fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

the dawn of the dinosaurs:03

2010-08-12 00:00:00 | biologie*

02:よりつづき 

 

スカフォニクス・サンユアンエンシス(Scaphonycus sanjuanensis)
  双弓類 Diapsida
   主竜形類 Archosauromorpha
    リンコサウルス類 Rhyncosauria

  
主竜類の外群にあたるリンコサウルス類(Rhyncosauria)に含まれるスカフォニクスは、
イスキグアラスト累層の中でもやたらとよく見つかる動物のようだ。
寸詰まりの三角形の頭がなかなか滑稽で可愛い(笑)。

近縁のヒペロダペドン(Hyperodapedon)などと共に、
過去には現生のムカシトカゲと併せて喙頭類(カイトウルイ:Rhyncocephalia)と呼ばれ、
「鱗竜類(Lepidosauria),有鱗類(Squamata)の中の原始的なグループ」とされていたこともあった。
しかし現在ではこれは祖先形質で恣意的に分けられたグループであると判明して解体され、
ムカシトカゲ類(Sphenodontida)は鱗竜類のうちでも最も早期に分岐した分類群として、
リンコサウルス類は主竜形類として位置づけられるに到った。


 


マラスクス・イロエンシス(Marasuchus illoensis)
  双弓類 Diapsida
   主竜類 Archosauria 
    恐竜形類 Dinosauromorpha


恐竜類とごくごく近縁の主竜類の一種。
細長く発達した脛-中足骨、また腰周りの強固な構造は、この動物の敏捷性を示している。
名前どおりマーラか、もっと小さくラットのような動物だが、
驚くほど保存状態のよい化石が発掘されており、
重要な試料となっている。


新種竜盤類 X 
  双弓類 Diapsida
   主竜類 Archosauria
    恐竜類 Dinosauria
     竜盤類 Saurischia


未記載種の実物標本である。
個人的にはやっぱりこういうのが一番惹かれる☆
職業病だなぁ~(笑)。


ヘレラサウルス・イスキグアラステンシス(Herrerasaurus ischigualastensis)
  双弓類 Diapsida
   主竜類 Archosauria
    恐竜類 Dinosauria
     竜盤類 Saurischia

 
エオラプトルなどと並んで、"最古の恐竜"とよく称されるやつである。
ただその系統的位置は恐竜全体の祖先に置かれたり、
獣脚類(Theropoda)に含める人がいたり、いやそもそも恐竜じゃないぜ主張する人がいたりするようだが…
しかしもうこういう境界動物ってのはスパッと分かれるというよりは、
結構フレキシブルに変わったりする処が多かったりして、
クラウングループを元に練られた定義にそもそも合致させるのが無理難題なんじゃないかなぁ。
"どこから恐竜と呼ぶか"の定義がさほど確定的じゃない以上、
こうした連中の分類はほとんど定義の問題のすり替えになってきているような気がしなくもない。

ちなみに3DモデルはGigiMorph 


新種獣脚類 Y
   双弓類Diapsida
  主竜類 Archosauria
   恐竜類 Dinosauria
    竜盤類 Saurischia
     獣脚類 Theropoda

 
これも未記載種。背景の系統樹は、
「ここまで書く必要あんのかーっ?細か過ぎじゃねえのかー?」って気もするが、
カッコいいからO☆K!


パンファギア・プロトス(Panphagia protos)
  双弓類 Diapsida
   主竜類 Archosauria
    恐竜類 Dinosauria
     竜盤類 Saurischia
      竜脚形類 Sauropodmorpha
  
竜脚形類(Sauropodmorpha)の中でも最もbasalに位置すると言われるパンファギア。
名前はpan-phagusでナンデモ-食べるヤツである。
その木の葉型とナイフ型の歯の分化から雑食性と推定された故のネーミングだ。

それにしてもコイツ、とても竜脚形類に見えない(笑)。
(そりゃその系統のstemってのはクラウングループを基準に考えちゃいけない形をしているもんだが)
もちろん形質をリストアップして分岐分類学的に調べるとちゃんと竜脚形類に納まるんだが、
Martínez et al., (2009). "A basal sauropodomorph (Dinosauria: Saurischia) from the Ischigualasto Formation (Triassic, Carnian) and the early evolution of Sauropodomorpha". PLoS ONE 4 (2): 1–12.
やーやっぱり難しいなぁ~。



              ・
              ・
              ・


総じて、
展示は割かし通なヒト向けだったんじゃないかなと(笑)。
恐竜展などという名称では勿体ない、"恐竜形類-初期クルロタルシ展"と名前を変えた方がいいんじゃないかなぁ~。
しかし展示の仕方がライティングやディスプレイ含め、なかなか洒落ていてよかったので、
立地も含め、そういった面ではこれまで恐竜と縁遠かった層にもアピールできるのかな?


今回も主だったところをピックアップしましたが、
写真と文章だけではなかなか本物の実感は伝わらないはず。
これを読まれた貴方は是非是非、見に行ってくださいね~♪

最後出口付近、ファソラスクスと東京タワー☆


ちなみに、

会場外に恐竜レストランあり。
よくメニューを見てみよう。
ありがちな「恐竜の卵セットー」みたいなのではなく、意外に気合いが入っていて好感が持てるぞ!
 
ね?



 :01からone more time....  


 にほんブログ村 大学生日記ブログ 大学院生へ  にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ



 ・
the dawns of the dinosaurs:01 地球最古の恐竜展 
 ・
dinosaur expo 2009:01 

 ・
dinosaur museum:1 福井県立恐竜博物館
 ・reptile evolutions:complex and processive "爬虫類"の系統とか。
 ・eodromaeus: エオドロマエウスと、エオラプトル。系統と形質の評価に関して。

 
specimens: うちの収蔵標本。
 ・vertebrata:01 脊椎動物




最新の画像もっと見る

post a comment