Be Organic

女性の美と幸福の源は オーガニックです

納得できるファッショナブル・オーガニックマガジンを

2007年02月18日 | オーガニックライフ
創刊ラッシュがあり、話題にもなったスローライフ、エコ、LOHAS系雑誌ですが、現在書店の店頭を見る限り、動きが落ち着いてきたようです。正直なところ、一時の勢いはないように感じます。明らかに売れていなさそうなものもありますし・・・。

今は資金もキャリアも仲間もない私ですが、オーガニックマガジンの夢は捨ててはいません。
もし私が理想の雑誌を作れたら、スタッフや協力ライター、カメラマン、デザイナーたちには、私が過去に味わったような思いをさせたくないですね。
プロとしての能力も志もあるのに、リストラされてしまったような人たちが来てくれるといいな・・・と思っています。
今後、プロの能力を持った人たちの要求に応えられるよう、私自身もプロフェッショナルとして、自分を磨いていかなければならないと思います。

従来の美容、ファッション、フード、ライフスタイルに少なからず違和感を感じている女性は、大勢います。彼女たちは物事の“本当のところ”へのこだわりが強く、宣伝の匂いは敏感に感じ取ります。
だから、スローライフ、エコ、LOHASの一歩先をゆく、本当の”ファッショナブル・オーガニックマガジン”が必要だと思うのです。

私の理想の”ファッショナブル・オーガニックマガジン”のイメージとしては、「FRaU」の昨年第1号に、成分のことをきっちり書いたコスメ特集を加えて、「マリ・クレール」のように、社会派の記事も載せるジャーナル性を持たせたもの。

「FRaU」の昨年第1号は、いわゆる”LOHAS特集”だったのですが、フード、ヨガ、ウエア、ホリスティックケア、旅、住まい、ワークスタイルなど内容が非常に充実しており、最近の女性ファッション誌では珍しく完売して話題になりました。
オーガニックコスメだけすっぽり抜けていましたが、こういう特集を組んだ雑誌が売れたということは、絶対需要ありますよね。

そして理想を実現するために、何もないところからどういう手順を踏んでゆけばよいか、遠い道のりの途中の目標をどう設定してゆくか・・・。
これを考えて決めてゆくのが、じつはけっこう難しい。私にはまだ、それができていないんですよね。

「オーガニックマガジン」の夢、失望と挫折

2007年02月17日 | オーガニックライフ
3,4年ほど前から、スローライフやエコ、LOHASをテーマにした雑誌が次々に出てきました。
これらの雑誌は、”環境やエコをおしゃれでだれもがやりやすいものにした”と高く評価されています。話題になって創刊号が完売し、飛躍的に部数を伸ばすものもありました。
上手いと思ったのは、温暖化防止や省エネ、自然素材など、誰もがもろ手を挙げて賛成しやすいテーマを取り上げ、コスメの化学物質や携帯電話、IH調理器の電磁波、原発などの、デリケートだけど看過してはならない問題をさけていたことです。

同時に一般女性誌や美容誌でもオーガニックコスメが取り上げられるようになり、私が探して紹介し続けたブランドが誌面を飾りました。
スタッフが「いくら”載せてほしい”と営業しても、みんなほとんど話を聞いてくれない」と私にぼやいていたオーガニックコスメブランドも、有名美容ライターがバックについて、女性誌に頻繁に取り上げられるようになっています。

私たちの雑誌を見ているとしか思えないものを取り上げた記事も見られましたが、アイディアの多様性、記事の質は後発雑誌や一般女性誌、美容誌の方がはるかに上でした。
完全に「お株を奪われた」と思いました。同時に、徒労感がドッと襲ってきました。

私、今まで何やってたんだろう・・・。いや、がんばってきたはずなんだけど、自分の本当にやりたいことがほとんどできていない・・・というより、させてもらえない。そしてひとりでは、何もできない・・・。

私は創刊初期から関わってきたこの雑誌の製作から離れることにしました。雑誌が早晩行き詰ることは、明らかでした。
このブログを始める、少し前のことです。

私が離れたあと、雑誌は昨年の夏に廃刊になりました。WEBマガジンにするといっていたようですが、新しい記事がUPされている気配はありません。

”戦略”なき雑誌の迷走 

2007年02月16日 | オーガニックライフ
メイン特集を”料理”にしたがるのも、彼らに”女性=料理”という固定観念が根強くあり、同時に料理しか理解できないから・・・ということもわかってきました。

コスメの成分追求の先鋒を自任しながら、実際は旧表示指定成分に固執し、合成界面活性剤、合成保存料、化学成分全般の非難に終始していました。そしてコスメの記事では「植物成分の有効性」を強調することが求められました。
「薬事法で、植物成分の効果は言っちゃいけないことになっているのよ。私たちは本当に効果があるのに言えない状況をどうにかしたいの。それで植物のすばらしさを伝えるのよ」というのが理由でした。

旧表示指定成分や合成界面活性剤、合成保存料などの危険性を訴えることは大事です。でもただ言い募るのでは、芸がありません。
植物成分の有効性はもちろん認められるべきですが、それを強調すると、一般女性誌のコスメ特集と何ら変わらない記事になってしまいます。

科学的、客観的、法的に有害性が指摘されている成分については、はっきり指摘すること。難しい成分でも調べて、わかりやすく説明すること。一般女性誌が決してできないこれらのことをきちんと書き、その上で「オーガニックであることの意義」と「植物成分の有効性」を訴えることが、オーガニックマガジンの役目であり、個性ではないのか・・・。

そんな私の話を、社長も編集長も聞いてくれませんでした。
彼らも結局、”わかろうとする努力”をしなかったのです。だから化学成分の問題から逃げたのです。

雑誌は部数も伸びず、ただでさえ少ない広告収入も減ってゆきました。
広告が入らない雑誌がやることは、通販事業です。
そうすると、「通販で取り扱っている商品の情報を必ず記事に入れるように」といわれるようになりました。
良い商品やブランドを見つけて”誌面で紹介したい”といっても、通販で取り扱わないものが誌面に載ることはありません。
当然のことながら、誌面に出てくるブランドや商品は毎号同じ。絵的にもバリエーションがなく、雑誌として見ているとつまらないものになってしまいます。
通販優先の誌面づくりに異を唱えると、「タダで商品を宣伝してやることはない」と返ってきて、唖然としました。
そんな高飛車なことをいえる立場でしょうか・・・?

掲載商品の問い合わせ先を載せようとすると、「こっちで買ってくれなくなる」といわれ、カットされてしまいます。
その結果、商品に関する問い合わせが全て編集部に来てしまい、その対応で仕事にならなくなることもありました。

”戦略”を考えなかった雑誌は”ビジョン”も失い、完全な迷走状態に陥っていました。

「ボランティア」と「志」頼みの限界

2007年02月14日 | オーガニックライフ
ところが、私の提案が受け入れられることはありませんでした。

「オーガニックの原点は、”食”だ」と言われ、メイン特集は常に料理。全体的な印象も主婦向け料理雑誌、生活雑誌でした。
私が営業面の強化や戦略の必要性を唱えても、「あなたのいっていることは、単なるマーケティング。私たちは”志”でやっている」「本当にやりたいことだけをやるための雑誌だから」と、取り合ってもらえません。

加えてライター、デザイナー、カメラマンには、”原則ボランティア”。つまりノーギャラでの参加を求めたのです。「プロにはお金ではなく志でやってもらった方がいい」「素人でも志のある人に機会を与える」というのがその理由でした。

ところが、「本業」という名の”逃げ場”があるプロは、無償での仕事はどうしても趣味的、あるいは実験的になり、本腰は入れないものです。それでもプロですから、ある程度レベルの高いものは出してくれますが・・・。
私が見ている限り、実生活でオーガニックを実践していても、それを仕事のテーマとして追及していこう、という強い意思がある人はいませんでした。

素人は、”お試し感覚”でやってくる人が多かったように思います。私のように講座に通って勉強していたという人はなく、取材やライティングの実務を知らないため、上がってくる記事のレベルはどうしても低くなります。
まるで中学生の夏休みの宿題レポートのようなものを出されて、私が取材からやりなおして記事にしたこともありました。

企画、編集に関して、編集長のフォローが一切ないのも問題でした。
たとえプロのライターがすばらしい記事を書いても、それをただ集めて載せるだけじゃ、いい雑誌って出来ないんです。
持ち込まれた企画をそのままライターに投げてしまったり、記事を個別にしか見ない。全体を見渡し、企画段階で関連づける、まとめるという役目を、社長も編集長もしていませんでした。各号のメイン特集は決めるものの、あとは行き当たりばったり。

これでは、素人のライターはたまりません。私も事前に勉強していたとはいえ、ほとんど手探り、体当たり状態で取材や編集のノウハウを知ってゆくという感じでした。

素人の中に少数ですが、本気で”オーガニックを主題にやっていきたい”という人がいました。
ただ報酬がないことで生活に追われ、取材に十分な時間も費用もかけられず、ノウハウも学べずに行き詰まってしまったり、「あるある」のような安易な記事になってしまう・・・。
「本気でやって行きたいので、報酬を」という人には、「このレベルの記事で、お金なんかもらえると思ってんの?」「お金が欲しいなら、他誌へどうぞ」と言うありさまでした。そんなことに失望して、”志”がある人は次々に去ってゆきました。

「オーガニックマガジン」の夢

2007年02月12日 | オーガニックライフ
6年ほど前、私は環境女性誌で仕事をしていました。
といっても、メンバーは私を含めて素人同然。マスコミ関係者は社長と編集長だけで、そのふたりでさえ雑誌運営の経験はありませんでした。

私は編集長や社長に対して、雑誌のターゲットを20代後半~30代のOL、ワーキングウーマンに設定し、ライフスタイル誌として編集することを提案していました。
トレンドの中心である彼女たちが、ひとりでも多くオーガニックライフにシフトすれば、世の中全体をオーガニックにシフトさせる原動力になりえるからです。

また、生活者の立場になって環境問題やオーガニックを取材することは、えてして商業ジャーナリズムと対立することになります。
したがって副業をしたり、他方で信念を曲げて商業記事を書かなければ食べてゆけない場合がほとんどです。
そんな人たちが、環境問題やオーガニックだけで食べてゆけるよう道筋をつけなければ、質の良い取材や記事、企画を維持することはできません。そのためにも協力ライターには、それなりの報酬を支払い、”プロ”として責任ある仕事をしてもらうべきです。

同時に書店営業に力を入れ、環境問題に本気で取り組んでいる企業を探して広告主になってもらうことや、編集や広告、書店営業の専門家を正社員として採用することも求めました。

私としても、さまざまな女性誌から門前払いされた末、やっと見つけた理想に近いコンセプトの雑誌。なんとしても成功させたかった。
そのためにはその後次々出てくるであろう中途半端なエコロジー雑誌に対して、”先駆者”としての優位性を早めに確立しておく必要があります。

市場調査の数字ではなく、街を歩いて、同世代の話を聞き、様子を見て肌で感じた空気。そして私自身が読者の立場で”こういう雑誌があったらいい”と強く思っているもの。そこから導き出したアイディアでした。
この提案が全て実現すれば、絶対に売れる。そんな自信もありました。

誰もの日常に、オーガニックを

2007年02月09日 | Weblog
このブログを始めて、丸2年。今日から3年目に突入です。
数え切れないほどのブログがある中からここへいらして下さるみなさん、本当にありがとうございます。

なんだか、「オーガニック」が”特別なもの”にされているような気がします。
一般のものに比べると多少値が張ることもあり、「お金をもっているからこそできること」という印象がこびりついて離れません。
そこへラグジュアリーマーケティングが入り込んで、ますますスノッブで敷居が高い印象になってしまっています。
それほど強いものではありませんが、癒しや波動と結びついて、スピリチュアル方面へもってゆこうという動きもあります。

どちらにしても、「オーガニック」を普通の人たちの日常から、引き離そうとしているような気がしてなりません。「オーガニック」が本当に一般化したら、困る勢力があるのでしょう。

確かに、「オーガニック」こそが真の高級であり、贅沢です。
しかし「オーガニック」は、宝石やブランドものに代表される従来の高級品、贅沢品とは違う、画期的なポジションにあります。
それは上流階級やお金持ち、キャリアウーマンだけではなく、普通の働く女性に手が届き、日常レベルで実現できるものだということです。

食べるものをオーガニックに、洗剤やコスメをオーガニックに、着るものをオーガニックに、住むところをオーガニックに・・・。
そうしてゆくことで、健康になり美しくなり、意識も上がる。
生まれ育ちやお金の有無ではないと、はっきりわかるはずです。

このメッセージをどういう切り口で伝えるか、これからどのように展開してゆけば良いか、私自身、まだ見えていません。それを考えるのが、今年の課題になりそうです。

負けるな!オーガニックコスメ

2007年02月06日 | コスメ
これまでのコスメのありかたと真っ向から対立するオーガニックコスメは、既存の化粧品会社には脅威です。
そこで化粧品業界は厚生労働省に働きかけ、化粧品輸入販売と製造販売の規制強化に成功しました。

薬剤師または化粧品品質管理の技術者を常勤の責任者として置くことや、保管設備の整った自前の倉庫を持っているなどの条件を満たさなければ、化粧品の輸入販売や製造販売はできなくなったのです。

オーガニックコスメは、多くが海外からの輸入品です。
ごく普通の輸入商社や、場合によっては法人格を持たない個人事務所が輸入していることがほとんどでした。
そこに目をつけ、簡単に化粧品の輸入販売ができないようにして、新しいブランドが入りにくいようにすること。また、国内でもオーガニックコスメの製造、販売に乗り出す会社が出てきにくいようにすること。設備や人材が手当てできないところは撤退に追い込むか、業務提携などの形で取り込んでしまう。そして既存メーカーの既得権益を守る・・・それが規制強化の目的でした。

すでに輸入販売や製造販売を始めていた業者には猶予期間が設けられましたが、みんな人材や設備探し、法人化の手続きに追われ、かなりあたふたしていました。
「私が事業を始めた頃は良かったけど、今だったら化粧品輸入業への新規参入なんて、絶対にやろうとは思いません」という社長さんもいるくらいです。

それでも、オーガニックコスメは日本の化粧品市場に根を下ろし、新しいコスメのジャンルを確立しました。もはや否定しようのない存在になったのです。

そこで既存化粧品メーカーも、植物成分に加えてオーガニックのイメージを振りまきだしました。
全体の1%あるかどうか・・・というオーガニック植物成分を最大の”売り”にし、その周辺のストーリーをめいっぱい膨らませて、さもオーガニックコスメであるかのようなイメージを演出する。去年はそんな記事広告がかなり見られました。

オーガニックコスメと”オーガニックコスメもどき”が入り乱れて乱立する。今はそんな感じになっていますね。

知りたい!わかりたい!コスメの成分

2007年02月05日 | コスメ
けれど、コスメ成分に関するそれからの研究や追求は、甘いと言わざるをえません。
表示指定成分や合成成分、パラベンを始めとする保存料批判に終始するだけの環境派・・・。
ずっと以前から環境や女性の生活と権利、平和について発言、執筆されている女性作家が主宰する有名な老舗自然食品店があります。
そこが発行する通販カタログ誌が「何を意味するのかわからない成分より、原材料が大事」「成分名より、○○由来という言い方が消費者にはわかりやすい」「難しいことは専門家にまかせて・・・」という記事を載せたときは、”オマエたちもかよ~!”と言いたくなりました。

要は、「わからない」んです。
もっと言ってしまうと、「わかろうとする気がない」んです。
大手ブランド化粧品メーカーの人間がこの文章を見たら、”こいつら、素人だな”と思うはずです。
こういうことしか書けないなら、コスメの真実を追求されることはまずありません。ひと安心です。

既存の化粧品会社は業界団体でスクラムを組み、厚生労働省のお役人や化学者、大学、マスコミまで抱え込んで、自分たちに不利な情報は徹底的に潰しています。
さらに権利意識が薄かったり、履き違えている消費者が多く、消費者運動や市民運動、環境運動に冷ややかなこの国で、市井の生活者と良心的な化学者や企業、ジャーナリストがこうした大きな勢力に対抗するのは、至難の技ではあります。

でも、ジャーナリズムが「知ろう」「わかろう」とする努力を放棄してしまったら、おしまいじゃありませんか。

私だって、難解な化学用語が並ぶコスメの成分は、見ただけでうんざりします。
くじけそうになることもたびたびですが、力を振り絞ってもっと知り、わかるようになりたいと思います。

コスメにとっての「不都合な真実」

2007年02月03日 | コスメ
”表示指定成分、パラベン危険説”の流布には、実は私も関わっています。

私は7年前に出版された、ある自然派コスメ選びのガイドブックの主要部分を執筆しています。
そこで「表示指定成分はアレルギー性、発ガン性、崔奇形性の恐れのある危険な物質が多い」
「パラベンはアレルギー性だけでなく環境ホルモン作用がある」
という記事を書きました。

この本は当時テレビ東京のビジネスニュースで取り上げられて話題になり、重版もされました。
絶版となった現在でも、自然派コスメのバイブル本として、アマゾンのユーズドやヤフーオークションなどで人気だと聞きます。

この本は化粧品業界に大きな影響を与えました。
「表示指定成分無添加」「パラベンフリー」というコスメが増えたのが、その良い例です。
同時に女性誌では化粧品会社によって、有名美容評論家やコスメジャーナリストを動員した”成分なんて気にしないキャンペーン”が大々的に張られました。
「有害なものでコスメを作るわけがありません」
「腐ったコスメを使う方がよほど危険です」
「成分に惑わされるより、あなたが”気持ちいい”と感じるなら、それでOKなのです」などなど・・・。
とどめは、「成分を聞いてくる人は、明らかに疑いを持っている。そういう人は美しくないですね」!

それでも成分にこだわる人のために、美容誌では成分解説特集が組まれました。
内容は、業界の意に沿った”有効成分”や、危険性が指摘されていない化学合成成分の解説が中心で、合成界面活性剤は主にエモリエント効果のあるものとして説明されていました。
「昔の合成界面活性剤は分子が粗かったからアレルギーが起きることもあったけど、今は分子が細かくなったから大丈夫!」なんて記事もありましたね。分子が粗いだの細かいだのという問題ではないはずですが・・・。