ビロウな話で恐縮です日記

日常の隙間を埋める試み
と仕事情報

分類

2010年07月26日 02時34分15秒 | 日常
某さんがかつて参加した社員旅行で、ちょっとした事件が起こった。
某さんの上司であるAさんとBさん(どちらも男性)が一緒に大浴場へ行った。Bさんが風呂から上がると、すでにAさんの姿は脱衣所になく、Bさんのパンツも籠から消えていた。Aさんが誤ってBさんのパンツを穿いていってしまったのであった。
その話を聞いたパンイチくんと私は、あまりのツッコミどころの多さに頭を抱えた。
「ちょっと待ってくださいよ。Aさんが穿いてきたパンツは、どこに行ったんですか」
「不明です」と某さん。
「だいいち、なぜAさんはパンツを取り違えたんですか。Bさんとおそろいのパンツだったってこと?」
「不明です。というか、いろいろ理解不能です」と某さん。
「いったいどういうひとたちなんですか?」と、パンイチくんは怪訝そうだ。私はたまたま、AさんともBさんとも面識があったので、二人のひととなりについて説明した。
「Aさんは、常に根拠のない自信に満ち満ちているひとです。Bさんは、戦略にも戦術にも秀でていないヤン・ウェンリー(『銀河英雄伝説』)みたいなひとです」
「おお~、まさにそのとおりの人物!」と、某さんは私のたとえを称賛してくれたが、
「戦略にも戦術にも秀でていないヤン・ウェンリーなんて、ヤン・ウェンリーじゃないじゃないですか」と、パンイチくんは不満そうだった。
「まあとりあえず、わかったことがあるね」
私は称賛にも不満にも足を取られることなく、冷静に分類してみせた。「ひとは二種類にわけられる。他人のパンツを穿くやつと、他人にパンツを穿かれるやつだ」
「ええー」
「二つにしか分類されないんですか?」
今度は某さんもパンイチくんも、等しく不満そうだ。
「しかたがないな。じゃあ、もうひとつ分類項を増やすよ。ひとは三種類にわけられる。他人のパンツを穿くやつと、他人にパンツを穿かれるやつと、自分のパンツしか穿かないやつだ」
「分類法に異議あり!」
「どうして、一番まっとうな行いをしてるひとが、一番偏屈で器の小さい人間みたいに見える分類のしかたなんですか!」
自分のパンツにこだわらず、いまそこにあるパンツを穿け。
分類するうちに、実用書の見出しになりそうな悟りを得た私なのだった。