王子の誕生で、一躍ヘンリー王子とメーガン妃の消息が伝わってきて憂鬱です。
離婚歴に関しては、マーガレット王女もわずか14歳で、離婚歴のある16歳年上の陸軍大佐と恋に落ち、周囲の反対をよそに 突っ走ったこともあり英国王室のしどけなさは今に始まったことではなく、美化されすぎている嫌いのあるダイアナ妃も、亭主が不倫したからといって自分も奔放に他の男に走ったり、日本人の倫理観からすると、好感ばかりではありません。
まだ幼い王子たちがいるのに、宮殿を出てからのセックスのにおいが濃厚な、民間男との画像がさらされるなど母親としていかがなものか、と。
チャールズ王子が不倫相手を王室に引き入れるなども、日本人の潔癖感からは程遠いことです。平然と入り込む女も女で薄汚いです、けじめがなくて。
ただ王子たちも日本人の感性の持ち合わせはなく、あっけらかんとしているのだろうし他国の王室のことなど口出しする権利もないし、本来どうでもいいことです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190509-00000052-yonh-kr
ただ憂慮するのは、王室と皇室の成り立ちの基本的差異さえ心得ず、王室はこうだからと、愛子さま天皇擁立をしたり顔で述べる無知の手合が結構いることで、あながち他人事とも捨て置けないのです。
メーガン妃の、伝統壊しとそれまでの男女の位置を入れ替えたようなお振る舞い、要するに男女同権なのよ、私はバツイチだけど何の引け目もないし、というけろっとした様子を見てうんざりするのは、これも皇室に当てはめて論じる手合が日本で利用することが容易に想像できるからです。
この流れの行き着く先は、皇太子妃にバツイチ子持ち女で何が悪い、本人同士が愛し合っているならいいではないか、という極論です。
あからさまに書いてしまうと、皇室に非処女やバツイチが避けられるのは皇后となるお方の秘所や寝室でのあれこれを民間の男に知られていては、清らかさと威厳が失せるのです。それでも非処女が入内しちゃってますが。
愛子さま天皇擁立論の危うさについては、週刊新潮最新号に片山杜秀氏が「決められる天皇と決められない天皇」というタイトルで寄稿しています。
論調はストレートな女性女系天皇擁立論への批判ではなく、斜め視線での筆致です。
岩倉具視と板垣退助をこの国の天皇の形、国の形をデザインした人物として上げています。公家の岩倉は、天皇が征夷大将軍的存在に再び押し退けられることのない国造りを目指した、と。
長州藩士であった伊藤は天皇を仰ぎつつ、自分たちの権力が長続きする国を臨んだ、と。
そのためにどうするか。天皇の偉さを国民に刷り込むための「大日本帝国憲法」の誕生。他文章を割愛しますが、国民を天皇で縛るだけでなく「天皇を法で律するべきだ」という箇所がミソです。
孝明天皇が、現実には不可能な西洋諸国打ち払いを唱え続けたゆえに幕末の大混乱が生じた、というのが片山杜秀氏説です。
こうも書いています。
天皇を滅ぼしうるのは、反天皇主義者たちよりも、しばしば天皇自身だ。
屈折した片山氏の文章を鵜呑みにして、自らの論に援用するのはフェアではないかもしれないので、気になる人は原文を参照してください。
大日本帝国憲法は、表向きには天皇に大権を集中する。だが解釈と運用で、天皇本人をなるたけ黙らせておく。
これも天皇制日本国の維持のための知恵と解釈してもよいでしょう。現在は逆行しているし、憲法改正論者たちの99%が上皇が憲法護持論者であることは見て見ぬふり、それどころか改正憲法には国家元首として据えるべしと、怖ろしいことを主張するその盲目さかげん。
以下の記述も重要です。
退く天皇が、後継ぎをどの皇子にしたいと選り好みしたとする。反対勢力があれば、南北朝時代の再現になりかねない。
まさに、今の状態です。もっとも、現代では天皇ではなく天皇を実質率いた女帝としての上皇后の主張です。
片山氏いわく、
対策は、天皇の自由意思では退位や後継ぎの指名を出来なくすることだ。
崩御するまで辞めさせない。皇位継承順も法で決める。皇室典範が、伊藤の主導で作られた所以である。
岩倉と伊藤の思想は、敗戦を超えて延命してきたと思う。「象徴天皇も黙って御名御璽」「辞められません、崩御するまでは」。肝心要はずっと同じだった。
だが革命は起きた。今回の代替わりはとてつもなく新しい。日本はきっと大きく変わる。吉と出るか、凶と出るか。
・・・・・と片山氏は判断を読者に委ねた書き方をしていますが、筆致からは明らかに「凶」であるとブログ主は読みました。そして、明らかに現在の流れでは凶です。
「生前退位」が常日頃は、安倍総理を含めた憲法改正を唱える保守勢力にアンチの前天皇に依るご謀反であり、歴然と憲法違反を侵されたことは繰り返し述べておきます。
生前退位に無邪気に賛意を示す無知国民が80~90%もいる状態では政権も歯向かえず、また天皇の憲法違反を国民の目にあらわにしては天皇制そのものが崩壊します。だから、四苦八苦してその弥縫策としての「特措法」、退位式、即位式、「剣璽等承継の儀」を切り離すなどの措置。
国民は気づかぬまま、無邪気に「お疲れ様、ありがとうございました」「天皇陛下の御即位ばんざい」「雅子さまご無理なさらぬよう」の連呼。
神風吹かぬ限り、皇室はその実質的意味において崩壊です。行儀の悪い英国の王室状態へ限りなく堕ちつつ、宮中祭祀は失せ、当分は文字通り「制度」として続くのでしょう。世界のプロトコルで3トップにある皇室は、時の権力者に使い勝手がいい存在だからです。たとえ左翼政権に変わっても。
しかし日本民族にとって天皇はそんな制度上の便宜的存在ではありません。もっと根源的な慕わしさをその「無私」のあり方から感じ取りお互いを尊崇しあって来ました。お互いを、です。
天皇が国民の意見を二分するようなことにお口出しはなりません。統合の対極になられてしまいます。女性天皇擁立論も同じことです。
崩御、即位、男系男子という伝統に基づく原理原則を破壊することは、天皇自らによってなされる皇室破壊と同義です。
ちなみに繰り返し書いていることですが秋篠宮家を100%肯定しているわけではありません。所詮GHQ的カトリック史観をお持ちの上皇后陛下のご教育の影響下に秋篠宮殿下もお育ちで、内親王お二人の不心得の源流は上皇后陛下にあります。秋篠宮殿下のリベラルな教育方針を撃つ人は、まず上皇后陛下に視線を向けるべきです。
それでもなお・・・・
秋篠宮殿下は時機を心得ぬ放言で要らざる批判を浴びたりなどなさっているにせよ、公務遂行には黙々と生真面目、新天皇のような上皇、上皇后口移しの、お立場を離れたその本質的意味での護憲発言や、中韓に資するご発言はなく(それゆえ上皇、上皇后の覚えはめでたくないのですが)、新天皇とその創価妻よりは100倍マシと、これも言い続けています。
祭祀も黙々とおやりだろうし、それを遂行するだけの健康をお持ちです。
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祓え給い、清め給え、神(かむ)ながら守り給い、幸(さきわ)え給え