先日、同僚と飲んでいたとき、演歌の話しになった。
僕も彼も、演歌はほとんど聴かない。
カラオケで歌う程度。
演歌を好んで聴く世代は、僕らよりさらにひとまわりほど上の世代。
このまま演歌世代が歳をとっていくと、演歌は絶滅してしまうかもしれない。
などと二人で話していた。
それにしても、好き嫌いは別として、最近、いいなと思う演歌がない。
昔は、いい歌が多かった。
二人が真っ先にあげた歌が石川さゆりの「天城越え」
女の業を歌った、重々しい歌である。
演歌でなければとても歌えないような言葉が並ぶ。
「誰かに盗られるくらいなら、あなたを殺していいですか」などと怖いくらいの情念がこれでもかというくらいに描かれている。
人目を忍んで、恐らく不倫旅行に来た二人。
男の方は少し醒めているが、女は男を求め続けている。
歌詞の中で「山が燃える」という表現がある。
同僚は、紅葉の事だと言った。
そういうことなのかなあ~?
僕は、男の肩越しに山を見ている事や歌詞の流れから、別な解釈をしていました。カラオケでこの歌を歌う女を見て、この人は歌詞の意味が解っているのだろうか?
などと思っていました。
つまり、女性のエクスタシー・・・
でも、歌詞の解釈は、例え作者の意図がどうであろうと、それぞれ自分なりの解釈をしていいと思う。
「山が燃える」
あるいは夕焼けのことかもしれないし、作者はいろんな意味を持たせたのかもしれない。
江戸時代、江戸から駆け落ちをした男女が、上方へ逃れようとするには、箱根の関所を避ける必要がある。そのためには伊豆半島を横切り、天城山系を越えることになる。
というような話しを、以前、聞いた記憶がある。
「あなたと越えたい、天城越え」
この歌詞は、あなたと添い遂げたいという意味があるのかもしれない。