いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ベートーベン・ウィルス ♯17

2012年04月29日 | ベートーベン・ウィルス
全員そろって必死で駆けつけたフェスティバル会場。
しかし聴衆はぞろぞろと帰っていくところだった。
間に合わなかった……。肩を落とす面々。
スポンサーを申し出てくれていた会社からも、
もうチャンスをもらうことは出来なかった。
メンバーは、最後まで自分たちを待ってくれたカン・マエを見つけ、
感謝の言葉を伝える。
静かに車で去っていくマエストロ。

「みんなになんて言おう……」
ゴヌはどうしていいかわからない。
しかし、団員たちは落ち込むどころか、街中に即席の舞台を作り
公演の準備を始めていた。
「今宵限りの無料公演ですよ!」
ヨンギの元気な声が、広場に響く。
「ごめんね、公演に間に合わなくて……」
貸切バスまで用意してくれたジュンギに声をかけるゴヌ。
「いいんだ。仲間を見捨てて成功したって喜べない。
見捨てた上に遅れていたら、僕らの関係も壊れていた。
そんなの、楽しくないよ」
彼の言葉に、救われるゴヌ。
無料の公演は、大勢の聴衆に楽しんでもらうことができた。

家に帰って、カン・マエに頭を下げるゴヌ。
「先生の理想には遠いけど、オケを維持するか、
最後の公演を良いものにするか、一生懸命頑張りますから」
しかしカン・マエは、自分がクビになることを冷たく告げる。
「時間がないのですね。でも、最後までがんばります。見ててください」
ゴヌは寂しそうに、もう一度頭を下げた。

カン・マエの解任が決まった。
指揮者としてはクビ、しかし彼をそのまま市響の顧問に据えるという。
名声だけを利用しようとする、新市長の姑息な人事。
新任の指揮者は、各種名誉団体の要職を務めるだけのド素人らしい。
「経歴など関係ない。実力がすべてです」とカン・マエは言うが……。

市響のメンバーは、この人事に納得できず、新人指揮者を追い出してしまう。
もちろん、彼が相応の実力を持っているとすれば、話はまた違っていたのだが。
カン・マエは、団員たちを叱責するが、あれには我慢できなかったと
口々に言われ、それ以上叱ることもできない。
そして市響存続のためにもう少しがんばって欲しいと懇願される。

イドゥンの英才コンクール当日、ガビョンは息子夫婦に連れられ、
遠い老人用療養施設に連れて行かれることになった。
コンクールに出場し、演奏を終えた直後、ルミに頼んで
高速バスターミナルへ向かうイドゥン。
必死でガビョンを探すが、同じようなバスばかりで、見つからない。
出て行こうとするバスの窓にやっと、ガビョンを見つけ、
追いかけながら何度も叫ぶが、その声は届かなかった。
車中、一言だけ「イドゥン?」とつぶやく老人。
コンクールは、2位という素晴らしい結果だった。

新しい指揮者を締め出した市響の団員たち。
報復として、市長は団員の再オーディションを行うと通達する。
市長を呼び出したカン・マエは、曲を聴いて、
30秒の間に感想を5つ述べてほしいと頼む。
それさえしてくれれば、あなたの思うとおりにしましょう、と。

たった3つ、貧弱な語彙で語られる感想。
かわりにカン・マエの口からは、浮かび上がる様々な情景が語られる。
「あなたの寂しい人生には何も言いません。
ただ、ソクラン市に住む音楽を感じられる可能性のある人々を
あなたのようにしないでください」
穏やかながらカン・マエの強い言葉に何も言い返すことが出来ず、
ただ唇を噛み締めている新市長。

奨学金をもらい、学校に編入。にわかに忙しくなったイドゥン。
メンバーが少しずつ欠ける中、ゴヌの営業もかんばしくない。

「ゴヌはどうしてる?」
「先生が気にしていることを知ったら、ゴヌも喜びますよ。
やつは先生に認めて欲しくて必死です」
ヒョックォンにアドバイスされて、ゴヌをレストランに呼び出すカン・マエ。
そこで、ゴヌたちが「ガチョウの夢」という歌謡曲を演奏することを
知ったカン・マエは、怒って席を立ってしまう。

「再オーディション反対」を掲げて闘争に入った市響メンバー。
ヒョックォンは仲間と一緒に懸命に運動していたが、
新居を追い出されることになった妻の涙の訴えを聞き、
カン・マエに辞表を出すことにした。
「申し訳ありません。年をとると、なぜか卑怯になってしまう……」
寂しそうに言うヒョックォンに、答えるカン・マエ。
「不思議だな。あなたのほうが立派に思える。
自分のしあわせはいつも後回しで、家族を優先させている」
それは自分には出来ないことだ、と、敬意を表すのだった。

カン・マエ自身も、指揮者室の明け渡しを命じられていた。
それを知ったルミは急いで部屋に向かう。
部屋の前で、久しぶりに顔をあわせたふたり。
「先生、もうがんばらないでください。もう、見ていられません」
「私は大丈夫だ」
ため息をついてすれ違おうとするルミの腕を、カン・マエがつかんだ。
目を合わさず、そっと、ルミの手を握るカン・マエ。
その手を握り返すことなく、涙ぐむルミ。
そのまま別れていく、ふたり。

市響の存続について、喧々囂々の議論が交わされる審議会。
カン・マエも同席しているが、つと席を立ち、
ひとり悠々とヘッドフォンをつけて音楽を聴きだす。

緑あふれる庭園。
ゴヌとルミが、カン・マエと同じテーブルに着き、談笑している。
パンとワイン、果物、なごやかに食べて、笑い、幸せな空気。
別のテーブルでは、マウスフィルのメンバーが何人か、
ワインを飲み、語り合っている。
テーブルをまわり、みんなに声をかけるカン・マエ。
「楽しいんでいるかね?」
「ええ、先生、一杯どうぞ」
笑顔の、人々。
川を眺めているカン・マエの側に、ルミがやってくる。
「久しぶりに夢を見てらっしゃるんですね」
ゴヌがふざけて、バイオリンを弾いている。
「こんな日が来る?」
「……さあ、どうかな。もう自由にしてやらなくては。
お前たちのことも、自分のことも」
振り返ると、ルミはいない。

部屋でひとり、辞表を書くカン・マエ。

生活もあり、これ以上オケを続けることが難しくなったマウスフィルのメンバーたち。
涙ながらにヨンギが訴えるが、みんなわかっている。
「来週市民会館で、ガチョウの夢をやります。
その公演を最後に、このオーケストラは解散します」
断腸の思いで、みんなに解散を伝えるゴヌ。
とうとう、本当におわりを受け入れなくてはならないのだ。

企業主催の「希望音楽祭」で
「ガチョウの夢」を演奏するはずだった、マウス・フィル。
ゴヌは事務局に呼ばれて、「手違いだった」と伝えられる。
「市響のマエストロ・カンにお願いしたつもりだったのですが、
名前が同じなので担当者がミスをしてしまいました」
驚き、食い下がるゴヌ。
「でも、僕たちは練習したんですよ」
「ええ、しかしあなたの指揮では……経歴も無いし……。
10%は支払わせていただきますから」

キム係長に、ことの顛末を聞きだしたカン・マエは激怒。
すぐさま企業に電話をいれ、多額の謝礼金と、
無理難題の内部資料を提供するように命令する。
「ふん、提出してきたって、誰が引き受けるものか。
私の弟子を侮辱して傷つけるなんて、許さん!」

がっくりと肩を落とし、会社を出て行くゴヌ。
暗くなっても帰ってこないゴヌを心配して、カン・マエはメールを打つ。
「どこだ?」
ゴヌは庭先の石に持たれて、ぼんやり座っていた。
「近所です」
心配して、探しに出たカン・マエは、庭先でうなだれるゴヌに気付く。
「このあいだお話した、次の公演……
主催の会社に行ったんですが……
先生と俺を勘違いしてました。
俺ではダメだと。
みんなにも申し訳ないし、先生にも……
本当にすみません。俺の力不足で……」
我慢していたが、途中で涙がこぼれてしまうゴヌ。
必死にこらえながら、事情を説明する。
「いや、お前は立派だ。
たいしたものだ」

「すみません、先生」
カン・マエはゴヌを抱きしめ、背中をたたいてやる。
師の肩にもたれ、しゃくりあげながら、ぽろぽろと涙を流すゴヌ。

(つづく)

いつもは、2回目の視聴であらすじを追った後、
感想を書き出すのですが、今回はなんだか
今思っていることを書いてしまいたい、とゆーか、
すぐに2回目観られないよ……という心境ですよ。

前回の予告映像にあった、カン・マエがゴヌを抱きしめるところで
きっと泣いちゃうんだろうな~と思っていたのですが、
もっと前から涙が出ましたよ……。

ヒョックォンソンベが辞表を出しに行くでしょ。
あの時、カン・マエがすごい優しい顔するじゃない。
「あなたのほうが偉いと思う」って。
信じられないよね?
もうここで涙がぽろぽろっと来てしまってさ。

そしてその後、あの夢のシーンで
しゃくりあげながら、泣きに泣いたさ。

すごく幸せなシーンなのに、
なんでこんなに涙が出るんだろう?


まだきちんと見直してないから、うろ覚えなんだけど(すごい泣いてたし)
カン・マエは「いつかこんな日が来るといい」とか言ってなかった?
今はまだ無理だけど、きっとそういう日が来るってニュアンスで
言ってたような気がするんだけど、どうだったかな。
それで、彼らも自分も解放してやらなくちゃ、と言ってたよね。

私は見ていて、幸せすぎて泣けたというか、
こんな世界を、あのカン・マエが心の中では望んでいたことに泣けた、というか、
先生は、こんなにも幸せで美しい世界を欲しがってるのに、
それは絶対に手に入らないものなんだ……と思って、
すごい泣けてきたの。

カン・マエには、絶対に手に入れられない世界なんだと思っちゃったんだよねー。
でも、本人的には、自分が変わっていってるのを知ってて、
いつかそういう世界を手に入れたいし、手に入れられるだろう、ということなのかな。
それが今じゃない、というだけなのかな……。



ハイ、今、見直してきました!

あああああああああああ、
「いつかこんな日が来ますか?」
「(ううん、と考えて)……さあ」ってやりとりだった。
でも先生の「さあ」は、原文でいうと「まだ」って感じだった。

この「まだ」ってニュアンスが、初見の時の強い印象だったみたい。
2回目3回目見ると、先生の表情はなごやかだし、悲壮感なんて無いよね。
ちょっとだけ、いつかこんな日が来るような気がしてきた。
だからもう泣かないよー。

このシーン、ヒョックォンソンベやアジュンマら、主要メンバーいないね。
そのことにあまり意味はないと思うが。

ルミとゴヌが最初に出会った頃のように親密で、仲がいい。
先生は、そんなふたりが好きだったのかな。
物語が進むにつれて、ルミが大人になってきちゃって、
あの屈託の無い笑顔が見られなくなってたから、
ここで見られて、なんか懐かしく嬉しかった。
先生も、あんなルミの笑顔を見たいんじゃないかなー。

しかし、先生がゴヌを呼び出したレストランもそうだけど、
洒落てるよね。
間違っても居酒屋なんかじゃない。
さすが欧州生活が長い先生だけあって、ステキです。
もうゴヌなんか、メニュー見たって何がなんだかわかんない。
「軽いものを」ってオーダーは、実は正解と言うかセンスいいような
気がするけど、先生は「一番安くてまずいものを!」とか意地悪い。
自分はロブスター山盛りみたいなの頼んでるくせにさ。



そもそも「どうしてる?」って直接聞いてやって、
ゴヌを喜ばせてやるつもりの会食だったというのに……。
せっかく自分から歩み寄ってやっても、あまり嬉しそうでもなく、
歌謡曲なんかやるつもりのゴヌに、またもやヘソを曲げる先生なのだ。
しょーがないなー、もう。

先生がルミとすれ違って、手を握るところ。
ルミは握り返したっていいと思うのだけど、どうしてされるがまま?
先生の真意がわからないから?
もう離れるって決めたから?
なんか、ルミのほうがかたくなに距離を取ってる感じがしたんだよね。
なんでかなー、ちょっと私にはわからなかったな。

カン・マエも、ほんとに変わったよね。
戦い方が穏やかになったよ。
新市長にもさ、あからさまな攻撃はしないじゃん。
ある意味、究極の嫌味かしれないが、
とりあえず感想には、きちんとうなづいてあげてさ。
彼もさすがに感じるとことがあったかな、と思うんだけど。

サイドストーリーとして、ずっと生きていたイドゥンとハラボジの話は、
とても現実的な収束を迎えて、良かったと思う。
新しい可能性が開いた彼女の進む道には、
ハラボジは寄り添っていけないし、ふたりは離れるしかないものね。
最後につぶやいた、イ・スンジェ氏の演技が素晴らしくて。
おかしな出会いをしたふたりだったけれど、
お互いが出会うことで救われたんだよね。

このまま、マウスフィルも解散。
ヨンギヒョンが、終わりたくなくていっぱい言ってたね。
「カン・マエに怒られても楽しかった」
「ゴヌがロボットみたいな指揮をしてた頃も楽しかった」
いろんなことがあったけど、振り返ってみたら楽しいことばかり。

あー、そんでやっぱり最後の抱擁は泣けたー。
最後の最後で同姓同名のためにこんな目に会うなんて……。
ゴヌは全然悪くないのに、先生にすみません、すみませんってすごくあやまって……。
もう、子どもみたいに泣いてしまうゴヌがせつなくてさー。
先生も「私の弟子を傷つけるなんて許さん!」て不動明王尊みたいになって
わけわからん資料を要求したりして面白くて。
自分が傷つけるのは平気なくせに何いってんだか。

でも、どれだけゴヌを大事にしているか、よくわかりました。
日本語で言う誤解を恐れずに言えば、どれだけゴヌを愛しているか、
すごく先生の愛が実感できたです。
ゴヌもそうだったと思うのよ。
背中ぽんぽんされて、嬉しかったと思うな~。
肉体的接触を嫌がる先生なのに、
この時ばかりは抱きしめずにいられなかったのかと思うと感無量。

ガチョウの夢、なんとかゴヌに指揮させてあげられないかな……。






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