#47: 誤りの訂正
#45 で述べた巡回符号の生成多項式として(原始多項式とは限らない高次の)適当な多項式を用いることにより複数ビットの誤りを訂正することができますが(補遺で例示します),sys.pdf では #46 の符号よりさらに簡単なハミング(7, 4)符号で単一誤りの訂正を説明します.復号器の場合も符号器と同様に Γ,⊿ を用いてスイッチングのタイミングを回路図に明記できますが,汎用プロセッサによる処理では意味が無いので省略します.上記の式の f は逆関数が存在し,伝送誤りを訂正した復号器の出力は X(z) + f -1(G(z)⊿{X(z)/G(z)}) です(シンドロームの係数ベクトルでソートされた表を用いると瞬時に訂正可能).BCH 符号や RS 符号の復号については例えば [4-48] で具体例を用いて分かりやすく説明されています.
補足: G(z)⊿{X(z)/G(z)} のような剰余の表現は冗長ですが,無限級数 ⊿{X(z)/G(z)} で表される信号を伝達関数が G(z) のフィルタに入力すると剰余が出力されるという物理的な意味を持っています.
[4-48] 誤り訂正符号について (ハミング符号、BCH 符号、RS 符号)
http://iwanami-web.elcom.nitech.ac.jp/member/h13sotsuken/block_code.pdf
図12: BCH(15,7)符号復号シフトレジスタ回路,
表6: G_1(x)とG_2(x)の余りから誤りビットを特定するシンドローム表
図17: RS(7,5)符号の1ブロックの様子
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古い情報処理技術者試験用のメモを処分するために,sys.pdf の作成は後回しにして,しばらく IT.pdf で割愛した事項の補遺の作成を優先します.