
入山日 2012年10月20日 その1からの続きです。 (仙ノ倉山手前から、平標山を望む、遠くに苗場山)
コース脇の草に氷のしっぽが付着していた(写真下)、谷川方面から縦走してきた青年グループが言っていたが、昨晩強風がすごかったらしい。強風と夜間の低温がつくりだした産物のようだ、草、樹林、階段、かなりの箇所に霧氷状の氷があった。
進行方向(東側)、仙ノ倉山の斜面の向こう側にエビス大黒の頭1888mが姿を現す。(写真下)今までの樹林帯や草原のコースとはかけ離れた荒々しい姿、急峻な姿もあり目を奪われる。その1888m峰も谷川岳への縦走路、そのピークへの稜線上にコースが走るのが見渡せる。1888m峰への登りは相当きついのではないだろうか。そんな思いとは裏腹に仙ノ倉山への道はあくまで穏やか、歩き出しから4時間近くなるが我々栃木隊は快調。今回もここまで「登りはもうイヤ」の状態には一度も陥らずにすんでいる。
(目の前に、仙ノ倉山のピークが、遠くを眺めるYさん。)
10:30 歩き出しから4時間ちょっとで仙ノ倉山山頂に到着。先客は数名ほど、この山のすばらしさからすれば少ない数だ。風は相変わらずの結構強めなのでここで食事をする気は起こらない、簡単なエネルギー補給とあとはもっぱら写真撮影。時おり、まばらに登山者が到着してくる。
ここの眺望はなんと言ったらよいか言葉にならないくらい素晴らしい、360度関東信越の主だった山々が一望できる。あまりの景観の心地よさに、頂のあちこちから感嘆の声が上がる。「なんか、空を浮遊してるみたいだね。」結構若めの男性が友達と話している、その時の正直な感想なのだろう。歓声をあげているのが、山のおばちゃんグループならよくある光景なのだが、男性が多い山頂での彼らの感激の声の多さ・・・、結構いろいろな絶景を見てきたが、珍しい瞬間であった。そのくらい素晴らしいひと時だ。
Yさんはと言えば感激も一巡したのか、一緒に歩き出した若者グループに頼まれもしないのに山名などを教えている。往路の松手山にいる時にも数人に「富士山が見えますー」などと教えて回っていた。(笑) 20分ほどで寒さも出てきたので、いつまで眺めていてもいいくらいの眺望に別れを告げ平標への道を戻る。
(仙ノ倉山頂から見た東側、縦走路からの谷川連峰)
(うちの相棒さんは若者グループ3人を相手に山名などを教え中)
(仙ノ倉山頂は感嘆の声が湧き上がる・・・)
(仙ノ倉山頂からの北東、新潟方面、巻機山、越後三山と谷川連峰など・・・)
(仙ノ倉山頂からの西側、来た平標山と向こうには苗場山・・・)
(平標山に戻ってきた、平標山頂までもう少しの所から来た仙ノ倉山を振り返る・・・)
11:30 平標に戻る、歩き出しから5時間強。ここからは従来の予定通り紅葉期待の大源太山への尾根を目指す。(写真下) 平標からの下りは主に木の階段、傾斜はほどほど、決して急ではなく歩きやすい。延々と木道や階段の下りを進む道、平標の名物だ。
(平標からの下りルートから平標山を振り返る、巨大、雄大、おおらかなどの言葉が浮かぶ・・・)
(東側、仙ノ倉山の斜面の紅葉とその向こうにエビス大黒の頭・・・)
(平標山の家が近づく。)
平標山の家が近づくと、その周辺から大源太山にかけて紅葉が凄いことになっているのがわかりだす。山の家は紅葉の中にたたずむ感じだ。
山の家の前には今来た二山を正面に望める絶好のロケーションのテラスがある。そこでゆっくり30分超えの食事タイム、前回来たときはここから普通のアングルで仙ノ倉山を撮影したが、あまりに山が大きすぎ、すごくつまらない写真となった。今回はその反省を踏まえ下の写真を撮影した。(写真下) 今回はどうだろうか、自分としてはまあまあ気に入っている。
休憩後、大源太山へ向けて出発、ここまでほとんど疲れなしの好調は持続、コースを地図を見て計算、暗くなる前にスタート地へ戻れるのを確認。Yさんの意見を聞くと「行こう」と言う、Yさん相変わらずタフだね。Yさんに調子を聞くと、今日は6時間歩いたここまで全く疲れなしとの事、実は私も同様なのだ。なぜかYさんとの山行では私は調子が悪いことがない。疲れなく歩けるし、標準タイムより30%くらい早く歩けることもある。同じくらいのレベルの人と同様のペースで歩くと歩きやすくなるのだろう。
山の家から大源太山へ分岐への稜線歩き約45分はまさに紅葉の並木コース・・・。ここに来てかなり雲が日差しを隠しているが、お構いなしの綺麗さ。これで晴れならどんな写真が取れるのだろうか。
(左:平標の斜面、 右:仙ノ倉山)
(大源太山とそれに続く稜線・・・)
(大源太山に続く稜線から見たエビス大黒の頭・・・)
(2時間ちょっと前にはあそこにいた・・・ 仙ノ倉山)
(紅葉の向こうに谷川岳への縦走路・・・ )
(大源太山の斜面・・・、一面紅葉の真っ盛り)
(大源太山が近づいてきた。左のピークがそれ・・・)
(もうすぐ大源太への分岐・・・)
南方向への三国峠への縦走路を離れ、分岐からは東方向、大源太山への直登りルートをなだらかに行く。このルートも淡い紅葉のトンネル。Yさんも自分も感嘆の声のあがりっぱなし。(写真下)
13:40 山の家から1時間弱で大源太山山頂に到着。うーん、ここも素晴らしいではないか。平標に行く人の何割がここまで来るのだろう、かなり少ないようだ。谷川連峰方面が仙ノ倉山からよりも良く見える。眺望も良し、紅葉も文句なし、尾根ルートもシブ好みの良尾根だと思う。
たそがれさんも三国峠からのルートは推薦されていたが、Yさんとそのルートを歩くのも今後の目標に入れるなどと話しながら時を過ごす。15分ほど眺望を楽しんだ後、時間も気になるので下山開始、先ほどの山の家まで同じ道を戻る。
(大源太山山頂からの仙ノ倉山方面・・・)
(大源太山、山名板・・・、私のヤブ用じゃないほうのザック(赤)とYさんのザック(右)・・・)
(大源太山山頂からの谷川連峰方面・・・)
(大源太山山頂から三国峠方面への縦走路を望む・・・)
(山の家、大源太山分岐間,道端でで見つけた、かわいい)
(平標山の家への稜線・・・、前方に平標山)
山の家からは、平元新道を西方向に下山する。山の家テラスには本日宿泊するのだろう、3時前なのにもう男二人で宴会をはじめてできあがっている人もいた、そういうのもいいな。
平元新道を下り初めてすぐ高齢男性4人?グループとすれ違う、70歳超? さすがに登りできつそうだが、息は上がっていない。ゆっくりだが着実に歩を進める。今日は山の家で宿泊し旧交を温めるのだろうか。この山に今日来て感じたのは、男性の高齢者登山者が大勢いたこと、それも単独者も結構いたこと、そして中には自分達より健脚者も数名いたことなどだ。今の自分の体力をもっと強化したい、今日会った高齢者のかたのように、あの年代までも楽しく山歩きがしたいなど新たな目標もできた。
平元新道も、そしてその後歩く1時間の林道さえも最後まで抜け目なく紅葉を披露してくれる。最後の最後に駐車場への近道で歩く沢沿いの迂回路でさえ目の覚めるような錦の回廊だ。今日1日休憩も入れて行動時間10時間、時間は長かったが山全体が素晴らしくあっと言うまの1日だった。今日という日は大袈裟でなく末永く思い出に残る山行となるであろう。 ■■
(平元新道の紅葉・・・)
(平元新道の紅葉 2・・・、この写真、自分はすごく気に入っている。自分の写真じゃないみたい。Yさんのポーズもいい、偶然撮れた。)
(林道の出会い地点にあった石碑)
(林道をテクテク1時間、頭上の紅葉のおかげで飽きが来ない・・・)
(林道の風景 その2)
(最後の沢沿いの近道? 最後の最後まで綺麗、きれい)
お疲れ様でした。いつの時期も、大空間を感じる気持ちが良い場所ですね。春と夏と残雪期は行ったことが有りますが、秋はありません。同じように秋の素晴らしい景色を眺めてみたくなりましたので、来年以降の候補に入れさせていただきますね。あと、谷川からの縦走、お済でなければ是非一度お勧めしますヨ!ちなみに日白山のずっと向こうがタカマタギ山です。
大源太山もこの時期でなければ、ただのフツーの山でしかないのですが、この時期ばかりは存在感がありますよ。また、その先に行き、三国峠から稲包山に行きますと、これもまた紅葉の斜面が続きます。機会がありましたらお試しください。
それにしても、ななころびさんはタフですねぇ。
みー猫さんのコメント内、”谷川からの縦走”のお言葉で俄然やりたい気持ちが高まりました。でも、私は谷川岳のピークすら踏んだ事もないので、周回ルートのほうが先のような気がしています。
日白山、タカマタギ山周辺、全山真っ赤でした。この時期その尾根歩きができるとしたら最高だと思います。ネットでざっとみるかぎり、残雪期の記録以外ヒットしませんでした、みー猫さん行ってきてみてください(笑)。
私タフですかねー、私がタフなんてみー猫さんやまして烏ケ森さんに笑われてしまいそうで恥ずかしいです。この日はなぜか絶好調で、最後までストレス無しで歩けました。同行者のおかげのような気がしています。
http://blog.goo.ne.jp/mailaddress-1234/e/15f713ec291129888a420ec505b7a1a0
です。あちこちから行けるのですが、三国トンネルの手前(群馬県側)に駐車し、一旦、三国峠に出て、左(北)に行けば、三国山、大源太山に至ります。峠のちょっと手前の標識を右(まさに南西)に行けば稲包山ですが、これを行くと、ササヤブの地獄です。標識のかなり手前に、右に入るしっかりした踏み跡があり、これを伝えば、地獄の先の鞍部に出られて、あとは楽勝です。
2年前の記事ですけど、改めて見直し、また行きたくなってしまいましたよ。まだ、紅葉は何とか持つのを期待したくもなります。
稲包山の他に、西上州に「稲含山」というのがありますから、混同しないように注意ください。
本当に、余計な参考までに。参考ついでに付記しますが、紅葉の斜面は、越後湯沢の方から入ってしまうと、余計な歩きになりますから、紅葉目的の時期には、お薦めはいたしません。
パーキングすべきところは、三国トンネルの群馬県側ではなく越後湯沢側でした。群馬県側でもいいのですが、こちらからは歩いたことがないので、路もって行けるでしょうが、人様にアドバイスできる立場ではありませんわ。
昭文社の地図を引っ張り出していろいろ眺めてしまいました。稲包を経由し赤沢山までいくのも面白そうですね。そこから東に下ると法師温泉経由で車道歩きをするようですね、そうすると駐車地はトンネル手前群馬側のパーキングのほうがよいのか、いろいろ考えてしまいます。早めに行けると良いのですが、今週末は天気が??・・・。気持ちの良い紅葉歩きのできるのは来年ですかねえ、新緑時期や初夏もよさそうです。
今回も昨日に続き貴重情報をありがとうございました。
新潟方面を見渡すとこれまた山々が連なっており、群馬栃木の次は新潟がおいでおいでをしているようです。
新潟は範囲も広いので新潟方面のたそがれさんのような人(これは個人的に受けましたよ。思わず笑ってしまいました)が何人も開拓されているのでしょうね。
将来新潟へ繰り出すときの為に新潟の低山藪山というマニアックな本を買ってしまいました。(笑)
平元新道の紅葉2の写真ですが、自分もこの写真はいいですね。
仰るとおりYさんのポーズが自然ですし、中々良い構図です。
こうしてきれいな一般ルートを歩いていても趣向ガラと言いますか、行けそうなヤブ尾根を観察してしまうのが最近習慣になっておりまして、今回も相棒にあきれられえています。
新潟の低山藪山というのは、凄いですね。栃木群馬版があったら即買いでしょう。たそがれさんとハイトスさん共著でどうですか?
あの写真、もう少し晴れてればと思いますが、それでも好きです。Yさんも気に入ってくれるでしょう。