boa mesa

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2006年美食納め

2007-01-04 03:51:04 | そとごはん
それは暮れもおしせまった、晦日30日、
まっとうな主婦は大掃除に、おせちの準備にと忙しいはずの日。

だって・・・「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」ですよ・・・・。
断れるわけございません。
大掃除はいいの、仕事柄キッチンリビングダイニングは常に綺麗だから、
おせちはいいの、「円」と「辣」の美味しいのが届くから、
と、苦しい言い訳をしながら出かけました。

弱冠40歳にして既に伝説的なシェフの名声を手にしている成澤さん。
小田原時代に、東京から毎週のように通っていた著名人の数々を
列挙したらもうたいへん。
そのなかのおひとりであるソニーの盛田前会長が
「きみはぜったい東京に店を持つべきだよ」。
そうおっしゃって、青山一丁目のソニーの敷地内に
「レ・クレアシヨン~」をオープンさせたのは
あまりにも有名なエピソードです。

エントランスのスタイリッシュな佇まいから
店内のほどよい「かっこよさ」と「上品」さにまずくらくら。
お皿もそうです、佇まいがいいんです、そして、
かっこよくて、上品で、とびきりとびきり美味しいんです。

「静岡県沼津の活〆ヒラメのカルパッチョ ゆずの香り」



はなびらのように美しい紅芯だいこんなどの京野菜と、
透明なアロエのジェルに覆われた新鮮なヒラメ、
その下にもダイスにカットされたお野菜が。
こんな凝った、しかも美味しいカルパッチョ、いただいたことありません。

「たらの白子のムニエル・シェリービネガー風味のノワゼットソース」



今まで、ふぐの白子にかなう白子は存在しないと思い込んでいたわたしを
あざ笑うかのような美味しさでした。
どんなに笑われてもいい、もういちど食べたい!!

「静岡県沼津の活〆スズキとシャンピニオン・デュクセル」



スズキそのもののお味もさることながら、
この二種類のソースを「ぜんぶ舐めたい!」と心から思いました。
そしてなんでもなくトッピングされているような
細かい細かいパン粉のローストのまた美味しかったこと!!

「岩手県産・白金豚のポワレ・冬の野菜とフルーツのマセドワーヌ」



白金豚はいろいろなお店でいろいろな調理法をいただきましたが
文句なしにベストです、
「たまらんオブザイヤー♪」です。
このマセドワーヌの、切り方、大きさもまた絶妙でした。

このあと、バラのムースとアロエ・ライチのゼリーなどを三層に
おしゃれなカクテルグラスに閉じ込めた「シークレット・オブ・ザ・ローズ」、

デセールは三種類の選択肢のなかから迷いに迷って選んだ、
「くるみと洋ナシのキャラメル風味」、

そのあとカフェと一緒にワゴンでサービスされる12種類のお菓子、
定評ある「モンブラン」と「いちじくのタルト」、「マカロン三種類」を
選んだのですが、ほんとうは全種類いただきたかったです。



ご挨拶にみえたシェフに
「幸せな時間をありがとうございました」と申し上げたのは
心からでした。

自分が家庭料理のサロンを始めて、なおさら、
プロの仕事の素晴らしさ偉大さに、畏敬の念をおぼえるようになりました。
わたしが boa mesa を囲んでくださるかたにお分けできるのは
また違う次元のものだとしても、
「あなたに喜んでほしい」という気持ちをこめることは
家庭でのそれのほうが易しい、
ということもお教えしたいと思っていました。

でも、素晴らしいシェフのかたがたは
食べてくれるひとの顔が見えなくても、その気持ちをこめることが
お出来になるのだなあと実感しました。