ぼんさい塾

ぼんさいノートと補遺に関する素材や注釈です.ミスが多いので初稿から1週間を経た重要な修正のみ最終更新日を残しています.

GF(3)の拡大 (2)

2014-03-04 18:34:16 | 暮らし

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2013-03-18:差し替え


                                 GF(3) での計算

2 の平方根等を 21/2 等のように表すのは見難いので,以下では (√2) 等のように表現します.2 の 4 乗根は (4√2) です.

2.GF(p)の2次の拡大

  まず,GF(2) 上の既約多項式 g(x) = x2 + x + 1 で拡大して作られる GF(22) について復習しましょう(g(0) = g(1) = 1 で,g(x) = 0 となる x の値は GF(2) 上に存在しないので g(x) は既約多項式).GF(2)上の多項式 P(x) についても

    P(x) = Q(x)g(x) + a x + b

と書き換え,g(α) = 0 となるαの存在を仮定すると P(α) は aα + b に等しくなり,同じ数を表していると考えます.a, b の値は 0, 1 しかないので,P(α) は 0, 1, α, α + 1 のいずれかに等しく, α(α + 1) = 1 すなわち α の逆元は α + 1 です.また,α3 = 1 なので α = (3√1) と考えることもできます.(差し替え)

  次に,GF(3)上の多項式 g(x) = x2 + 1 を考えます.g(0) = 1, g(1) = g(2) = 2 ですから,この g(x) も既約多項式です.GF(2) の場合と同様に

    P(x) = Q(x)g(x) + a x + b

と書き換え,g(α) = α2 + 1 = α2 - 2 = 0 と仮定すると P(α) は aα + b に等しくなります.ここで,α = (√2) とおくと,

   α2 = 2, α3 = α2 α = 2 (√2), α4 = α2 α2 = 1

   (a (√2) + b) + (c (√2) + d) = (a + c)(√2) + (b + d)

   (a (√2) + b) (c (√2) + d) = (a d + b c)(√2) + (2 a c + b d)

が得られます.(a (√2) + b) (a (√2) + 2 b) = 2(a2 + b2) ∈ GF(3) ですから

   (a(√2) + b)-1 = 2-1 (a2 + b2)-1(a (√2) + 2 b)

です.GF(3) の元として 2 の代わりに (-1) を用いると α = (√-1) で,

   α2 = -1, α3 = α2 α = (-1)(√-1), α4 = α2 α2 = 1
   (a(√-1) + b)-1 = (-1) (a2 + b2)-1 (a (√-1) + (-1) b)

となって,有理数体を x2 + 1 = 0 の根で拡大したときの表現に近づきます.このような性質はGF(2)では縮退が著しく想像が困難です.β = (-1)α + 1 とおくと β2 = α なので,形式的に β = (4√-1) と書いても不自然ではありません.後述するように 0 以外の GF(32) の元は βk の形で表現でき,βk の逆元は β8-k です.



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