“暖かい”と、“温かい”。この季節には望ましい言葉ですが、どちらの文字を使うかで戸惑うこともあります。
一般的には、「暖」のほうは「暖かい日」「暖かい室内」のように、寒いの反対で、気象や気温をあらわし、「温」のほうは冷たいの反対、「温かいスープ」「温かな言葉」のように使われます。
あまりご縁のない“懐があたたかい”は、素寒貧の寒さの反対ですから、暖のほうでしょう。ただし、あまり暖かすぎると心のほうは寒くなるようです。
では、もう一つ、愛情に富む、思いやりがある、の”あたたか”は、どちらでしょう。「あたたかさ」は、「ぬくもり」とも言われます。
冷たいの反対なら温かいですが、漱石は「野分」のなかで「暖かい家庭に育った」と使っています。啄木は葉書で「落ち着いた温かな声」と書いています。どちらを使っても間違いとはいえないようです。
ただ、人柄に関して言う言葉で探って見ると、温は、温厚、温順、温和、温情、と熟していきますが、暖のほうは、暖流,暖地、暖房、と、思い浮かべても、人の情や、人となりに関する熟語は浮かんでこないようです。
最近滅多にめぐり合うことのないのが、人の温もりを感じる場面です。逆に肉親が殺しあったり、親が子を殺したり、虐待するといった信じられない情報があふれています。
人が人を思いあう、あたたかな温もりは絶滅しかかっているのでしょうか。
“鷹の温め鳥”にも劣る人間の行動は、私たちの住む星の温暖化に反比例して、心の温度が低くなっているように見受けます。物が豊かでなかった時代のほうが人の心の温度は高かったようです。
社会の出来事への対応にも政治家の取り組みに温度差が歴然として出ています。
鷹の温め鳥―冬の夜、鷹が小鳥を捕らえてつかみ、その羽毛で足を温めると言うのですが、その小鳥は翌朝放してやり、その日は小鳥の飛び去った方角には餌を求めに行かないという言い伝え。 鷹のとるこぶしの内のぬくめ鳥氷る爪根のなさけをぞ知る
ぬくめ鳥南に去れば鷹西す
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/b3/70a50856bf6fd93561f4fd3727fa86fa.jpg)
一般的には、「暖」のほうは「暖かい日」「暖かい室内」のように、寒いの反対で、気象や気温をあらわし、「温」のほうは冷たいの反対、「温かいスープ」「温かな言葉」のように使われます。
あまりご縁のない“懐があたたかい”は、素寒貧の寒さの反対ですから、暖のほうでしょう。ただし、あまり暖かすぎると心のほうは寒くなるようです。
では、もう一つ、愛情に富む、思いやりがある、の”あたたか”は、どちらでしょう。「あたたかさ」は、「ぬくもり」とも言われます。
冷たいの反対なら温かいですが、漱石は「野分」のなかで「暖かい家庭に育った」と使っています。啄木は葉書で「落ち着いた温かな声」と書いています。どちらを使っても間違いとはいえないようです。
ただ、人柄に関して言う言葉で探って見ると、温は、温厚、温順、温和、温情、と熟していきますが、暖のほうは、暖流,暖地、暖房、と、思い浮かべても、人の情や、人となりに関する熟語は浮かんでこないようです。
最近滅多にめぐり合うことのないのが、人の温もりを感じる場面です。逆に肉親が殺しあったり、親が子を殺したり、虐待するといった信じられない情報があふれています。
人が人を思いあう、あたたかな温もりは絶滅しかかっているのでしょうか。
“鷹の温め鳥”にも劣る人間の行動は、私たちの住む星の温暖化に反比例して、心の温度が低くなっているように見受けます。物が豊かでなかった時代のほうが人の心の温度は高かったようです。
社会の出来事への対応にも政治家の取り組みに温度差が歴然として出ています。
鷹の温め鳥―冬の夜、鷹が小鳥を捕らえてつかみ、その羽毛で足を温めると言うのですが、その小鳥は翌朝放してやり、その日は小鳥の飛び去った方角には餌を求めに行かないという言い伝え。 鷹のとるこぶしの内のぬくめ鳥氷る爪根のなさけをぞ知る
ぬくめ鳥南に去れば鷹西す
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