いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

猟奇的な彼女

2014年11月24日 | 韓国映画
韓国映画といえば、これでしょう!
「私の頭の中の消しゴム」と並んで、
誰もが一度はどこかで聞いた覚えのあるタイトルかと……。

有名な作品なのですが、未見でした。
この際、観るべきでは?と、ラブストーリー苦手でしたが視聴いたしました。
恋愛ドラマは好んで観るのに、恋愛映画は苦手なんておかしいですけどね。

《あらすじ》

無事に兵役を終え大学に復学したキョヌは、
今にも線路に落っこちそうになっている酔っ払い女を助ける。
べろべろに酔っ払い、電車の中で吐いてしまった彼女。
彼氏と間違われ、仕方なく介抱するのだが、それが運のツキだった。

タメグチに暴力。わがままな彼女に振り回されて困惑するキョヌだが、
だんだんと彼女の魅力に取り憑かれてしまい……。


あらすじはこんな感じです。

ネタバレなしで申しますと、とっても面白かったです!
恋愛映画として、笑えて、切なくて、最後はキュンとして、いい映画だと思いました。
ラストもそうなんですが、「セオリーをぶっ飛ばせ!」みたいなところもあり、
そのくせ「王道だぜ!」みたいな演出もあり、いいバランス。

ひねってひねって、同じ場所に着地するんだけど、
ひねりの分、じんわりくるものがあるっていうか、ね。

10年以上前の映画ですが、友達以上恋人未満くらいの女の子と観てみてはいかがですか、
悩める男子高校生諸君!
観終わった後は、チューぐらいできるかも。
ビンタ付きで。

では、以下ネタバレしながら感想を書きますので、
未視聴のみなさんは、気をつけてください。



いんやー、自分でも不思議。
なぜ最後までじっくり観られちゃったんだろうか?
恋愛映画は苦手だなぁとか言ってる人間がほんわかと最後まで観ちゃいましたよ。
苦手苦手っていいながらそうでもないんじゃないの?疑惑は置いといて、

やはり、いい映画だったんだと思いますね!

まず、主人公のキョヌくんがイイ!
こんなに情けない男は見たことない、と最初は思いますが、
実はよくよく見ると、ほんといい奴なんですよ。
見ず知らずのちょっと好みの女がゲロはいてぶっ倒れてるのを見捨てておけず、
必死に介抱してやるんですよ?
そもそも、ふらふらで線路に落ちそうな場所に立ってる彼女を、
何も言わずに引き戻してあげたんですよ?
優しい子なんです!この子わ!

結局ホテルに警察を呼ばれて(これ通報したのお父さんでしょうね)
留置されてしまったキョヌですが、
なぜ翌日彼女に呼び出されて行ってしまうのか、と。
この辺はやはりスケベ心で、彼女がたいへん美人で好みだったからなんでしょう。
そのあたりのフツーの男の子っぽい感じもいいですね。

気弱げな彼が次はいったいどんな災難に逢うのかが楽しみで楽しみで、
ワクワクしながら観てしまいました。
気の毒だけど……気の毒だけど……彼の「もぉ~」っていう表情がかわいいのよね~。

そしてこのエピソードの連続が面白いのは、
モノローグを効果的に使っているからだと思います。
だらっとなりがちな説明部分をキョヌ君の心の声で視聴者に伝えてくれるので、
たくさんのエピソードでも飽きない。ダレない。

彼氏彼女の心が通っていく過程は、こうした小さな出来事の積み重ねですからね。
(夜の遊園地で脱走兵に出くわし、しかもそいつが彼女と同じ誕生日だったなんて事件が
小さな出来事かどうかは、各人の判断にお任せします)

そしてもちろん、猟奇的な彼女がイイ!
結局わたしは彼女の名前がわかってません。
なにちゃん?

彼女が、ものっすごい正義漢で、誰に対しても堂々としているのがいい。
そのため、ビシバシとキョヌくんを殴ってても、まぁいいじゃん、と思えてしまう。
彼には悪いですが……。
ディスコ?クラブ?で制服着て踊り狂う彼女がサイコーです。

わたし、ふたりのシーンで好きだったのは、電車の中のゲーム。
歩いてくる人が、あの線を左足で踏み越えたらわたしの勝ち、
右足だったらあんたの勝ち。
こういうゲームって、友達同士でやるんですよ!
すっごく仲良しの!
高校生くらいが!
あっ、小学生もやるか!

このシーンが、ふたりの深いつながりを感じさせてくれて、すごく好きです。
キス?H?そんなもん、してたってしてなくたってたいしたこたぁねえんだ!
こういうあそびが一緒にできるかどうかが、大事なんだよ!
と、わたしは思う。
から、いわゆる恋愛映画が苦手なのかもしれないですね。

それと、雨の日、濡れながらジャケットを傘代わりに、ふたりが階段を降りてくるシーン。
けっこうはやいペースでズダズダズダッと降りているのに、
歩調がかんっぺきに合っていて息ぴったりなんですよ!
なんか……仲良くなったんだなぁって伝わってきました。

なんだかんだで一緒にいるふたりを見て笑ってたのに、
あのお見合い場面では泣いちゃった……。
キョヌくんが「彼女と付き合う心得」を語ったよ、という場面ね。
なにしやがんだこんちきしょう!
泣きたかねーや!と思いつつ、ぼうだの涙。
いやいや、やられちゃったなぁ。

そして、初めて彼女が涙を見せる山頂の告白。
呑気に手をふるキョヌが不憫だったり愛しかったり。

で、主演のふたりもいいんだが、脚本がいい!
彼女の元カレは死んでしまったのだ、とわかるのは、終盤も終盤。
この時、あの時の彼女の涙のわけがわかるんですよ。
あ~、でもあのお花のシーンで予測できる人もいるのかな?
わたしはわかんなくて、ただ恋人と別れたんだな、と思ってた。
ほやから、元恋人は死んじゃってたんだ、ってわかってからが
あ~、それでか!あ~、なるほど!とへぇボタン押しまくりですよ。

そのうえ、ラストに行く前にひとひねりフェイク。
キョヌが時間があるたびに通っていた松の木。
おじいさんが現れたとき、キョヌの晩年かと思ったでしょー?!
思わなかった?
わたし、げっ、会えないまま年いっちゃったの?って悲しくなりましたよ。
そして彼女が若いまま現れて、すわ、娘か?孫か?と思っちゃった。
そのうえおじいさんの意味深な言葉で、
あ、彼女もしかして幽霊?とまで推測しました。
たった何分かの間に。

騙されたわ~。

でもこのひねりがね、きいてますね。
ある意味ベタなラストシーンにね。

そこから怒濤の勢いでラストへなだれ込むんで、
あれよあれよという間に映画の渦に巻き込まれ、最後の感動にじわ~んとなりました。

実は、彼女の回想シーンで、元カレの正体にピンときかけてて。
一緒に歩いているシルエットが、キョヌにそっくり(てか役者は同一でしょう)
「おばさんの息子が一年前になくなってて、あんたにそっくりだ」情報も
思い起こされ、あ、これは無事に会うことができるんだなぁと
期待しながら観ていたんですよね。
だから地下鉄でニアミスしたときも、だいじょぶだいじょぶ、会えるから、と思ってて。

「運命は、努力した人に偶然の橋を架けてくれる」
というおじいさんのセリフがとても印象的でした。
この一言があるとないとじゃ、ラストのじわ~ん加減が違うもんなー。

なぜに、前半戦、後半戦、という表示があるのかは不明でしたが。
テイストが変わりますよ!とあえて宣言する必要があるのかな?
インターミッションみたいなのやりたかったのかな?

連れ込み宿の部屋に5つ子誕生の新聞記事があり、
なんのこっちゃ?と思っていましたが、これはお遊びで、
宿のおじさん役の役者さんがいろんな役であちこちに登場しているそうです。
そこまで気付かなかった……。

あちこちでこの映画の感想を読みましたけど、
褒めちぎってる人、ボロカスの人、いろいろでした。
中でも気になったのは、
かわいいから何でも許されると思ったら大間違いだ!という意見。

猟奇的な彼女のキャラクターに嫌悪感を抱いちゃってるんですね。
でもね、彼女はただのわがまま暴力女なんかじゃない。
キョヌを池に落としたあと、
ためらわず池に飛び込む彼女の優しさをくみ取っていただけなかったのが残念です。

彼女は例えブスだったとしても同じように正義のために行動し、
キョヌに理不尽を強いたでしょう。
そして「ブスは黙ってろ!」と言われても、傷つくことなく主張したでしょうし、
キョヌは相手がブスだから、といってほっとく男ではなかったはず。

やられている男の側が、大いなる度量を示して許しているんだからいいじゃないですか。
彼女と付き合うための条件を聞くと、どれだけキョヌがいい男かわかりますね。
お見合い相手も、理解のあるいい人でした。

彼女がキョヌにコーラの注文を許さない理由、わかりますよね?
切ないわけがあったんだな~。

劇中劇も好きだったし、好みの問題が大きいかもしれません。
わたしも、いつもなら「ダルい」とか言ってそうな前半戦楽しめたのはなんでなのか不思議。
それと気付かせない工夫があったのか、
たまたま好みにあったのかわかりませんが、結果オーライです。

ハリウッドリメイク版もあるようですが、どんな仕上がりなんでしょうかね~。
どうやら、電車内で盛大に吐くシーンはないらしい。あれ大事なのに。
お、そういえば、全体を通してご飯を食べるシーンはなかったですね。
恋人同士の映画なのに、そのへんは意外だなぁ。

もうぜひぜひおすすめの映画です。
結末わかっててもまた観たいもんな。
クリスマスにでもいいんじゃないすかね!



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