まあどうにかなるさ

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『PERFECT DAYS』

2024-02-10 16:38:28 | 映画
ドイツのヴィム・ベンダーズ監督、役所広司主演の日・独合作映画『PERFECT DAYS』を観た。
浅草に住むトイレ清掃員の日々の生活を淡々と描いた作品。
一人暮らしの中年男性の主人公は早朝から彼の住むアパートから軽自動車に乗って公園などのトイレ清掃に向かう。後輩から丁寧すぎると言われるほど完璧に仕事をこなし、帰りに地下の大衆酒場でチューハイを飲むのが日課だ。神社の境内で見つけた木々の芽を自宅でいくつも大切に育てている。古いカセットテープとラジカセを愛し、フィルムカメラで木漏れ日などのモノクロ写真を仕事の合間に撮影する。週に一度古本の文庫本を買い、行きつけのスナックへ足を運ぶ。
退屈そうな毎日だけど、時々見せる笑顔は実に幸福そうだ。
久しぶりに会った金持ちの家に嫁いだ妹から「本当にトイレ掃除してるんだ」と言われるが、その経緯は描かれない。
ストーリーはほとんどないに等しい。ドラマティックな展開もSFチックな仕掛けもないが、124分を短いとは感じない映画である。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されている。


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