ぼんさい塾

ぼんさいノートと補遺に関する素材や注釈です.ミスが多いので初稿から1週間を経た重要な修正のみ最終更新日を残しています.

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GB7%1:GF(3)の拡大 (1)

2016-11-07 14:46:11 | 暮らし

@http://blog.goo.ne.jp/bonsai-juku/e/fc3374e111363407f7d1d6e690a9e298
=GB7%1:GF(3)の拡大 (1)
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記事一覧

           代数的整数 x

GB7%1:GF(3)の拡大 (1)
武部幹先生のゼミに関連して,整数論の入り口部分を復習しました.

GF(2)上の生成多項式で構成される巡回符号では多項式の係数が 0,1 しかなく有理数体上の多項式で体を拡大するときの話を想像し難いので,巡回符号の基礎知識を前提として sys-s.pdf 用の資料
  http://www18.ocn.ne.jp/~pulsar/tmp/sys-E2S.pdf
を作りましたが,割愛した事項が多いのでブログで補足事項を連載します.

1.整数とは?

  高校の数学でも,『方程式 x2 + 1 = 0 は実数解をもたないが,i2 + 1 = 0 を満足する数 i が存在すると仮定して』 i を含む多項式の四則演算を行い,i2 に -1 を代入して整理した a + b i の形の式を求めました.例えば

    (1 + 2 i)(3 + 4 i)(5 + 6 i) = (-5 + 10 i)(5 + 6 i) = 35 + 20 i

です.実数を係数とする多項式を

    P(x) = Q(x)(x2 + 1) + a x + b

のように書き換えて,x に i を代入すると,P(i) = a i + b が得られます.P(x) = 0 となる実数が存在しないとき,P(x) は(実数体上での)既約多項式であるといいます.「実数とは何か」という問題は難しいので,以下では有理数で考えます.方程式 x2 - 2 = 0 は有理数の解を持ちませんが, α2 - 2 = 0 である数α(= 21/2 )が存在するとしてαを含む多項式を計算し,α2 に 2 を代入して整理すると  a α + b の形になります.
  一般に,代数的数(有理係数の多項式の根となる複素数)のうち,最高次の係数が1であって他の係数がすべて有理整数 (高校で学ぶ有理数体に属する整数) である多項式の根となる数を代数的整数 (数学者がいう整数) といいます.したがって,方程式が x2 + 3 = 0 の根である

    x = (-1 + (-3)1/2)/2

も(代数的)整数です.有理数体を3次の方程式 x3 - 2 = 0 の根で拡大して得られる体の元は a 22/3 + b 21/3 + c の形になり,この体もさらに別の方程式 y2 + 1 = 0 の根で拡大できます.

関連資料([n]は本文でも引用, *.pptはブロック解除が面倒なので未調査):
[0] 応用代数学入門―暗号・符号・バーコードの仕組みが分かる: D. W. ハーディ, C. L. ウォーカー
  http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%9C%E7%94%A8%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%85%A5%E9%96%80%E2%80%95%E6%9A%97%E5%8F%B7%E3%83%BB%E7%AC%A6%E5%8F%B7%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%81%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8B-%E3%83%80%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BBW-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3/dp/4894714930
--------
[1]
ガロア理論の頂を踏む (BERET SCIENCE): 石井 俊全
  http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AE%E9%A0%82%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%82%80-BERET-SCIENCE-%E7%9F%B3%E4%BA%95-%E4%BF%8A%E5%85%A8/dp/4860643631
[2] 代数と数論の基礎 (共立講座 21世紀の数学): 中島 匠一
  http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E3%81%A8%E6%95%B0%E8%AB%96%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E-%E5%85%B1%E7%AB%8B%E8%AC%9B%E5%BA%A7-21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E5%8C%A0%E4%B8%80/dp/4320015614/ref=pd_sim_b_1?ie=UTF8&refRID=0M8GK4SJ5EPYM6D95HCY
[3] 代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流): 中島 匠一
  http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F%E3%81%A8%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E7%90%86%E8%AB%96-%E5%85%B1%E7%AB%8B%E5%8F%A2%E6%9B%B8-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%BD%AE%E6%B5%81-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E5%8C%A0%E4%B8%80/dp/4320016963
[4] 整数論 (基礎数学講座): 稲葉栄次
  http://www.amazon.co.jp/%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96-%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E6%95%B0%E5%AD%A6%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E7%A8%B2%E8%91%89%E6%A0%84%E6%AC%A1/dp/432001359X
  ※ 手元にあるのは数十年前に購入したこれだけです.他の資料は一部の図書館での閲覧,Webでの立ち読み等.
[5] 初等整数論講義 第2版: 高木 貞治
  http://www.amazon.co.jp/%E5%88%9D%E7%AD%89%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E8%B2%9E%E6%B2%BB/dp/4320010019
[6] 代数的整数論 第2版: 高木 貞治
http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E7%9A%84%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E8%B2%9E%E6%B2%BB/dp/4000056301
--------
[7]
体の拡大 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%A4%A7
[8] 有限体 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E4%BD%93
[9] 剰余環 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B0%E4%BD%99%E7%92%B0

 

aa

 

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GF(3)の拡大 (1)

2016-11-07 14:29:40 | 暮らし
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           代数的整数 x

GB7%1:GF(3)の拡大 (1)
武部幹先生のゼミに関連して,整数論の入り口部分を復習しました.

GF(2)上の生成多項式で構成される巡回符号では多項式の係数が 0,1 しかなく有理数体上の多項式で体を拡大するときの話を想像し難いので,巡回符号の基礎知識を前提として sys-s.pdf 用の資料
  http://www18.ocn.ne.jp/~pulsar/tmp/sys-E2S.pdf
を作りましたが,割愛した事項が多いのでブログで補足事項を連載します.

1.整数とは?

  高校の数学でも,『方程式 x2 + 1 = 0 は実数解をもたないが,i2 + 1 = 0 を満足する数 i が存在すると仮定して』 i を含む多項式の四則演算を行い,i2 に -1 を代入して整理した a + b i の形の式を求めました.例えば

    (1 + 2 i)(3 + 4 i)(5 + 6 i) = (-5 + 10 i)(5 + 6 i) = 35 + 20 i

です.実数を係数とする多項式を

    P(x) = Q(x)(x2 + 1) + a x + b

のように書き換えて,x に i を代入すると,P(i) = a i + b が得られます.P(x) = 0 となる実数が存在しないとき,P(x) は(実数体上での)既約多項式であるといいます.「実数とは何か」という問題は難しいので,以下では有理数で考えます.方程式 x2 - 2 = 0 は有理数の解を持ちませんが, α2 - 2 = 0 である数α(= 21/2 )が存在するとしてαを含む多項式を計算し,α2 に 2 を代入して整理すると  a α + b の形になります.
  一般に,代数的数(有理係数の多項式の根となる複素数)のうち,最高次の係数が1であって他の係数がすべて有理整数 (高校で学ぶ有理数体に属する整数) である多項式の根となる数を代数的整数 (数学者がいう整数) といいます.したがって,方程式が x2 + 3 = 0 の根である

    x = (-1 + (-3)1/2)/2

も(代数的)整数です.有理数体を3次の方程式 x3 - 2 = 0 の根で拡大して得られる体の元は a 22/3 + b 21/3 + c の形になり,この体もさらに別の方程式 y2 + 1 = 0 の根で拡大できます.

関連資料([n]は本文でも引用, *.pptはブロック解除が面倒なので未調査):
[0] 応用代数学入門―暗号・符号・バーコードの仕組みが分かる: D. W. ハーディ, C. L. ウォーカー
  http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%9C%E7%94%A8%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%85%A5%E9%96%80%E2%80%95%E6%9A%97%E5%8F%B7%E3%83%BB%E7%AC%A6%E5%8F%B7%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%81%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8B-%E3%83%80%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BBW-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3/dp/4894714930
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[1]
ガロア理論の頂を踏む (BERET SCIENCE): 石井 俊全
  http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AE%E9%A0%82%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%82%80-BERET-SCIENCE-%E7%9F%B3%E4%BA%95-%E4%BF%8A%E5%85%A8/dp/4860643631
[2] 代数と数論の基礎 (共立講座 21世紀の数学): 中島 匠一
  http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E3%81%A8%E6%95%B0%E8%AB%96%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E-%E5%85%B1%E7%AB%8B%E8%AC%9B%E5%BA%A7-21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E5%8C%A0%E4%B8%80/dp/4320015614/ref=pd_sim_b_1?ie=UTF8&refRID=0M8GK4SJ5EPYM6D95HCY
[3] 代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流): 中島 匠一
  http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F%E3%81%A8%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E7%90%86%E8%AB%96-%E5%85%B1%E7%AB%8B%E5%8F%A2%E6%9B%B8-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%BD%AE%E6%B5%81-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E5%8C%A0%E4%B8%80/dp/4320016963
[4] 整数論 (基礎数学講座): 稲葉栄次
  http://www.amazon.co.jp/%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96-%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E6%95%B0%E5%AD%A6%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E7%A8%B2%E8%91%89%E6%A0%84%E6%AC%A1/dp/432001359X
  ※ 手元にあるのは数十年前に購入したこれだけです.他の資料は一部の図書館での閲覧,Webでの立ち読み等.
[5] 初等整数論講義 第2版: 高木 貞治
  http://www.amazon.co.jp/%E5%88%9D%E7%AD%89%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E8%B2%9E%E6%B2%BB/dp/4320010019
[6] 代数的整数論 第2版: 高木 貞治
http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E7%9A%84%E6%95%B4%E6%95%B0%E8%AB%96-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E8%B2%9E%E6%B2%BB/dp/4000056301
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[7]
体の拡大 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%A4%A7
[8] 有限体 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E4%BD%93
[9] 剰余環 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B0%E4%BD%99%E7%92%B0

 

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tk103lab

2014-04-21 15:05:53 | 暮らし

このページは http://blog.goo.ne.jp/tk103lab との連携用(固定URL)です.

------------------------------------------------------------------------------------

・演習問題に「ポインタ」「文字列の操作」が追加されました.

http://pulsar.blog.ocn.ne.jp/KIT/sc-C.pdf (structure chart for C, チャートで復習 Cの文法) は progC-e.pdf, ya-C.pdf で述べた C の文法の 紛らわしい点を構造化チャート (一般には通用しません) を用いた復習です. 
C++ への拡張案はhttp://www.ineer.org/Events/ICEE2008/full_papers/full_paper377.pdf
 
http://pulsar.blog.ocn.ne.jp/KIT/ya-C.pdf (yet another introduction to C, 速習 Cプログラミング) は 2013-09-15 の記事を具体化したもので, 基本的な事項以外は K&R2 を参照して,説明を省略しています. 
   

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tweet

2014-04-17 18:27:46 | 日記

このページと tk103lab は固定URLで,随時上書きされています(非保存).
------------------------------------------------------------------------------------

・入院中につき,体調が戻るまで更新をお休みさせていただきます(2014-05-04,代筆).

・ya-C.pdf 最新版は 2014-04-17 です.

・sc-C.pdf は2014-04-16.

コメント (1)

有限体の拡大

2014-03-10 13:35:38 | 暮らし

sys-s.pdf 用の「有限体の拡大」( http://www18.ocn.ne.jp/~pulsar/tmp/sys-E2S.pdf )を補足したブログ記事「GF(3)の拡大」 を pdf 化した
  http://pulsar.blog.ocn.ne.jp/topics/B2014-03.pdf 
を作りました.剰余類の記号が違いますが,括弧,バーのいずれも使われているようです(バーの方が省スペース).

これらの資料は GF(2)から GF(2m)への拡大では分かり難かった有理数体の拡大を学ぶための橋渡しを意図していますので,[x] と α を同一視することに違和感が無くなれば,B2014-03.pdf の内容は忘れてください.
※ 数学書を読むには「同一視」に慣れることが必至です.典型例は双対空間で,『ベクトル空間 x 上の線形汎関数が作る空間を x* としたとき,x* 上の線形汎関数が作る空間 (x*)* を x と同一視する』ことです.「(x*)* = x」が数学者の常識 --- 難しいですね (行ベクトルと列ベクトルの具体例なら高校生でもわかるのですが).

補足:(1)B2014-03.pdf では sys-E2S.pdf の K[x]/(g(x)) についての説明を割愛しましたが,(g(x)) は g(x) で割り切れる多項式の集合で,B2014-03.pdf の [0] のことです([0], [1] は g(x) に依存するので,丁寧に書けば例えば [0]gや [1]g).K[x]/(g(x)) の表現は除算のように見え,名称も商環(体になれば商体)です.
(2) K[x]/(g(x)) をさらに g'(y)=0 等の根で拡大するときも多項式のままで議論できます --- Kが有理数体で,g(x) = x3 - 2, g'(y) = y2 + 1 のとき,剰余類がなす線形空間の基底は [1], [x], [y], [xy], [x2], [x2y] (x = (3√2), y = (√-1))で,[0] は g(x)g'(y) で割り切れる多項式の集合.
(3) 有理数体を拡大するときは,逆元の存在に B2014-03.pdf のような論法は使えません.

 

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