愛煙家の多事総論

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アマゾン川のクジラ

2007-11-25 20:07:00 | 国際情勢
ブラジルのアマゾン川中流で、なんとクジラの死骸が発見された。多摩川だの荒川だのでアザラシが発見されるのも珍しくなくなった昨今だが、流石に「アマゾン川」を「1000キロ」も川上りしたというのは珍しい。

クジラが1000キロ川上り=アマゾン中流で力尽きる-ブラジル

【サンパウロ23日時事】ブラジル北部パラ州サンタレン近郊のアマゾン川中流域でこのほど、体長5.5メートル、推定体重5トンのミンククジラが死んでいるのが見つかった。現場は海から約1000キロ離れており、研究者は「迷い込んだにしろ、なぜこんな所まで…」と首をかしげている。

 政府当局者によると、クジラは14日に川を泳いでいる姿が最初に目撃され、2度の救出作戦が試みられたが、いずれも失敗。20日朝に力尽きた姿で発見された。研究者が詳しい死因を調べている。クジラは雄で推定年齢は3~6歳。2週間ほどアマゾン川をさかのぼっていたとみられ、体には船と衝突したような傷があった。 



いやはやなんとも珍しい。
アマゾン川のように広大、かつ深い部分もある世界最大の河川だからこそ成せる業だろうなぁ。

しかしこのクジラ・・・。
どうしてここまで来たのだろうか。
身体には船と衝突した後があると言うが、衝突に驚いて逃げ込んだのだろうか。

ヘミングウェイのキリマンジャロの雪という作品に、こんな一説がある。

「キリマンジャロは、高さ19710フィートの、雪におおわれた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂はマサイ語で“神の家”と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたのか、いままで誰も説明したものがいない」

このクジラもまさにそんな感じ。
ただ、逃げ込んだだけかもしれない。もしかしたら、何かを求めていたのかもしれない。果てにあるものが見たかったのかもしれない。

そして、クジラはどちらの方向を向いて死んだのだろうか。
なお何かを求めて前進の姿勢で死んだのか、それとも諦めて後退する姿勢で死んだのか・・・。

まあ、そこまで文学的、哲学的に考えなくても良さそうなもんだけど、クジラがどうしてそこまで溯ったのかは、キリマンジャロの豹と同じく誰にも分からないのだろう。


何となく、考えさせられる事件だった。



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