力発電や太陽光発電に代表される自然エネルギー発電による供給電力は、石油エネルギー投入量に対して利用可能な電気エネルギー産出量が極めて少なく、その発電効率は現行の火力発電システムよりもはるかに低いのです。その結果、単位消費電力量当たりの石油消費量は火力発電をはるかに上回るため、CO2放出量もはるかに多くなるのです。資源エネルギー庁の言うCO2削減量は明らかな虚偽の数値です。
付言しておくと、風力発電は各地で低周波による健康被害が報告されているばかりでなく、設置場所の自然環境を破壊する施設であり、環境にやさしいなどというのは幻想に過ぎません。
以上で簡単に示したとおり、この経済産業省・資源エネルギー庁による謀略広告の自然エネルギー導入の自然科学的な理由は全く根も葉もない虚偽であり、これは国家ぐるみの詐欺行為です。彼らの本音は、第3の理由である『産業の育成のために金を払え!』ということだけなのです。この点をしっかり見ておくことが重要だと考えます。
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