前回、クリスマスシーズンにブライアン・アダムスの「クリスマス・タイム」を紹介しましたが、この85年の全米1位ソング「ヘヴン」は一生モンのLove Balladです。
ブライアン・アダムスはカナダ出身のロック・アーティスト。カナダの国民的なスーパースターといってもいいでしょう。彼のデビューのきっかけを作ったのが、この「ヘヴン」の共作者でもあるジム・ヴァランス。ブライアンが17歳の時、レコード・ショップでたまたま出会い意気投合したといいます。ジムは、プリズムというバンドでも活躍したミュージシャン、ライターだった。ブライアンと出会った頃は、バンドも脱退し、ライター、アレンジャーとして活動していた。そんな彼が17歳のブライアンとパートナーを組むことになる。
その頃から光るものがあったのでしょうね。年上で経験豊富なビルが主導権を握るのが当然のように思うのですが、ビル曰く「ブライアンは生意気な奴だった。アイデアがあっても曲にする事ができずにいた」と。そんなビルの導きでブライアンはその才能を開花させる事ができた感じ。
2人で多くの曲を作り、レコード会社に送ったそうですが、返事が来たのがA&Mだけだったそうです。そしてまずブライアンは19歳の時、ライターとしてプロ契約をするのです。ここは注目です。ブライアンのちょっとハスキーVocalも魅力的、ボーカリストととしての力量も相当なものだと思うのですが、その後の彼の曲をみるとライターとしての才能も半端じゃない。レコード会社も彼のライターとしての才能に最初に目をつけたというのがブライアンのライターとしての力量の凄さを感じる。
すぐにボーカリストとしての才能も認められ、アーティスト契約となり、80年『Give Me Your Love』を発表。デビュー曲、「Let Me Take You Dancing」はカナダのチャートで1位になるも、元々POPソングだったこの曲がディスコ調でアレンジされたのを聞いて、気が抜けたと本人の弁。その後、81年2nd『You Want It You Got It』を発表、そして83年『Cuts Like A Knife』からの美しく力強いラブソング「Straight From The Heart」が初めてビルボードTop10に入る。
そして、85年の4th『Reckless』で大ブレイクを果たすことになります。ブライアンも80'Sを駆け抜けたロッカーだと思います。USAではブルース・スプリングスティーンやヒューイ・ルイスがバカ売れしていました。ご存知の通りROCKには傾倒しなかった私ですが、ブライアンは違った。彼の美しいラブソングとボーカルに魅了された。バラードだけではない、ティナ・ターナーとの「It's Only Love」や「Run To You」のエッジの効いたロックSpritsにもしびれた。
がやはり「Heaven」は別格です。実は結婚式の時に流したかった曲は、Jam&LewisやMJの曲ではなくこの「ヘヴン」だったのですが、父親の強い希望でセリーヌ・ディオンのベタな曲で入場したおれでした(泣)。
元々この「ヘブン」は映画『ア・ナイト・イン・ヘヴン』の為に書かれた曲だそうで、83年に発売されたサントラにも収録された曲(映画もサントラも知らない)。ちょうどその頃、アルバム『Cuts Like A Knife』がヒット、前述の「Straight From The Heart」が初のTop10ヒット、この曲とともに「ヘヴン」もRadioで取り上げられたそうですが、シングル化にはブライアン自身も乗る気ではなく、レコード会社も見送ったそうです。
そして大ヒットする事になる『レックレス』。このアルバムからは6枚のシングルヒットが生まれます。
「ヘヴン」は、『レックレス』に収録されますが、3枚目のシングルとしてやっとカットされます。こんなに素晴らしいバラードなのに、ブライアン自身はシングルに消極的だったようです。元々が気乗りしなかった映画(自体もヒットせず)の為に書いた曲だったからなのか、それとも逆にとても大事な曲だったからなのか、どっちなんだろう。ただ83年に世に出てから、ずっと素晴らしい曲といわれていたこの曲がついにシングルになり、そしてやはりこの美しく力強いバラードは多くの人の心をつかみ全米1位も獲得するのです。
Baby ぼくが欲しいのは君だけ
君を抱いて横たわっているとね
信じられない気分になるんだ
僕らは天国にいるようだよ
長い間 待っていたんだ
何かが起こる事を
愛がやってくることを
つらい時も楽しい時もあったけど
今 やっと僕らの夢が叶ったよ
僕はずっと君のそばにいる事を誓うよ
20代の若者のエネルギーと愛がみなぎるLove Balladです。ギターのエッジも効いていますが、シンセの音色もこの曲にかかせない。
これまで何回この曲を聞いた事でしょう。
この「ヘヴン」はLiveバージョンがいくつかあり、それもまたとても魅了される。
まず88年に発売された『Live Live Live』。『レックレス』を中心に構成されており、この頃のブライアンのエネルギーもビンビンに感じる事のできる名盤Live。ライブで聞く「ヘブン」もしびれます。日本限定で発売された『Hits On Fire』にも「Heaven」のLive盤が収録されています。前述のLive アルバムと違います。こっちはちょっと荒々しいVocalです。
90年代半ば、アンプラグドムーブメントが起きた。打ち込みではない、生楽器をベースにしたシンプルなスタイルの良さが見直された。そしてブライアンのアンプラグド盤です。ブライアンこそアンプラグドにピッタリ。(ジョージ・マイケルもそう思った)曲の良さとボーカルの素晴らしさを再認識させられる。そしてもちろん「ヘヴン」も収録されています。エレキギターではない、アコースティックギターでの演奏です。このバージョンで異色というか、これまでにない音がアイリッシュのフルートのような民族楽器が使用されており、間奏部分で入ります。ちょっと好みは分かれますかね。
で、私も最近購入したこのライブ盤。2010年発売、ブライアンも52歳ですが、ボーカルの衰えは感じない。このライブ盤は、前述のMTVアンプラグドよりもさらにシンプル。アコギとピアノという編成です。で、このシンプルさが最高です。映画『ロビンフッド』の主題歌としてメガヒットした「I Do It For You」、スティングとロッド・スチュワートと共演した『三銃士』のテーマソング「All For Love」も演奏、Jam&LewisがProduceした「Here I am」も楽曲の良さがわかる。ブライアンのヒット曲がほぼ歌われています。「Straight From The Herat」は出だしから観客が大合唱です。こんな自然な感じで歌い手と観客が一体となっているライブCDも知らない。愛が満ち溢れている。これ聞いただけで、気持ちが暖かくなって涙がこぼれそうになる。
そして「ヘヴン」です。やっぱギターだけでなくピアノとの組み合わせがいい。ピアノソロの「ヘヴン」も聞いてみたい。相当美しいだろうな。
ブライアン、50歳過ぎてBabyを授かったそうです。なんて素敵な事でしょう。
ブライアン・アダムスはカナダ出身のロック・アーティスト。カナダの国民的なスーパースターといってもいいでしょう。彼のデビューのきっかけを作ったのが、この「ヘヴン」の共作者でもあるジム・ヴァランス。ブライアンが17歳の時、レコード・ショップでたまたま出会い意気投合したといいます。ジムは、プリズムというバンドでも活躍したミュージシャン、ライターだった。ブライアンと出会った頃は、バンドも脱退し、ライター、アレンジャーとして活動していた。そんな彼が17歳のブライアンとパートナーを組むことになる。
その頃から光るものがあったのでしょうね。年上で経験豊富なビルが主導権を握るのが当然のように思うのですが、ビル曰く「ブライアンは生意気な奴だった。アイデアがあっても曲にする事ができずにいた」と。そんなビルの導きでブライアンはその才能を開花させる事ができた感じ。
2人で多くの曲を作り、レコード会社に送ったそうですが、返事が来たのがA&Mだけだったそうです。そしてまずブライアンは19歳の時、ライターとしてプロ契約をするのです。ここは注目です。ブライアンのちょっとハスキーVocalも魅力的、ボーカリストととしての力量も相当なものだと思うのですが、その後の彼の曲をみるとライターとしての才能も半端じゃない。レコード会社も彼のライターとしての才能に最初に目をつけたというのがブライアンのライターとしての力量の凄さを感じる。
すぐにボーカリストとしての才能も認められ、アーティスト契約となり、80年『Give Me Your Love』を発表。デビュー曲、「Let Me Take You Dancing」はカナダのチャートで1位になるも、元々POPソングだったこの曲がディスコ調でアレンジされたのを聞いて、気が抜けたと本人の弁。その後、81年2nd『You Want It You Got It』を発表、そして83年『Cuts Like A Knife』からの美しく力強いラブソング「Straight From The Heart」が初めてビルボードTop10に入る。
そして、85年の4th『Reckless』で大ブレイクを果たすことになります。ブライアンも80'Sを駆け抜けたロッカーだと思います。USAではブルース・スプリングスティーンやヒューイ・ルイスがバカ売れしていました。ご存知の通りROCKには傾倒しなかった私ですが、ブライアンは違った。彼の美しいラブソングとボーカルに魅了された。バラードだけではない、ティナ・ターナーとの「It's Only Love」や「Run To You」のエッジの効いたロックSpritsにもしびれた。
がやはり「Heaven」は別格です。実は結婚式の時に流したかった曲は、Jam&LewisやMJの曲ではなくこの「ヘヴン」だったのですが、父親の強い希望でセリーヌ・ディオンのベタな曲で入場したおれでした(泣)。
元々この「ヘブン」は映画『ア・ナイト・イン・ヘヴン』の為に書かれた曲だそうで、83年に発売されたサントラにも収録された曲(映画もサントラも知らない)。ちょうどその頃、アルバム『Cuts Like A Knife』がヒット、前述の「Straight From The Heart」が初のTop10ヒット、この曲とともに「ヘヴン」もRadioで取り上げられたそうですが、シングル化にはブライアン自身も乗る気ではなく、レコード会社も見送ったそうです。
そして大ヒットする事になる『レックレス』。このアルバムからは6枚のシングルヒットが生まれます。
レックレス | |
クリエーター情報なし | |
USMジャパン |
「ヘヴン」は、『レックレス』に収録されますが、3枚目のシングルとしてやっとカットされます。こんなに素晴らしいバラードなのに、ブライアン自身はシングルに消極的だったようです。元々が気乗りしなかった映画(自体もヒットせず)の為に書いた曲だったからなのか、それとも逆にとても大事な曲だったからなのか、どっちなんだろう。ただ83年に世に出てから、ずっと素晴らしい曲といわれていたこの曲がついにシングルになり、そしてやはりこの美しく力強いバラードは多くの人の心をつかみ全米1位も獲得するのです。
Baby ぼくが欲しいのは君だけ
君を抱いて横たわっているとね
信じられない気分になるんだ
僕らは天国にいるようだよ
長い間 待っていたんだ
何かが起こる事を
愛がやってくることを
つらい時も楽しい時もあったけど
今 やっと僕らの夢が叶ったよ
僕はずっと君のそばにいる事を誓うよ
20代の若者のエネルギーと愛がみなぎるLove Balladです。ギターのエッジも効いていますが、シンセの音色もこの曲にかかせない。
これまで何回この曲を聞いた事でしょう。
この「ヘヴン」はLiveバージョンがいくつかあり、それもまたとても魅了される。
Live Live Live | |
クリエーター情報なし | |
A&M |
まず88年に発売された『Live Live Live』。『レックレス』を中心に構成されており、この頃のブライアンのエネルギーもビンビンに感じる事のできる名盤Live。ライブで聞く「ヘブン」もしびれます。日本限定で発売された『Hits On Fire』にも「Heaven」のLive盤が収録されています。前述のLive アルバムと違います。こっちはちょっと荒々しいVocalです。
MTV アンプラグド | |
クリエーター情報なし | |
ポリドール |
90年代半ば、アンプラグドムーブメントが起きた。打ち込みではない、生楽器をベースにしたシンプルなスタイルの良さが見直された。そしてブライアンのアンプラグド盤です。ブライアンこそアンプラグドにピッタリ。(ジョージ・マイケルもそう思った)曲の良さとボーカルの素晴らしさを再認識させられる。そしてもちろん「ヘヴン」も収録されています。エレキギターではない、アコースティックギターでの演奏です。このバージョンで異色というか、これまでにない音がアイリッシュのフルートのような民族楽器が使用されており、間奏部分で入ります。ちょっと好みは分かれますかね。
Bare Bones | |
クリエーター情報なし | |
Decca U.S. |
で、私も最近購入したこのライブ盤。2010年発売、ブライアンも52歳ですが、ボーカルの衰えは感じない。このライブ盤は、前述のMTVアンプラグドよりもさらにシンプル。アコギとピアノという編成です。で、このシンプルさが最高です。映画『ロビンフッド』の主題歌としてメガヒットした「I Do It For You」、スティングとロッド・スチュワートと共演した『三銃士』のテーマソング「All For Love」も演奏、Jam&LewisがProduceした「Here I am」も楽曲の良さがわかる。ブライアンのヒット曲がほぼ歌われています。「Straight From The Herat」は出だしから観客が大合唱です。こんな自然な感じで歌い手と観客が一体となっているライブCDも知らない。愛が満ち溢れている。これ聞いただけで、気持ちが暖かくなって涙がこぼれそうになる。
そして「ヘヴン」です。やっぱギターだけでなくピアノとの組み合わせがいい。ピアノソロの「ヘヴン」も聞いてみたい。相当美しいだろうな。
ブライアン、50歳過ぎてBabyを授かったそうです。なんて素敵な事でしょう。