Be Organic

女性の美と幸福の源は オーガニックです

”赤みのないくちびる”が意味するものは?

2005年08月31日 | コスメ
現在、市販のほとんどの口紅は、石油系の炭化水素や合成油主体のものが多くなっています。

石油系の炭化水素は、水添ポリイソブテン、マイクロスタイリングワックス、パラフィンといったもの。
合成油は、高級脂肪酸や高級アルコールを化学合成した人工油です。
(ここで言う「高級」とは、”上質”ではなく”分子量が多い”ということです)
どちらもべたつきがなく、酸化、腐敗しにくくなっています。
この特性は、使い心地の良さと保存性に直結するので、化粧品に好んで使われるのです。

石油系の炭化水素は、食べても体には吸収されずに排出されますし、合成油も腸で分解されますから、この点では”安全”と言うのも分かります。

でも、不安を感じる成分もあります。
例えば酸化防止剤のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)。
皮膚炎や過敏症を起こすだけでなく、飲むと血清コレステロールの上昇や異常行動の原因になるとされ、遺伝子を傷つける変異原性、発ガン性も指摘されています。

みずみずしさやうるおい、ぷるんとした感触の演出には、合成ポリマーが欠かせません。
でもくちびるそのものがうるおうわけではなく、合成ポリマーが水を抱き込んでいるだけです。
合成ポリマーはくちびるの表面をシールするように覆ってしまうので、皮脂腺がないくちびるにダメージを与えてしまうことも考えられます。

エモリエントとして合成界面活性剤が使われていたり、メトキシケイヒ酸オクチルのような紫外線吸収剤が使われていることもあります。

口紅の色味の多くは、合成色素。
”○色○号”と表示されているもので、石油系のタール色素です。
タール色素は、変異原性や発ガン性を指摘されているものが少なくありません。
危険性があるからこそ各国で使用制限があり、現在では各メーカーも、最も厳しいアメリカの基準に準じて、使用するものを選んでいるように感じます。
また、食用として認可されているものを使って、安全性を強調するところもあります。
ただ、「基準を厳しくしていれば安全」「食用に使われているから安全」とは言い切れません。
1種あたりの配合量は少なくても、毎日口紅を塗るということは、複数のタール色素を長期に渡って使用するということです。

アヴェダの店員さんが言った「ほとんどの女性のくちびるは真っ白」というのは、図らずも現代の口紅に問題があることを示唆しているのではないでしょうか?

昔の口紅は危険で、今の口紅は安全?

2005年08月28日 | コスメ
ちょっと前の女性誌の”秋の口紅新色特集”の冒頭で、有名美容評論家が
「昔は鉛や水銀などの危険な重金属を口紅に使っていた」
「昔は危険だと分からなかったから仕方がない」
「危険を冒してでも美しくなりたい、美に対する女性の強い意志」
というようなことを書いていました。

この記事が言いたいことは・・・

ひとつは”環境派”の人たちが言う
「昔の化粧品は薬草を使い、薬も兼ねた体に良いものだった」
という論証の否定です。

これははっきり言って、どっちもどっち。両方とも事実なんです。
危険な鉛白や辰砂(硫化水銀)、鉛丹(四酸化三鉛)、鶏冠石(硫化砒素)も使われていましたし、安全な胡粉や酸化鉄、薬効もある紅花、へナ、ウコンも使われていました。
重金属で化粧をすることの危険性が初めて公に指摘されたのは、ジャーナリズムが発展したフランス革命の頃のことです。
でも、アスベスト同様に多くの人が、経験的に危険性は認識していたと思われます。

そしてこの記事が最も言いたいことは、
「今の口紅は安全です」ということと、
「化粧品の成分や安全性を云々するなんてナンセンス」ということ。
はっきり書かないところが、また上手です。

私は自分の肌と髪で”化粧品の本当のところ”を経験しているから、こうした「裏読み」が出来ますが、ほとんどの女性は素直ですから、誘導されてしまいます。

本当は、女性たちに化粧品の成分を云々されたら、困るのです。
追求されない方がいいんです。

もとの赤みを失った現代女性のくちびる

2005年08月27日 | コスメ
以前、表参道のアヴェダのショップに”お客”として、口紅を試しに行ったときのことです。

それまでしていた口紅を落としたら、店員さんが「お客様、くちびるが赤いですね」って驚くんです。
近くにいた店員さんも寄ってきて「あー、ほんとだ。リップラインもはっきりしていますね」と関心します。
ふたりは「ねえねえ」と他のスタッフも呼び、私は店員さんに囲まれることに・・・。
皆さん口々に「口紅塗らなくてもいいんじゃないかっていうくらい赤みがありますね」「何も塗らないでこんなにくちびるが赤い方って、いないですよ」と驚いていました。

店員さんたちが口を揃えて言うには、「大抵のお客様は口紅落とすと、くちびる真っ白ですよ」とのこと。
私は”女性が口紅を使い始めると、くちびるの赤みがあせてゆく”と聞いたことを思い出しました。

化粧品業界の反発は必至、朝刊一面のパラベンの問題

2005年08月25日 | コスメ
少し前、環境派の人たちが合成保存料の有害性を訴え、特にパラベン類を槍玉に挙げたため、「パラベンフリー」と称したコスメが増えました。
代わりに使われたのがフェノキシエタノールでしたが、効果が劣ることや、配合量を多くしたことでかえってトラブルのもとになり、より少ない量で高い効果を発揮するパラベン類が見直されていました。
そのため最近は、”パラベン危険論”は鳴りをひそめていたのですが、こんな記事が出ました。
化粧品防腐剤、紫外線で老化促す作用 京都府立医大調査 (朝日新聞) - goo ニュース

パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)には、以下の7種類があります。
メチルパラベン
エチルパラベン
プロピルパラベン
イソプロピルパラベン
ブチルパラベン
イソブチルパラベン
ベンジンパラベン

この中でベンジンパラベン以外のものは、コスメに普通に使われています。
パラベンの菌やカビを殺す効果は、ある部分毒性とうらはらのものです。
油溶性のものは、脂肪細胞や遺伝子の塩基に入り込む可能性が高くなります。

防腐効果はメチル→エチル→プロピル→ブチルの順で高くなり、ブチルとプロピルは油溶性、エチルとメチルは水溶性です。
危険性はこの順番で高いと考えて良いでしょう。

パラベンは「接触性皮膚炎、アレルギー性湿疹を起こす」として旧表示指定成分になっていました。
もうひとつ指摘されているのが、環境ホルモンの可能性です。
すでに環境ホルモンと認定されているアルキルフェノール(ノニルフェノール)に、化学構造がそっくりなのです。
構造が似ていれば、働きも似ていることは十分に考えられます。
化学構造の中に、有害物質のベンゼンが原料にあることを示す、「ベンゼン環」があることも気になります。

この研究の注目すべき点は、「通常の使用方法で皮膚が吸収する濃度のメチルパラベン」としているところでしょう。”メチルパラベンは皮膚のバリアゾーンを突き抜ける”と言っているようなものです。

さて、こんな記事が出て、化粧品業界の猛反発は必至です。
”広告を引きあげる”と言われたら、新聞社なんてひとたまりもありません。
この記事を書いた記者やデスクは、左遷されるかも知れません。
大学や医学会には、大手化粧品メーカーの顧問になって、研究費を助けてもらっている人が大勢います。
この発表をする京都府立医科大の吉川教授も、危うい立場に立たされ、資金や補助の引きあげなど、今後の研究に支障が出るのではないでしょうか?非常に心配です。

朝の連ドラから「戦争」が消えて

2005年08月15日 | 世の中のこと
太平洋戦争が終わって60年の節目。
私はもちろん戦争を知りませんが、私のおじ、おば、祖父母は戦争を知っています。学徒出陣で大学を繰り上げ卒業した人、東京大空襲で家屋敷を焼かれ、全財産を失った人もいます。
身内に戦死者や空襲で死んだ人はいませんが、戦後の混乱の中で栄養失調や病気になり、充分な治療が受けられずに死んだ人はいます。
子供の頃は身内から、戦争のことを聞いていました。

もうひとつ、太平洋戦争を学ばせてくれたのは、じつはNHKの朝の連ドラでした。
おそらく日本史上最も女性が抑圧されていた明治、大正、昭和を力強く生きる女性の物語が定番で、関東大震災と太平洋戦争は”必須”ともいえるトピックでした。
関東大震災の回を9月1日に、終戦の回を8月15日に放映するということもしていました。

主人公の夫や息子が徴兵され、戦死する。主人公一家と親しくしていた青年が,出撃前に最後の別れを告げに来る。戦時下でもある日常のほっとするひととき、ささやかな夢を語る人々。けれどその日の夜、焼夷弾の雨が、小さな幸せさえも容赦なく奪ってゆく悲しさ、残酷さ・・・。
そうしたストーリーが、子供心に”戦争はいけない”という思いを植え付けたと思います。

「あぐり」「すずらん」を境に、戦争を生きた女性の物語は、NHKの朝の連ドラから消えてしまいました。
最近のNHKのドラマでは、「夢見る葡萄」「ハチロー」が戦争を描いていますが、”主人公が空襲をどう逃げ切り、生き延びたか”という描写がありませんでした。

昔のドラマの製作スタッフには、戦争を実体験した人がまだまだ大勢いたのではないでしょうか?だから戦時下の人の気持ちや空襲がリアルに描けた。けれど現在の若いスタッフは、極限状態の中命がけでサバイブしたことなんてほとんどないはずです。
だからそこを端折ってしまうか、たとえ描いてもパニックムービーみたいになってしまうのでしょう。

NHKの朝の連ドラから”戦争”が消えたとたん、空爆が実況中継されるようになり、国際貢献の名の下に自衛隊の海外派遣が始まりました。
”自虐史観”などという言葉が生まれ、冷戦終了で死んだはずの”左翼”という言葉が、平和と不戦、男女平等を願う人を非難する言葉として復活しました。
そして改憲論が高まっていった。そんな気がしてなりません。

夏の庭の天使

2005年08月13日 | 季節

我が家の庭では、6月頃からダマスクローズの花が次々と咲いています。
農薬も化学肥料も一切使わず、ほとんど放っておきっぱなしのせいもありますが、花は小さく、直径は5cmほど。
大輪の花を咲かせる近代種に比べると、原種に近いオールドローズの花は小さい傾向にありますが、本当に小さい、可憐な花です。

ダマスクローズの名は、中東の国シリアの首都ダマスカスに由来します。
ダマスカスは、アジア4000年の都。ダマスクローズは紀元前に、この地域で自然交配により生まれたといわれています。
古代から香料を採るために栽培されている種類なので、花に顔を近づけると、えもいわれぬかぐわしい香りがします。

1季咲きオールドローズの花期は、5月から6月と聞いていました。
けれど咲き終わった花殻を摘むと、どんどん新しい花芽が出てくるんです。しかも10輪分くらいまとめて。
この3ヶ月で40輪くらい咲いています。

いまもいくつかつぼみがついていますが、とてもかわいいつぼみを見つけました。
なんだかクリオネみたいじゃありませんか?
このつぼみも明日には、淡いピンクの和紙を絞って玉にしたように花開きます。

自然なデトックスは、オ-ガニックの穀物、野菜で

2005年08月10日 | 健康
体内に溜まった有害金属を排出する方法として、キレーション療法が注目されています。
女性誌では、主にEDTAを使うものが紹介されています。
これは合成のアミノ酸ですが、PRTR法がリストアップしている物質なのであまりおすすめできません。
私が話を聞いたお医者さんによると、EDTAは免疫力を下げる可能性があり、必要なミネラルも流してしまうという指摘もあると言います。
そのため、このお医者さんはビタミンCとカルシウムでキレーション療法を行っています。

キレーションに使うキレート剤は、自然のものがリスクも少なく、安全です。
リンゴ酸やクエン酸、「あるある大事典」でも紹介されていたタマネギが効果があると言われていますが、まだ研究が始まったばかりです。

ただ、タマネギは土壌の毒素を吸いやすいと言われています。
”切ったあと30分以上放置すると、辛さが抜けて生でも食べやすい”と言いますが、私の経験上ほとんどのタマネギは、30分放置してもやっぱり辛いし、夕食で食べると、翌朝まで口の中から辛みが消えないんですね。
だいたい”辛い””苦い”ものは、農薬や化学肥料の使いすぎ。
辛くないのは、やっぱりオーガニックのものです。
辛いどころか生でも甘いし、翌朝まで口の中に味が残るなんてこともありません。

「毒素を排出し、同時に取り込まないようにするには、日頃から安全な穀物と野菜を中心とした食事を摂ることが大切です」とのこと。
農薬や化学肥料で作られたものは、有害金属を排出しても、他の有害物質を取り込んでしまう可能性が高いうえ、栄養価も低いと言われます。
デトックスには、やっぱりオーガニックが一番です。

ただ、デトックスやキレーションは、あくまで対処療法。
元をただせば、汚染の源は私たち人間です。
根本的な解決には、汚染物質の排出を抑える方法を考えることが求められます。
それには私たちの生活、経済、生産活動そのものを”オーガニック化”してゆくことが必要なのではないでしょうか?

環境汚染病

2005年08月09日 | 健康
最近流行のデトックス、とうとう「あるある大事典」でも出ましたね。
”排出機能が衰えているから、有害金属が溜まる”
”タマネギと水分摂取、運動で解毒を”
おおよそこんな内容でしたが、肝心の「有害金属はどこから体内に入り込むのか?」ということには一切触れませんでしたね。

私も最近、人体の金属汚染とデトックスについて、お医者さんに話を聞く機会がありました。
番組でもやっていた”毛髪ミネラル検査”のデータを集めてみると、興味深いことがわかると言います。

日本人は亜鉛が少なく、水銀が多い傾向にあるそうで、特にアトピーの人は、ほぼ例外なく亜鉛不足、水銀過剰なんだとか。

水銀が体に入る原因は、火山噴火の際に噴煙に含まれて飛び散るものが主でした。
しかし、アメリカ環境保護庁によると、人工的な汚染源が増えていると言います。
例えば、ごみ焼却炉、サーモスタット、歯の詰め物(アマルガム)などです。
また、環境中に出た水銀は、土壌や水中の細菌によって、メチル水銀を代表とする有機水銀に変化します。
この有機水銀がプランクトンから始まる食物連鎖に乗り、大型の魚や動物へ、最後には人間の体へ蓄積されるのです。
日本人の水銀の蓄積量は、欧米人の10倍とも言われています。
その原因と考えられているのが、魚を食べること。特に日本人が大好きなマグロは、アメリカ食品医薬品安全局が「高濃度のメチル水銀、ダイオキシンに汚染されている」と警告しています。

その他の有害金属の汚染源を挙げてみると、ベリリウムは大気汚染が主なもので、交通量の多い幹線道路沿いに住んでいる人は、高い傾向があるようです。
砒素は井戸水が主な汚染源でしたが、最近は除草剤や農薬によるものが増えています。農業従事者だけでなく、公園の近くに住む人にも高濃度で検出されるそう。
鉛は古い水道管が原因と言われますが、注目しなければならないのは毛染め剤。特に白髪染めに鉛やその化合物が使われています(リード、リードアセテート)。
アルミニウムはやはり調理器具や食器、缶が、カドミウムはタイヤの粉塵、車の排気ガスに加えて汚染された水や魚介類も原因です。

体に有害金属が溜まる理由は何か?もう環境汚染しか考えられません。

60代より下の世代は、有害金属の蓄積が目に見えて増えると言います。70代以上、とりわけ明治生まれの人は、有害金属の蓄積があまりなく、よいミネラルバランスだそうです。
これが、何よりの証拠ではないでしょうか?
60代より下の世代は、戦後の経済成長、大量消費社会の影で進む環境汚染の中で生きてきたのですから。

「いま、”生活習慣病”と言われているものは、本当はそんな生易しいものじゃなくて、有害金属が体内に溜まった挙句の”環境汚染病”ではないでしょうか?」
私がお話を聞いたお医者さんは、そう言っていました。

タカコ ナカムラさんのWhole Food

2005年08月07日 | フード
6年前、みなとみらいにあるクイーンズイーストの地下1階は、”デパ地下”のさきがけでした。
チーズやチョレート、スイーツ等の専門店やイタリアンのデリ、アジア料理のイートイン、高級スーパーが入ったフードコートで、いま中華街でみんなが飲んでいる”パール入りドリンク”も、最初はここからなんです。
あの頃のみなとみらいで最も面白かったスペースで、当時アルバイターだった私は、バイト帰りに毎日のように立ち寄っていました。

イベントスペースでは、2週間交代で全国のさまざまなお店や料理家のイートインが開設され、これが最大の楽しみでした。
ここのフードイベントに”Brown Rice”が参加したのが、タカコ ナカムラさんとの最初の出会いでした。
私はこの頃はもうオーガニックを追及し、自然食にも関心を持っていたのですが、世間一般はまだまだ「自然食って、オーガニックって、なに?」という時代でしたから、”ああ、こういうことをやっている人がいて、デパートも取り上げてくれるんだ”と、うれしく思ったものです。

翌年、”Brown Rice”がクイーンズイーストのフードコートにデリとイートインのお店”Vege Deli”をオープン。私は開店当初から常連になりました。
ナカムラさんのベジタリアンメニューはマクロビオテックをベースにしながらも、バターを使うものもあり、厳格な玄米菜食ではなく柔軟性があるところも好感が持てました。
私がいちばん好きだったのは「Vegeカツ」。
じつは”肉大好き”の私は、グルテンミートなどの植物たんぱく料理にどうしても満足できませんでした。
あっさりしすぎ、うまみに欠けるのです。
ところが、「Vegeカツ」は、まるで本当の肉のようなおいしさでした。

どこが違うのか?それはナカムラさんオリジナルのマリネ液に秘密がありました。
オレンジジュースをベースに、しょうが、にんんく、オリーブオイル、醤油を加えたマリネ液にグルテンミートや厚揚げを漬けておくのです。
それから調理すると、あら不思議。植物たんぱくも肉とまごうばかりのおいしさに!

翌年、クイーンズイーストの地下1階は全面改装されることになり、”Vege Deli”も閉店を余儀なくされてしまいました。
本当にがっかりしましたね、あのときは。
いまでも地下1階があの頃のままだったら、みなとみらいの新住民御用達になっていたはずですが・・・。

それから2年後、表参道のニールズヤード・レメディーズの本店に、ナカムラさんプロデュースの”Brown Rice Cafe”がオープン。たくさんのお客さんを集めていることはうれしい限りです。
表参道に来たとき、時間があれば必ず寄っています。
ここでよく食べているのが、”Vegeバーガー”。これ、肉好きな人にも絶対おすすめです!豆腐がベースだなんて思えませんよ。

「自然食」というと、ストイックで、”あれはダメ、これはダメ”と、なんでも否定するように思われがちです。
ナカムラさんいわく「自然食とは”非化学食”なんです」。
そう言われれば、否定ではなく、”なにを食べるのか、選ぶのか”ということが簡単にわかりますよね。

遺伝子組み換えが「モンスター」を生む

2005年08月01日 | オーガニックライフ
「遺伝子組み換え作物の主流は、害虫や特定の農薬に強い遺伝子を組み込み、農薬と種、苗をセット販売することです。
しかし販売手法への批判や、”葉をかじった虫が死ぬ”という話から、安全性を疑問視する声もあり、最近では人間が食べてきた植物の中から、病害虫に強い遺伝子を組み込む作物が出てきました。
ところが、「歴史的に安全が証明されているもの同士の組み合わせだから安全」と言い切れないのが、遺伝子組み換え作物なのです。

「品種改良」と「遺伝子組み換え」は、まったく違います。
「品種改良」は、長い時間をかけて行われ、自然が淘汰した結果残っているものです。加えて”異種”同士では行えません。
例えば、いくら近い間柄でも、人間とチンパンジーの間に子供はできませんよね。
ウマとロバを掛け合わせた「ラバ」や、ライオンとヒョウを掛け合わせた「レオポン」は、次の世代を残すことができません。
本来2倍体である染色体が3倍体だから、いわゆる「不稔」です。

「遺伝子組み換え」は、歴史や自然の淘汰を経ていないうえ、自然界ではありえない組み合わせが可能です。
最初は上手くいっても世代を重ねれば、突然変異で有害な物質を内包するものが出てくることだって考えられます。加えて環境中に種や花粉が飛び出せば、従来の作物や自然に自生する植物との交配が起こることは避けられません。
その結果、人智や科学では対応しきれない「モンスター」が現れることも考えられるのです。

また、ピーナッツの遺伝子を入れた大豆で作られた豆腐を食べたことがきっかけで、大豆アレルギーになった人がいると聞いたことがあります。
つまり、遺伝子組み換え作物は、食べた人間の体質をも変化させてしまう可能性があるということです。

「遺伝子を組み換えて病気や害虫に強い品種を作れば、農薬の使用量を減らせる」
「遺伝子組み換えで収量をアップすれば、途上国を飢餓から救える」
思わずうなずいてしまいそうですが、本当にそうなのでしょうか?

「オーガニック」が遺伝子組み換えを否定するのは、自然の仕組みそのものに人間が手を加えてしまうからです。
目先の利益や都合ばかりを優先させる浅はかな考えで”本質”をいじってしまえば、必ず大きなしっぺ返しがきます。