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アメリカを動かすキリスト教とは何か 68 キリスト教は南半球の時代に 08 ラテン(南)アメリカのキリスト教 南米の布教 05 世界で初めてのアルゼンチンから教皇誕生

2021-05-19 04:00:00 | キリスト教国の歴史と現在 韓国
南米のアルゼンチン出身で、ヨーロッパ以外の出身者としては、

カトリック史上、初めての教皇となったフランシスコ(本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)、

イタリア系移民2世であり、白人です。

カトリックがヨーロッパでは次第に空洞化し、アジア・アフリカにシフトして登場したのです。

そして2019年11月23~26日まで日本を訪問されました。

ヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりとなります。ローマ・カトリックは、

教皇に初の中南米出身者を選出したのは、これからのカトリック教会の未来について、

欧州以外の地域にあり、アメリカ大陸との絆も修復したいという

教会の勢力図をめぐる枢機卿たちの強いメッセージが込められているのです。

アメリカ、ベイラー大学で世界の宗教を研究するフィリップ・ジェンキンス氏は、

「教皇の職位がイタリア人の手から離れる象徴的な動きと感じた」と指摘しています。

この選出は、歴史的であると同時に、教会指導者としては、

アメリカやアフリカ出身者よりも安全で伝統的な選択となったのです。

またジェンキンス氏は「彼は中間的な人物だ。イタリア人の立場からすると、

外国で成功したイタリア系一家の出身者と見なせる。

しかし、ナイジェリア人やスリランカ人は、

教会の権威が欧州以外の地域に移った前代未聞の出来事と受け止めるだろう」と語っています。

また、「ベルゴリオ氏が適任者かどうかは別として、

教会改革への一歩になることは間違いないだろう」とも指摘されています。

一方、カトリック教会が急速に普及しているアジアやアフリカで

新教皇が受け入れられるか懐疑的なのは、

カリフォルニア大学リバーサイド校の歴史学者ジェニファー・ヒューズ准教授は、

「欧州以外の出身だが、欧州の遺産を受け継ぐ人物なので、

世界中で大歓迎とはいかないだろう。

彼はイタリア語の名前を持つ白人にすぎない。南米では歓迎されると思うが、

アルゼンチンは多くの点で欧州に近い。

基本的には、“南極に近いヨーロッパ”の国だ」と言います。

実際のところ、南アメリカではカトリックよりペンテコステ派や

福音主義などのプロテスタントが優勢だが、アルゼンチンは他の国とは異なり、

ローマカトリック教会が世俗主義と闘っており、欧州と状況が似ているのです。

ベルゴリオ氏の選出は、南北アメリカのカトリック信者に対するメッセージとなっています。

信者の多くは、聖職者による性的虐待問題や同性愛のような議論を呼ぶ問題に対する、

バチカンの保守的な姿勢に幻滅しているからです。

フィリップ・ジェンキンス氏は「教会は危機的状況にあり、

米国カトリック教会とバチカンの亀裂は大きくなっている。

ベネディクト16世は原理主義的で、アメリカでは評判がよくなかった」

フランシスコ1世は欧州に背景を持つが、アメリカでも受け入れられるだろう。」と話しています。

南米のチリ、アルゼンチンだどは、ジェニファー・ヒューズ准教授が語られたように

カトリックが国教のようになっているにも関わらず、

福音派、ペンテコステ派の急成長と世俗化の大波で

カトリック教徒が半数の激減したとも言われています。

ただ南米最大のブラジル、コロンビアとペルーでは

全国民の75%がカトリック教徒でミサ(礼拝)の参加率はほぼ100%と言われています。
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