日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

やぶ尾根からお山めぐりコースへ、今年も小さな姫には巡り逢えなかった    庚申山/ 笹見木沢右岸尾根から

2015-07-09 02:05:26 | 山行

2015年6月28日(日) 曇・晴れ
6・28は只見方面のまだ残雪の多くあるであろう山にヒメサユリを見物にいくつもりでしたが、そちらの方面の天気予報がかなり劣悪だったので、決行を自粛して急遽計画変更をしました。
栃木のほうがまだ幾分天気予報はましなようです。曇予報が主体なら、雨が降ってもたいしたことはないでしょう。
この日のテーマは、まだちゃんと生で観たことのない?コウシンソウを見ることと、未知尾根歩きを一つすることです。ヒメサユリは大きくて鮮やかな花ですが、コウシンソウの花は小さな目立たぬ小さな姫さまです。コウシンソウの咲く時期より遅いのはわかっていましたが、ダメモトです。未知尾根とはタイトルにある尾根で、たそがれさんと野球親爺さんの両オヤジさんの記事の後追いです。

出発準備をしていて、またコンパスを忘れたのに気づきます。一瞬一般ルート歩きに切り替えようと思いましたが、地形図をみるとまず登るだけなら問題ないと判断します。GPSのトレースがあれば最悪の場合でも、元来た尾根には戻っていけるでしょう。
(林道からみるお馴染みの風景。なな”が最初にこの山に来た時(20年以上前)、あのトンガリ山のてっぺんまで真っ赤な景色を見て、この山の虜になりました。今思えばあのピークは銀峯か、その前衛峰ではないでしょうか。)


コース;銀山平p 7:02 --- 笹ミキ沢右岸尾根取りつき 7:39 --- お山めぐりコース合流 9:45 --- お山めぐりコース終点(起点)10:57 --- 山頂部 11:34-11:42 --- 山荘分岐 12:42 --- 一の鳥居 13:44  --- スタート地点へ 14:42 
よく覚えている笹ミキ沢の橋の付近で10分ほど前に出発したご婦人2人組みに追い付きそうになり、歩速を少しゆるめて少し離れたところで、尾根にとりつく。取りついた場所は確かたそがれさんの記事で読んでいた、沢の橋を渡って石の擁壁があって、それをやり過ごして途切れたあたりから。
(石積み擁壁の切れた場所からは、いかにもここからやぶ尾根に取りつける感のある末端部分が確認できました。そこから取り付きましょう。)


初めは、木に捕まりながらの斜面急登を少しだけします。やぶ尾根登りのスタートは、こんな感じです。すぐに尾根上にでられました、障害やぶもない平穏な尾根が続いている雰囲気です。コンパスなしなので、用心して進んでみましょう。何か問題発生したら、すぐ撤退で一般ルート歩きに切り替え予定です。


尾根に取りついて20分も経たないで、急登地点が始まります。地形図を見て2,3度急な登りは覚悟していましたが、それでもかなり急な傾斜が続きます。(p ↓) それでも、どうしようもない岩場や、障害やぶが出てくるわけでもないので、気持ちよく登って行けます。そういえばルートのない尾根を歩くのは、結構久しぶりのような気がします。


急な登りも長くは続かず、尾根は緩やかな状態になります。(p ↓)こんな感じの尾根あるきがしばらく続きます。



尾根の草付きの地点なんかでは、しっかり踏跡が確認できます。(p ↓) 登山者がそう歩くとも思えない尾根なので、鹿道なのでしょうか。それともなにかの作業道なのか、でも植林も近くには無いし作業すると言っても・・・。鹿のフンが沢山あるので、やはり獣道なのでしょう。



尾根を45分くらい登ってきて、進路左にとなりの尾根が見えてきます。(p ↓) ピークが確認できますが、あの尾根は銀峯へ続く尾根でしょうか。右手には笹ミキ沢左岸尾根と思われる尾根も見えています。


また少し登ると急登区間です。(p ↓) ここまでルーファンに全く不安無しで、尾根を上に向かって進むだけです。万一の撤退に備えて、時々振り返って、地形を確認したりしながら進みます。本当はやっちゃいけない事ですね。



尾根に入って90分、だいぶ上がってきた雰囲気です。進路左に顕著なピークが見えてきてきます、塔の峰でしょうか。意外と近く感じます。


途中一度だけ、悩みの尾根分岐があって、左に行かず直進を選択です。周囲の視界からの判断でした。
コンパスが無いのと、夢中で登っていたので、どこが1462pだったのかも確認しないで、周囲が少し切れ落ちている小ピークに立ちます。そこから、一旦急に下っていくようです。大きく下る局面は、地形図では読み取れていなかったので、進路に対し少々不安になってきます。たしか、野球親爺さんも急に下ったとか書いてあったな、とか考えながら進みます。下りは急でしたが、そう長く下らず、また緩やかに登る尾根に復帰です。
途中杭と看板が出てきて、そこには尾根を横切る薄い踏み跡があったので、舟石新道なのでしょう。そこを一度は歩いているはずですが、全く記憶にありません。
(お山めぐりコース合流付近にも、薄く踏み跡があります。)



進路左前方には庚申山山頂直下の岩壁が見えてきます。



尾根を2時間ちょっと登って、お山めぐりコースに合流しました。意外と時間がかかりました。磁石なしで、何もトラブルがなくてよかったです。ここから、お山めぐりは一度だけ歩いた事があるので、もう問題ないでしょう。


巨岩が連なっている岩場の下を横切ります。岩のすぐ下にはまだ、コウシンコザクラが咲いていました。


コウシンコザクラと言っても、どこが固有種の特徴なのか全く知りません。まだ、残っていてくれてラッキーでした。この時期の庚申山はほとんど来たことがないので、自分の目には新鮮です。


基本、気をつけていけば安全なコースなのですが、こうやって写真にすると危うい感じがしますね。落石があった場合のことも考えると、ヘルメットをしたほうがいいと思いました。


(ここの景色のことは、数年前の記憶でもよく覚えていました。岩壁を展望できる痩せた地点。)



岩壁の脇を縫うように進むコース。木陰のくらい森の中でこれがたくさん咲いていました。


岩を回り込んで歩いていると、単独のご婦人とすれ違いご挨拶です。この日、山中では最初に会った人です。「この先でコウシンソウ見られました?。」と尋ねられました。そのかたは、まだコウシンソウを発見できていないようですので、私もこの先見るのは難しそうです。
(唯一の長ハシゴ)



めがね岩、鼻毛通しよりは、カワイイ名前ですね。


なんとかキンポウゲでしょうか。日当たりの良い小さな沢沿いにいくつも咲いています。


ルートは大岩の裾を縫うように巻いていきます。6年前にY姉さん達と歩いた時は一箇所だけ、落ちたら死ぬなと思った横ばいの地点がありましたが、今回そう思った地点はなかったです。
コースが整備されて、歩く手段が変わった為でしょうかね。


岩カゲの暗い場所で咲いていました。数は少なかったです。咲いているのか、つぼみなのか??。


岩陰や斜面に咲く小さなお花を、地べたにへばりつくように撮影したりしていたら、思いのほか時間を費やして、お山めぐりと標準ルートの分岐に着きました。1時間10分も楽しんでいたようです。
一般ルートの登りは、それこそ10回以上も通った径。それでもハシゴ、鎖も出てくるし、結構急であるし、簡単には山頂に立たせてはくれません。
(お山めぐり後の一般ルート、急登地点が断続的に現れます。)


歩き始めから4時間30分かけて山頂到着です。庚申山としては、考えられない経過時間ですが、ヤブ尾根とお山めぐりを経由したので、仕方ないでしょう。ここまで、出会った登山者は10人程度、静かな山ある気ができました。


山頂に近づく頃から風が強まってきました。展望台に行くと、じっとしているのも辛いほどの強風に当たるので、上部が隠れた皇海山や県境尾根方面の撮影だけして、すぐ退散です。


下りは、一般ルートで降りましょう。雨の心配もなく、下るに連れて、日差しもまた出てきました。今日は足尾の山を選択して正解だったみたいです。
(巨岩のしたをえぐった径を進みます。)



それなりに、危険箇所もあって、一般ルートでもバカにはできない内容です。結局コウシンソウは見つけられませんでした。一般ルートの少し脇の方に2,3咲いていたらしいですけど。・・・


オダマキ。


これは何でしょう、水滴のぼたぼた滴る巨岩の下に咲いていたので、こんな写真になりました。


その巨岩って下から観るとこんな感じです。行ったことがある方は、なんだあそこかって所です。今日は、最近天気がはっきりしないせいか、いつになく水の滴りが多かったです。


庚申山荘の近くまで来ると、クリンソウの群落が咲いています。花の勢いとしてはちょっと終わりかけだったのでしょうか。それでも、この花をきちんと見るのは初めてかもしれません。もう花は終わっていると思っていたので、見られてよかったです。


庚申山荘からは、朝ほとんど同時に駐車地を出発した群馬からのおじさん二人組とお話しながら、ゆったり下山になりました。その行程は、岩場やお花がなくなる代わりに、頭上一面に綺麗なみどりが広がっています。群馬のかたは、まだ栃木の山に進出したばかりのようで、いろいろ質問され、知っていることについては、潤沢な情報を提供したつもりです。
(秋には、どんなに綺麗になるかしっているこの沢の周辺。また秋に来てみたいと群馬のかたも言われていました。)


ついでなので、林道も群馬おじさん二人と歩きます。今日登った尾根のことや、舟石新道のことをお話しました。
(丸石沢でしたか、この沢の脇の尾根は未だ歩いていません。次回はこの辺からかな、と思いながら林道を歩きます。)



6時間30分ちょっとかけて、戻ってきました。空は晴れて、日差しも結構キツめです。今日は土砂ふり覚悟でバッジ目当てに会津や檜枝岐に行って、雨の中のショート歩きをしようか、実を取って足尾でヤブ尾根歩きとお花を見るか迷いました。朝、運転中、会津方面をやめて足尾方面に向かう事を最終的に決断したのは、今市たまり漬や前の交差点です。会津をやめて足尾に向かった瞬間、バッジはもらえないのかー、との変な喪失感のようなモノが少しだけ湧きました。それって、依存性じゃありませんかね。人間、どんなものでも固執しすぎはよくない。依存性ってハードロックのオジーやモトリー・クルーのようなドラッグとかアルコールはもちろん、我々の世界でも、なんとか100山とか、目立ちたい行為とか、いろいろ・・・。 依存性と、情熱は紙一重だし、何がよくて、何が悪かなんて誰も判断できません。自分だけは、あまり固執しすぎる事には注意しようと思って歩いていて、最後にかじか荘の前に行ったら庚申山のコウシンソウのバッジが欲しくなって700円もだして買ってしまいました。俺ってどうしようもない奴ですね(笑。 コウシンソウが見られなかったのだから、コウシンソウのバッジの一個くらい勘弁してやってください。なんで皇海山のバッジは買わないんだって?。それは別の買う機会があるかもしれないからですよ。 ■■



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8 コメント

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こんなにお天気が良いなら・・・ (瀑泉)
2015-07-09 12:31:42
足尾まで出かけても良かったかなぁ。。。
この日は筑波山から足尾・日光を眺めた時には,厚い雲に覆われていたように見えたのですが,実際には,青空が覗いていたんですネ。
ナルほど,笹ミキ沢右岸尾根経由のお山巡りでしたか。
あの尾根を登りにネェ・・・下りに使うならまだしもですが,登りはキツそうで,おそらく今後も登りに使うことはなさそうですヨ。
舟石新道との交点,野球親父さんもそうでしたが,やはり下から登る分には,見落とさずに済むようですネ。
少し切れ落ちているのは,1462mピークの先の1440mピークだと思いますが,1261mピークにしても,1462mピークにしても,あっさりと通過してしまう感じで,判りづらいですよネ。
コウシンソウもさすがに終わってたでしょう。毎年のように,今年こそはと思うのですが,自分も,いつも見逃してしまいますヨ。
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報告したくて... (やぎ姉)
2015-07-09 16:08:18
こんにちは!
ななさんが行かれた1週間前に庚申山荘泊まりで皇海山に行ってきました。
初日に庚申山のお山めぐりをし、辛うじてコウシンソウを見ることができました。

皇海山アタック当日も朝方まで雨だったのでガス覚悟で登り始めると、庚申山からクッキリと勇姿を見ることができ、難関の六林班峠も突破し感激の山行となりました!

ななさんに報告したくて...
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瀑泉さん (ななころび)
2015-07-09 22:34:49
こんばんは。あの日は足尾も曇予報でした。山中なので雨ふりも覚悟していたのですが、意外にもよろしいお天気でした。
登りは確かに急(特に前半)ですが、中盤以降は案外歩き易い、平穏尾根だとも感じました。
舟石新道の交点、新道を歩いた時のその地点の記憶が全く無いのですよ。
コンパスを持たないで歩いたせいもあって、1261mピーク、1462mピーク共に、特に認識しませんでした。コウシンソウの花の残骸のようなものはあったのですが、自分は見れませんでした。見たという人もいたので、いい場所があったのでしょうね。
来年は、ドンピシャの時期を狙って登ってみようと思っていますが、その時はどのヤブ尾根経由がいいですかね?(笑 。
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やぎ姉さん (ななころび)
2015-07-09 22:45:35
こんばんは。コメントありがとうございます。
皇海山、達成おめでとう、結構充実感あったでしょう。
庚申山山頂から見る皇海山の形は、まさに異様ですよね、初めて見たとき、びっくりしました。皇海山の姿が見られて、よかったね。
皇海山に行くには、やっぱり東からのやぎ姉の行ったコースだよね。西側からピストンなんてありえない。
あの山域味があって、晴れていなくても味わい深いコースだと思います。
秋の庚申山も驚く程綺麗で、秀逸。(10月中旬過ぎ)気にかけておいたらいいのでは?。
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コウシンソウ (ハイトス)
2015-07-10 12:27:54
こんにちは。
おやま巡りは楽しいですよね。
せっかくでしたのにコウシンソウは残念でした。
時期的にもう遅いかな。
ちなみにあの花はコンデジで写真を撮るのが難しい。
是非来年にでもトライしてみてください。
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ハイトスさん (ななころび)
2015-07-10 22:12:52
こんばんは。
お山めぐりって、ちょっと栃木の他の山では味わえない雰囲気ですよね。
コウシンソウはコンデジではダメですか。来年は一眼を持っていこうかしら。
それにしても、コウシンソウとは、なんであの場所だけの固有種なのですかね。不思議ですね。
数年前まで、お山めぐりコースに、直登のヤブ尾根経由で歩くなんて、想像もしませんでした。(笑。
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庚申山 (たそがれオヤジ)
2015-07-13 06:00:11
こんにちは。昨日はお疲れさまでした。
私の場合、土曜日も足尾に参りましたから、さすが、2日続きの足尾はしんどいですね。
さて、コンパスもなく地図だけで右岸尾根を歩かれたようですが、すごいものですね。ななころびさんの嗅覚歩きでしょうか。
私なんか、コンパス見ながら歩いていても、例のところを左に行って立ち往生している始末でしたよ。
帰り道で、群馬県民のハイカーにこの右岸尾根を宣伝されたようですが、これからはお控えくださいな。歩く人もまれなままの尾根で残したいものです。
ななさんも、とうとう趣味はバッチ集めになりましたか。ところで、かじか荘に皇海山のバッチ売っていました?以前はなかったのですが。今度行ったら買ってきますよ。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2015-07-13 21:17:59
こんばんは。昨日はお世話になりました。慣れない事をしたもので、今日は筋肉痛マックスでした。
嗅覚歩きなんて、とんでもないです。例の場所は左かなと思ったのですが、目指す稜線が正面に見えたので、直進しました。あそこ以外は素直な尾根で助かりました。
コンパスを忘れる事自体、情けないことですが、昨日そのボロいコンパスが歩いてる最中に遂に破損しまして、皆さんには恥ずかしく言えませんでした。
群馬のかたに宣伝したわけでもないのですが、私の宣伝なんて、何の影響力もないですよ。ヤブ尾根の事を語っても、大抵はほとんど無反応、クマや蛇がいないですかとか、その程度です。
かじか荘では、庚申山のバッジを2種置いてあるようです。どちらもなかなかの出来でした。
山荘では皇海山のバッジもあるみたいなのですが、未確認です。バッジも営業小屋あたりでも、全部買っているとキリがなくなりますので、悩みどころです。

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