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LA&BABYFACE Part3

2010年05月05日 | Producer
  
 伝説的なProducerコンビLA&BABYFACEのProduce作品紹介の3回目(最終回)です。R&BでNo1ヒットを連発。POPチャートでもTop10入りを連発。90年には、ホイットニー・ヒューストンでついにHot100で1位を獲得。勢いに乗るこのコンビは、次にアリスタ傘下に自身のレーベル、LA'FACE(ラフェイス)レーベルを立ち上げます。 

Exclusivity / Damian Dame 91.7
Damian Dame

La Face

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 LA'FACEレーベルの第一弾アーティストは、無名の新人ダミアン・デイムです。新レーベルからの最初のアーティストという事で、ラフェイスレーベルの方向性も見えてきますが、これまでのちょっとワンパターン的なLA&BABYFACEとはちがいます。音が厚くなり、さらにHip Hopのエッセンスも加わります。この辺のサウンドプロダクションは、さすがLAリードです。
 ダミアン(♂)とデイム(♀)の男女のデュオ。ダミアンはボーカルだけでなくRapもできます。さらに曲も書ける。(LAたちとはDeel時代からつながりがあったみたい)デイムのボーカルも魅力的。このアルバムはLA'FACEの音だけでなく、簡単にLA'FACEに染まらないダミアン・デイムの個性もみえます。
 LA'FACEレーベルの門出を飾るシングル「Exclusivity」は見事にR&B1位(Hot100-42位)を獲得します。個人的に大好きな「Right Down To It」はR&B2位。ダミアンのソロ、デイムの独特の情感のこもったバラードも魅力的。2人のデュオのダンス曲もあり、いろいろな角度で楽しめるアルバムだと思います。
 すごく可能性をもったコンビでしたが、2ndの前にデイムが事故死。ダミアンもソロ発表後亡くなったそうです。残念です。しかしこのアルバムは彼らの才能が凝縮された作品です。

ユー・セッド

BMG JAPAN Inc.

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 そしてLA'FACE第2弾アーティストに、なんとマイケルの兄、ジャーメイン・ジャクソンが登場します。ラフェイスとしても、かなり力をいれて制作した1枚。ジャーメインの野心も見え隠れする作品でもあり、完成度高いです。これまでこれほどLA’FACEが力をいれて制作したアルバムはなかったと思います。
 ジャーメインもこのアルバムが完成したとき、「自分の時代が来る」という確信をもったのではないかと思うのですが、ヒットメーカー請負人のこのチームをしても、ジャーメインを大ブレイクさせる事はできなかったのです。
 このアルバムはすごく可能性をもった作品だと思いますが、シングル曲の選定がほんと大失敗だと思います。89年の前作では「Don't Take It Personal」という大人のラブバラードがR&B1位を獲得しましたが、このアルバムからの1st「You Said You Said」は、180度路線変更のDanceナンバー。LA'FACEがNJSを意識して制作したのを感じますが、ドラム音が、聞いてて感覚的に耳に痛い。楽曲的にも、力のいれようが逆に空回りしている印象もうけます。そしてチャートもR&B25位。Hot100ではランクインもしません。個人的には、アルバムの中で一番好みでない曲が1stシングルとしてきられました。1stがこけたのがこの後にもひびきます。
 そして当初から話題になっていた弟・マイケルへ向けたメッセージソング「word to the badd」も正式にシングルカットされますが、世間的にはこの曲がマイナスに受け止めらたように思います。理由はわかりませんが、マイケルを傷つけた修正前のバージョンがどこからかもれてRadioで流れてしまいます。メディアは楽曲より、兄と弟の確執を話題にした。R&Bで88位、HOT-100で78位のチャートイン。楽曲自体はエッジがきいてかっこいい。でも多くの人はセンセーショナルな所しか目が行かなかったのではないでしょうか。
 3rdシングルに、やっとジャーメインとLAFACEらしい「I Dream Dream」がシングルになりますが、R&Bで30位のチャートインのみ。 
 Babyfaceとの「Treat You Right」、ジャーメインのアダルトソウル路線に最適な「We're Making Whoopee」、Babyfaceが書き下ろした美しいバラードもあるもシングルにはならず。曲とボーカルで勝負すべきだったのに、「word to the badd」の不適切な流出でこのすばらしいアルバムが正当な評価を受けることなく終わってしまった。「word to the badd」とこのアルバムについては語るべき要素がたくさんあるのでまた次回。

BABY BABY BABY / TLC  92.8
Ooooooohhh...On the TLC Tip

Sbme Special Mkts.

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 第3弾アーティストがTLCです。その後、世界的なアーティストへと成長する3人組ガールズです。ここまでブレイクするとは思いませんでした。LA'FACEレーベルの看板アーティストとなります。
 ダミアン・デイムはR&Bで1位を獲得したものの、POPチャートでは大ブレイクにはいたりませんでした。さらに第2弾の秘密兵器的なジャーメイン・ジャクソンのアルバムが大失敗。レーベル的にも危機感が漂っていた中、このTLCが登場します。
 T-ボズ、レフト・アイ、チリの3人で結成。これまでになかったHip Hop Taste溢れるガールズグループ。そのファッションから言動まで注目をあびます。そしてそのサウンドは、まさにその後のシーンの流れをつくるものとなります。
 デビューシングル、「Ain't 2 Proud 2 Beg」がR&B2位、Hot100でも6位。さらにミリオン。 強烈なインパクトとともにシーンに登場します。ラフェイスレーベルとしても確かな手ごたえをもちます。まさにラフェイスの救世主ともなったTLCのアルバムの大部分を手がけたのがダラス・オースティンです。彼は、BoyⅡMenのデビューアルバムに大きく関わりその手腕を買われTLCも手がけることになります。このTLCの大ブレイクで彼もTop Producerの一人となります。(彼もマイケル・ジャクソンのアルバムに招集されます)ダラスのサウンドを語るのはちょっと難しい。Hip Hop Tasteももちろんあるのですが、Rockの感覚も感じる。それまでいたR&Bプロデューサーとはちがう感覚。
 続く2ndシングルは、LA&BABYFACEとダリル・シモンズのトライアングルで製作された「Baby Baby Baby」。この曲も大ヒット。R&B1位、Hot100でも2位、そしてミリオン。92年の年間チャートでも6位に入ります。メロディーは、Babyface調ですが、これまでのLA'FACEっぽいサウンドではありません。Hip Hop Tasteがブレンドしてあるラフェイスバラード。
 3rdシングルは再びダラスの「What About Your Friends」もR&B2位。(Hot100-7位)TLCはR&BだけでなくPOPチャートでも受け入れられます。ブラックミュージックシーンにおいて強烈なインパクトをもって登場した彼女らですが、グラミーの新人部門のノミネートにはいたりませんでした。続く95年の2nd『CrazySexyCool』は90年代を代表する名盤となります。グラミーでも高い評価をえ世界的なアーティストになります。その後も、出すアルバムは常に時代の最先端をいっていました。しかし、メンバーの一人、レフト・アイが02年4月に自動車事故で逝去(享年30歳)。TLC一の元気娘が欠けたのは大きく、その後TLCとしての活動は実質停止しています。

End Of The Road / BoysⅡMen 92.8
Boomerang: Original Soundtrack Album

La Face

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 次にLA'FACEは、レーベルを上げてサントラ『ブーメラン』も製作します。(エディー・マーフィー主演のロマンティック・コメディー)当時、やっぱりおれのNo1プロデューサー、ジャム&ルイスもPerspectiveレーベルをたちあげ『Mo Money』というサントラも発表され、これも同時期にリリースされたため、よく比較されていました。『Mo Money』はJam&Lewis制作の最高傑作アルバムの一つだと思います。このサントラを比較したとき、サウンドの完成度、Creativeさからみるとおれ的には『Mo Money』の圧勝なんですが、世間的には『ブーメラン』の方が圧倒的に認知されてる感じす。
 それはこのサントラからBoysⅡMenの「エンド・オブ・ザ・ロード」という歴史的なメガヒット曲がでたことが大きいと思います。13週連続ビルボード1位は当時の最高記録でした。Babyfaceのソングライターの力量がPOPフィールドでも認知されるようになります。この後、これまた大ブレイクするトニー・ブラクストンのお披露目もされたアルバムです。
 
Humpin Around / Bobby Brown 92.8
Bobby

MCA

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 この作品は、LA'FACEレーベルからではありません。88年のエポックメイキング策『Don't Be Cruel』の後の全世界が注目するボビー・ブラウンのニューアルバムの1stシングル「ハンピン・アラウンド」が見事R&B1位。(Hot100は3位)ラフェイスの勢いはまだ衰えをしりません。その事例の一つとして、前に紹介しているR&B1位のTLC「BABY BABY BABY」に代わって1位になったのがBⅡMの「End Of The Road」、さらにその後1位がボビーのこの曲。しばらくR&BチャートをラフェイスSOUNDが牛耳ります。
 アルバムの、メインProducerはTeddy Rileyです。LA&BABYFACEは3曲Produce。マイケルの『DANGEROUS』をてがけNEXT LEVELに向かうTeddyのエナジーを感じる作品です。先行シングルの「ハンピン」を聞いたとき、その音圧からTeddy作と思いましたが、意外にもLA'FACE作でした。2ndシングルが妻となったホイットニー・ヒューストンとのデュオソング「Something In Common」。WhitneyとNJSが出会う事になります。ただシーンはStreet色の強いWhitneyを望んでいないのか、R&B30位(Hot100-32位)という意外な結果に終わります。
 3rdが再びLA'FACE。BABYFACE色の強い「Good Enough」がR&B5位(Hot100-7位)。4thにNJS全開の「Get Away」が登場しますがR&B3位(Hot100-14位)に終わっています。
 BOBBYのこの作品は、TEDDY RILEY作品としても重要ですが、シーンには前作のようには受けいられなかった。特にWhitneyとのデュオソングは、仕上がりもよかったのにビックヒットしなかったのが不思議です。この作品を期にボビーの勢いも一気に低下していきます。

Seven Whole Days / トニー・ブラクストン (94.1)
Toni Braxton

La Face

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 サントラ『ブーメラン』でシーンに登場したトニー・ブラクストン。BABYFACEとのデュオ「Give U My Heart」はR&B2位(HOT100-29位)でした。ラフェイスレーベルの第5弾アーティストとして登場します(ちなみにその前の第4弾アーティストは、ダラス・オースティン率いるハイランド・プレイス・モブスターズ。LAFACEのシングルはなし。ビックヒットもなし)今度は女性ボーカリストです。ラフェイスレーベルの緻密な戦略とアーティストの発掘能力にはうなります。
 93年発表の『トニー・ブラクストン』からは、6枚のシングルヒットが出ます。アルバムも1位を獲得。この時点でレーベル最大のヒットになります。シングルとしてのNo1曲は、R&Bでの「Seven Whole Days」のみですが、「Another Sad Love Song」、「Breath Again」もヒットします。特に「Breath Again」はBabyfaceが単独で書いた曲で、この後の彼の単独Produce曲の走りになります。94年の年間チャートでも6位になるビックヒットです。
 トニー・ブラクストンは、93年のグラミーで新人賞と最優秀女性R&B歌手も獲得。当時、ホイットニー、マライアの次の第三のディーバとしてのポジションを得るほどのアーティストになります。個人的にはこの人好みではないのですが。
 
 このブラクストンのアルバムを最後に、LAリードとBABYFACEが一緒にクレジットされる事がなくなります。LAリードは、ミュージシャン活動から離れレーベルの経営にシフトします。この後、ラフェイスレーベルからは、USHER(アッシャー)、PINK(ピンク)などもブレイク。90年代を代表するレーベルになります。
 一方、BABYFACEは、単独であるいは時にはダリル・シモンズをパートナーにし精力的にProduce活動を展開。95年、96年、97年と3年連続でグラミーの最優秀Producerを獲得するさらなる伝説も作ります。(BABYFACE単独のWORKS特集はまた)



 おれ的にはやはりLA&BABYFACE時代が最高でした。といっても彼らはまだ過去の人ではありません。OUTKAST(アウトキャスト)がグラミーで最優秀アルバムを受賞した時、アリスタの社長になっていたアントニオ”LA”リードの歓喜の姿も見ました。BABYFACEもかつての勢いはないですが(もう頂点極めたから十分だと思いますが)、好きな音楽を楽しみながら活動をしている感じです。昨年も来日してビルボードでLiveしてくれてますからね。彼の生歌も一度体感したいです。

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