Be Organic

女性の美と幸福の源は オーガニックです

”戦略”なき雑誌の迷走 

2007年02月16日 | オーガニックライフ
メイン特集を”料理”にしたがるのも、彼らに”女性=料理”という固定観念が根強くあり、同時に料理しか理解できないから・・・ということもわかってきました。

コスメの成分追求の先鋒を自任しながら、実際は旧表示指定成分に固執し、合成界面活性剤、合成保存料、化学成分全般の非難に終始していました。そしてコスメの記事では「植物成分の有効性」を強調することが求められました。
「薬事法で、植物成分の効果は言っちゃいけないことになっているのよ。私たちは本当に効果があるのに言えない状況をどうにかしたいの。それで植物のすばらしさを伝えるのよ」というのが理由でした。

旧表示指定成分や合成界面活性剤、合成保存料などの危険性を訴えることは大事です。でもただ言い募るのでは、芸がありません。
植物成分の有効性はもちろん認められるべきですが、それを強調すると、一般女性誌のコスメ特集と何ら変わらない記事になってしまいます。

科学的、客観的、法的に有害性が指摘されている成分については、はっきり指摘すること。難しい成分でも調べて、わかりやすく説明すること。一般女性誌が決してできないこれらのことをきちんと書き、その上で「オーガニックであることの意義」と「植物成分の有効性」を訴えることが、オーガニックマガジンの役目であり、個性ではないのか・・・。

そんな私の話を、社長も編集長も聞いてくれませんでした。
彼らも結局、”わかろうとする努力”をしなかったのです。だから化学成分の問題から逃げたのです。

雑誌は部数も伸びず、ただでさえ少ない広告収入も減ってゆきました。
広告が入らない雑誌がやることは、通販事業です。
そうすると、「通販で取り扱っている商品の情報を必ず記事に入れるように」といわれるようになりました。
良い商品やブランドを見つけて”誌面で紹介したい”といっても、通販で取り扱わないものが誌面に載ることはありません。
当然のことながら、誌面に出てくるブランドや商品は毎号同じ。絵的にもバリエーションがなく、雑誌として見ているとつまらないものになってしまいます。
通販優先の誌面づくりに異を唱えると、「タダで商品を宣伝してやることはない」と返ってきて、唖然としました。
そんな高飛車なことをいえる立場でしょうか・・・?

掲載商品の問い合わせ先を載せようとすると、「こっちで買ってくれなくなる」といわれ、カットされてしまいます。
その結果、商品に関する問い合わせが全て編集部に来てしまい、その対応で仕事にならなくなることもありました。

”戦略”を考えなかった雑誌は”ビジョン”も失い、完全な迷走状態に陥っていました。