
タマムシ(ヤマトタマムシ) Chrysochroa fulgidissima (Schonherr, 1817)。
節足動物門 Arthropoda
六脚類 Hexapoda
昆虫類 Insecta
鞘翅目(コウチュウ目) Coleoptera
多食亜目(カブトムシ亜目) Polyphaga
コメツキムシ形下目? Elateriformia
タマムシ上科 Buprestoidea
タマムシ科 Buprestidae 。
今夏、山で落ちていた(!)死骸から。
たいへん運のいいことに、アリが1,2匹集っているのみで、写真のとおり右の触角が少し切れていたものの、
ほとんど外傷のない、なかなか立派な個体だった。
なかなかタマムシって高い所にいるので、捕まえるのは決して簡単でないはずなんですよ。
殺生せずに入手できたのはなにより。
そこまで厳密に完品に拘る性質ではないし。


もう説明無用の、典型的な甲虫型である。
雌雄の見分け方は腹の先を見れば一目瞭然。
比較した画像はこちらのblogさんで→ヤマトタマムシ☆(私のお気に入りの昆虫達)
私のは♀です。
タマムシといえば、やはり特徴的なのは玉虫色!
この見る角度によって様々に変化する色は、
美しく且つタマムシが死んで時間が経っても微塵も変化しないため、
玉虫厨子をはじめ、160万匹(!!??)ものタマムシを使ったHeaven Of Delightなど、
様々な箇所に翅が貼られてきた。
この色はもちろん色素によるものではなく、
異なる波長を反射するキチン質の層が重なって、多層構造を造ることから成る構造色(iridescence)である。
甲虫の鞘翅のクチクラ層(キューティクル; cuticle)は
大きく外クチクラ層(epicuticle)と内クチクラ層(exocuticle)に分かれるが、
タマムシはこの外クチクラ層が約18層もある。
『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーカブト』などで使われて一気に有名になったマジョーラカラー
(それ以前からよく使われていたが、語として広まったのはその辺。ちなみに"マジョーラ(MAZIORA)"は日本ペイントの登録商標。)
は、この原理を使ったもの。
他には魚のメタリックカラーなども、
グアニンの板状結晶(反射小板)と細胞質との積層構造から成る干渉効果が基になっているし、
貝の真珠層なども同様。
ちなみにモルフォの翅やカワセミの羽根の持つ構造色は、
CDなどと同様にナノスケールの溝などが連続することによるもので、タマムシのものとは原理が異なる。
現在バイオメカニクスなどはよく話題に上がるが、
こういうのを見るたび、生物とは偉大じゃと思う。
Reference:
・『タマムシを用いた構造色の起源と,構造色弁別能の行動学的解析』


BLOG内LINKS:
・specimens: うちの収蔵標本。
・Vespa mandarinia: オオスズメバチ。最近昆虫が多いなぁ。
・Limulus polyphemus: アメリカカブトガニ。同じ節足動物の誼。
・Tetraclita japonica: クロフジツボ。同じ節足動物の誼。
・Nihonotrypea harmandi: ハルマンスナモグリ。同じ節足動物の誼。
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