月曜日の夜、NHKの「英語でしゃべらナイト」に出演した特殊メイクの第一人者、スクリーミング・マッド・ジョージ氏の言葉の中で、印象に残った言葉です。
ジョージ氏はニューヨークのアートスクールで、教授から”売れるアート”の重要性を説かれました。
しかし「それってSell Outやん!」と反発を感じ、自分がやりたいことを追求する決心をしたと言います。
”Sell Out”は、「売れ線狙い」「商業主義」「魂を売り渡す」ということです。私の悩みのひとつです。
ライターとしてのキャリアや収入を上げる早道は、女性誌や美容誌に大手化粧品会社の記事を書くことです。化粧品会社が多額のお金を、広告費として投入しているからです。最新情報や資料などももらえます。
名のあるモデルさんや女優さんが、有名ブランドの化学物質だらけのコスメを宣伝し、使うのはあくまで”仕事”だからです。プライベートではオーガニックコスメを使っている人が少なくないと言います。
ある女性誌の編集長さんから「たとえ”ちょうちん記事”でも、学ぶことはあるわよ」と諭されたこともあります。
本心では”こんなの良くない”と思っても、それを悟られないように、先方の期待に応じて賞賛する記事を書く。それが”プロ”なのだとも思います。
でもやはり「それってSell Outやん!」と思ってしまうのです。
いつもブランド化粧品を勧める記事を書き、コメントをしている美容ライター、ジャーナリストが最近、急にオーガニックコスメや自然療法スパを紹介しだしたのを見ると”何か違う”と感じます。
「Organic-本質」を追求した、気づいた結果とは思えないからです。
化学物質だらけのコスメに疑問を感じ、肌にも環境にも害を与えないコスメを真摯に、誠実に作り続けているのは、ほとんど中小企業です。大手の宣伝攻勢や役所がかける不利な規制と闘い、経営を続けています。
有名化粧品会社や製薬会社に目をつけられ、中にはやむをえず”Sell Out”してしまったところもあります。
本当にオーガニックなものが売れて、オーガニックが成功できる世の中を作りたい。それが私の目標です。