日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

足尾,社山で聞きしに勝る名尾根を楽しむ 社山、南東尾根

2012-10-09 20:52:29 | 山行

入山日 2012年10月8日 (晴) 単独 (1564mピーク上から来た社山、南東尾根を振り返る)

当山行の前日夕方4時くらいまではどういう経緯でそう決定したか今となってははっきり思い出せないが、思いっきり湖上山に行くつもりでいた。午前にはノラさんとハイトスさんの今年のレポを確認したり、それ相応の困難を伴う場所も当然出てくるはずの為のかすかな緊張と多少の精神の興奮が高まっていた。夕方、天気予報が大幅に良いほうに変化、ならば景観を楽しんで尾根も多少は楽しく歩けるほうがよくないか? そう自問してあっさり結論を出す。そう、8日は今年後半の目標の一つ、社山南東尾根を登ってみることにした。

コース: 銅親水公園P  6:11 (安蘇沢方面へ迷いこみロス約30分)   南東尾根取りつき点  7:42-7:51   1564mピーク  9:44-9:50   社山山頂  10:38-11:03   阿世潟峠  11:48-11:54   銅親水公園P  14:08

たそがれオヤジさんがちょうど一月前に行かれたコースの全くの後追いをする。そのレポではまるで私にトラブル無く登ることができるように、コースの問題ある箇所を細かに説明してくれているように感じたものだった。が・・・
出発してすぐあの有名な散歩のおば様2人と挨拶をしすれ違い、林道を先に進む。涼しい10度くらい、長袖のちょっと厚手のマーベルピークを着て汗をかかない程度。スタート15分ほどの分岐(写真下)でいきなり選択ミス。右に行くところを左に進んでしまう。左の方が沢沿いだったし、右へは○○建設とかの表示と奥に建物、その会社の作業所で行き止まりと勘違いした。左の間違い道は安蘇沢沿いに行くルート、それを10分ほど進んでしまう。方向が違うので数分地形図を確認、林道部分は半分印刷してなく間違い道とも断定できない。数分いろいろ考え結局分岐まで戻り事なきをえた。地図確認やらロス歩きやらで30分は遅れてしまい、変な神経を使ってしかも挽回したいと早歩きをしたもので、いつもと違う疲れが出てくる。ハイトスさんレポでこの分岐しっかり教えてくれていたのに、(最近そのレポご無沙汰していて忘れていた)。



(写真下) 正常な林道に復帰、沢を渡る部分・・・



結局、道迷いでロスった為、約1時間半かけて尾根取りつき点に到着。沈下(水)橋を渡渉し少し進んだ所の分岐を左にほんの少し入った地点だ。取りついたのは、リボンが2本ほど有った為、(写真下)地点から。尾根末端ではないなとは思ったが、尾根に取りつくまでによく味わう斜面をじぐざくに直登するパターンになった。斜面も急、土はゆるくなかなかしんどい、10分以上がんばって、尾根上に乗れた。



尾根上に出ると、葉の長い芝状の草地に潅木帯が加わり緩やかな登りを形成するような部分をしばらく進む。踏跡はなんと鹿道が薄っすらと認められる。思ったよりわかりやすい踏跡だ。尾根の取りつき以外リボンは尾根上に以後、一切無し。鹿の変な鳴き声が頻繁にする、生殖の時期なのか?そういえばこの日見た4組の群れ、全て1頭か2頭までしかいなかった。人の気配を察して尾根下に突進していく、そんなに慌てずともよいのに・・・。ルートもわかりやすい、斜面も緩やか、障害ヤブも無い、リラックスムードが漂う。
ちょっとした岩のヤセ尾根が出てくるが、困難ではない。一箇所これはちょっとというヤセ尾根が出てきた。(写真下)の先・・・ 幅は歩けるレベル、でも何かすぐ崩れそうな形状なのだ。少しヤセ尾根部分を進むが、危険と判断。(これがたそがれさんが右に巻いた箇所だったか)途中部分から右に巻くべく右下に降下、岩をホールドするとボロッとはがれる有様。一回踏んだ岩が崩れ落ちていく。盛大な音を立てて他の岩をも巻き込みどこまでも落ちていく音。恐怖感がわいてくる、潅木の枝につかまり、次の足か手の取りつき箇所を探すのにしばらく固まってしまう。途中ストックを落としてしまう。(幸い5mくらいで止まり、後に安全部分から回収)なんとか、数メートル進行方向にトラバースし下の安全部分に逃れ巻くことができた。この部分、最初から巻く部分に入って勝負すれば危険な思いをしなくてすんだように思う。この尾根、危険箇所はこのほんの数メートルのヤセ尾根のみだが、ここは本当に怖かった。




(写真下) 帰りの旧林道から見た、南東尾根、往路唯一の危険箇所と思われる場所。写真ではわかりづらいかも知れないが、樹林越しの尾根。その部分、稜線部分からずっと下までガレている、しかもここからだとほとんど垂直に見える。



ヤセ尾根をやり過ごすと、またも平穏な尾根に戻る。ところどころ紅葉が見ごろに、天気もいい、暑くも寒くもなし。尾根取りつき後1時間ほどで1490mピークへの登りが始まる。(写真下)樹林間の登りになり、斜度もかなり急になる、しかも結構長い。道型のない薄っすら獣道の登りを10分以上はがんばらなくてはならなかった。




1490mのピークからの尾根道は、まさに眺望のゴールデンコース。目指す社山で隠された部分を除き、360度の眺望だ。道は依然鹿道がうっすら状態、登り勾配もほど良いゆるさだ。 それに何より人が一人もいない、見渡す限り一人の世界だ。紅葉の景色を眺めながら静かな歩きは正にパラダイス状態だ。(写真下)1490mからの1564mピーク、社山




(写真下)社山阿世潟峠への尾根と遠くに男体山・・・,このあたりになると紅葉に目を奪われだす。早く先に進みたいのだが、写真も撮りたくなかなか前進できなくなる。



(写真下)半月山方面・・・



(写真下) 1564mピーク手前からの社山への尾根道




(写真下)お隣の社山南尾根が近づいてきた。この尾根ともいづれお付き合いしたい・・・




1564mピークを過ぎると、尾根はにわかに斜度を急にし始める。笹の斜面でどこを歩いてもいいような状態、一番斜度が緩やかになるようにジグザグに高度を稼ぐ。こういったルートによくある道型無しの斜面は足の乗せばが斜めなので、歩きづらいし疲労度も増す。高度を上げるにつれ、社山一般ルートの稜線がいい感じに近くに見えだす。今年は春から夏場にかけ山歩きをよくできたので、そのおかげで山スタミナが付いている。今日も実は結構調子がいい、昨日睡眠を充分とれたのも要因か、このペースならあと数時間の登りでもオッケーな感じだ。



振り返ると急斜面、その向こうに足尾の山々、後で知るのだがあの石塔尾根のどこかにたそがれさんがいたらしい。・・・(写真下)




(写真下) この地点で初めて中禅寺湖が見えた。この角度で見る中禅寺湖は初めて。




登っても登ってもの感じ、”もういいだろ”と思うとまだ上に高みが出てくる。(写真下) 依然急登状態は変わらず、しかし体力はまだ全然もっているので、気持ちよくは登れる。むしろ、初めてのこの尾根、ここまで気持ちよく来れた嬉しさがこみあげてくる。もうちょっとだ・・・。
(写真2つ下)目指す稜線上に赤黄のマークを見つけると、この尾根のゴールだ。たそがれさんご推薦のこの尾根、悪いはずがないとは思っていたが、予想通りのすこぶる良い尾根だ。危険個所1点を注意すれば、また時期をかえて来てみてもいい。景色が素晴らしいこともあり、気分は清々しい。
頂上には先客が3人、他は誰も来ない。静かなひと時を撮影、食事などをして過ごし下山開始、阿世潟峠を経由し旧道を足尾に下るルートだ。



(写真下) 一般ルートへの合流点、マークが見える。



(写真下) 頂上付近からの足尾方面、絵の左の尾根が今来た尾根、右の尾根が南尾根・・・

 (写真下) 頂上付近から黒檜、大平山方面・・・


(写真下)下山ルートから中禅寺湖、稜線の木々は紅葉・・・

(写真下) 私の好きな風景、左の白根から太郎山までの大パノラマ・・・

 (写真下) 振り返ると先ほどまでいた社山頂上(遠くの稜線が南尾根、手前の稜線が南東尾根、かなり急角度なのがわかる)


山頂から40分強で阿世潟峠に到着。 (写真下)ここからはルートを南に折れ足尾に向けて旧道を下る。主に長手沢沿いのルート、現在は廃道化しているようだ。途中古い林道に出るがその林道も崩壊が甚だしいらしい。何やら、宿堂坊山のネギト沢を思い出してしまうが、あそこは私の未熟さゆえにいろんな意味でてこづった。ルートを辿れるか多少の不安、かすかな緊張とともに下り始める。道は最初、雑林の斜面をくだる、尾根筋でなく、沢の上部斜面を下り続ける感じ。(写真下2)峠から15分ほどで一度沢を渡り、その後2、3回沢を渡り返す。その都度多少のルーファンが要求されるが、よくよく確認すれば問題なかった。峠から30分ほどで旧林道に出る。(写真下3)心配していた沢沿いコースのルート取りも無事でき一安心、噂どおりに見事に荒れ果てている林道を延々1時間半以上歩きスタート地点まで戻った。
最後まで、天候は良好、社山南東尾根は渋く好きになれた良尾根でもあり、最後の沢旧道コースはどうと言うことは無かったが、これも有る意味旧道を訪ね歩けた達成感を得られたことを考えれば貴重な体験だった。それにしても足尾から巨大な竜がのたうっているように天空の頂に伸びる、社山や大平山の長大尾根をみていると、足尾の奥深さと、山のでっかさを感じる、そして遂にはそれらの尾根への登高意欲が沸き起こっている自分に気づくのであった。
最後に、社山大日崎尾根に続き、社山南東尾根を私に知らしめてくれたたそがれオヤジさんに深く感謝したいと思う、たそがれさんの情報が無ければ一生これらの良い尾根に行くことなく山人生を終わらせていたかも知れない・・・
■■

 (写真下2) 阿瀬潟峠からの下山ルート。

(写真下3) 林道への出会い地点



(写真下) 旧林道は歩く人もまれなはず、鹿の往来はあると思う。路面は深く苔むす。




スタート地点付近から後ろは中倉山か、(写真下)今日もいい山歩きだったと思う。


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6 コメント

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南尾根 (たそがれオヤジ)
2012-10-09 22:16:52
こんばんは。予告記事を拝見し、あれっ、ちょっと時間ずれたら、ななころびさんと遭遇かなと思っていましたが、私は、その間に、さっさと帰っていたのですね。正直のところ、そうと知っていたら、お会いできずに残念です。また機会ですね。
さて、早速、後追いしていただき、うれしい限りです。人の後追いはしても、後追いされることはめったになく、むしろ光栄ですよ。
それにしても、私よりも早歩きですね。夏のスタミナが残っていたとしても、大したものですよ。特に、後半の登りでは、私の場合、かなり消耗していました。
あのキレット、下りすぎたようですね。渡る前によく見ると、うっすらとシカ道が見えたので、ほんの数m下っただけで済みましたよ。しかし、見上げた時の写真、あそこの部分ですか?すごいなぁ。まったく、自覚なしでした。

実は、ななころびさんは、日光周辺に行かれるだろうから、日光側の紅葉状態が分かるかなと期待していましたが、もう少しのようですね。かすかに見える八丁出島の色付きは感じませんね。あと2週間くらいでしょうか。それに合わせて、また、足尾方面から、半月山周辺の紅葉見物にまいる予定でいます。
ななころびさんは、次回は湖上山ですか?足尾側も、社山のバカ尾根をぜひ試してください。南東尾根だけでは片手おちですよ。
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日光の紅葉 (みー猫)
2012-10-09 23:02:10
こんばんわ。
目標達成のひとつ、お疲れ様でした。しかも、たそがれさんとニアミスだとは実に奇遇ですね。最後の写真、時間差だけのようにも見えますよ!お天気も最高だし、さぞかし気持ちが良かったことでしょうね。たそがれさんのご質問の紅葉ですが、日曜日に帰路、中禅寺湖を通過しましたが、まだまだのようでしたね。金精峠の群馬側は、菅沼あたりまで綺麗なところがありました。
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旧道 (ハイトス)
2012-10-09 23:28:29
面白そうな尾根です。
井戸沢右岸尾根も行きたいし、最近候補地がたまりすぎておりますよ。
もどりの旧道はあっさりと見つけられたようですね。
自分は道を失ってしまいうろうろしてしまいました。
たそがれさんもご推薦のバカ尾根は自分もお勧めします。
こちらはスリルのあるような場所は無いのですこしつまらなかもしれませんが、気持ちの良い尾根歩きが出来ます。
それにしても隣に駐めていたとはなんともですね。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2012-10-10 14:55:05
こんにちは。すぐ隣に駐車でしたか、面白いですね。私はいつもあれに乗っております、山間部で威力を発揮する相棒です。
コースタイムがいつもの自分より多少早いのは、あの日はかなり体調がよく絶好調に歩けた為だと思います。
あのキレットは途中からですが、私もほんの数メートル下で巻いたのです、それでも巻きに入る最初の下りでかなり危険な目に会いました。
紅葉は確かに半月山周辺ですとあと2週間くらい先がいいかと思います。また新ルート開拓ですね・・・
私はもう次の尾根に行きたくなっています。社山南尾根も有力候補ですね。今回は南東尾根を教えていただき本当に感謝しております。
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みー猫さん (ななころび)
2012-10-10 19:26:36
こんばんわ。みー猫さんとお会いした時も奇遇の連続でしたが、たそがれさんとの超ニアミスもまさしく不思議な縁を感じます。なぜなら、この南東尾根を教えてくれたのがたそがれさんだからです。
今回の登山で足尾の山、より好きになりました。
奥日光の紅葉情報ありがとうございます。これからは、紅葉情報に注意しながらの山行計画が重要になります。ゆっくり今年の秋を楽しみたいですね。
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ハイトスさん (ななころび)
2012-10-10 20:37:53
こんばんわ。行きたい候補地が有りすぎの件、私も同様です。山を歩くのが面白くってしょうがない感じです。
今回鳳凰三山も候補だったとか、私も7,8日と行くつもりだったのです。鳳凰三山でハイトス隊と出会ったら、ハイトスさんとわかるかなー?人が多いですからね。
もどりの旧道でハイトスさんが引き込まれた間違い道へのポイントなんとなくここかなとわかりました。復路のルート、普通の視点だとなんでもない道なのですが、間違ったり、ルーファンしどきどきしたりして非常に楽しいルートにもなりますね。
南尾根はハイトスさんのレポ、もうすでに20回以上見てます、スリルなど無いほうがいいので早く行きたくてうずうずしてます。
たそがれさんと駐車隣合わせは、偶然すぎて笑えます。
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