J.R.R.トールキンの剣と魔法の世界が再び映画化されます。まさに世界を制した『ロード・オブ・ザ・リング』3部作、3作目『王の帰還』(03)から10年を経ての新3部作の公開です。
『王の帰還』がアカデミー賞を史上最多タイの11部門を制覇した後、すぐにこの『ホビット』の映画化のプロジェクトは動いていたようですが、『LOTR』の世界的なヒットは、ロイヤリティーや契約上の事とかいろいろな問題もうんだみたいで、なかなかすんなりスタートしなかったようです。
『指輪物語』の世界を映画化できるのは、ピーター・ジャクソンしかいないだろうって誰もが思っていたはずですが、P.ジャクソンは制作側にまわり、実際最初にメガホンをとった人はギレルモ・デル・トロという人でした。ダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』が評価されての起用かな~。しかし、製作会社の財政問題が浮上し、撮影が一時中断。ギレルモ氏も『ホビット』プロジェクトに専念する事ができず降板。そしてやはりジャクソン監督が再びメガホンをとる事となります。やはり、P.ジャクソンあっての『ロード・オブ・ザ・リング』です。そういう運命を感じます。(なんか整形でもしたの?)
にしても、『王の帰還』の公開からもう10年経ったんですね。『ロード・オブ・ザ・リング』のスペシャルExtendedエディションは、今でも超お気に入り品ですが、このスペシャルエディションの特典映像には映画の製作秘話もあって興味深い。
ま~スケールが大きいと人と費用は相当かかるわけで。『指輪物語』の映画化プロジェクトはいくつもの大きな難題があったと思います。ピーター・ジャクソンがすごいと思ったのが、映画監督の才能だけでなく、現場を統率・管理する能力にも長けてる事。彼は経営的なセンスも相当なものを感じる。プロジェクトには、期限や予算の制約がつく。その中で、難題を一つひとつ解決しつつ、現場のモチベーションも高めベストなWORKをしなければならない。プロジェクトの規模が大きくなるほど、関わる人の思惑がからんできて、その辺のコントロールも難しくなってくる。そんな中やりきったのが前回の『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でした。アカデミー賞でも最高の結果がでましたが、美術、衣装、音響、編集、すべての部門でのチームワークの素晴らしさを感じました。
そして今回の『ホビット』3部作では、またその時のスタッフが一堂に会しているようです。さらに出演者も、今回の『思いがけない冒険』を見る限り欠ける事なくそろっている。今回、ガンダルフは主役のような活躍なのですが、前作同様、イアン・マッケランが務めています。
ただ再登板にあたってかなりの迷いはあったというのは意外でしたが、やっぱガンダルフはこの人じゃないと。マッケランがガンダルフを演じているといないとでは、物語のつながりの感触は全然ちがう。サルマンもちょこっと登場しますが、これまたクリストファー・リーが演じています。俳優陣のこの作品への愛をひしひしと感じます。
さて、今回の物語は、『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前のお話。元々、児童文学としてトールキンが創作した物語。世界観は『指輪物語』と同じです。ただ映像化は、『指輪物語』よりも難しいとされていたようです。
それは今作をみてもそう感じました。今回は、邪竜・スマウグに奪われた祖国を取り戻すために立ち上がった13人のドワーフとホビットのビルボの冒険ですが、まず13人のドワーフを描くのが難しかったとジャクソン監督も述べています。剣と魔法の世界観は、『ロード・オブ・ザ・リング』よりも強いように思います。しかし『LOTR』よりもさらに見事な世界観を生み出しています。エルフとドワーフの間の軋轢の原因もわかります。そういうものも感じて、また『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観に深みが出ました。
P.ジャクソン監督も、『王の帰還』からの今作にとりかかるまでの間の期間の映像技術の進化について言及しており、より自身のイメージに近い映像をSmoothに実現できた事も述べていました。たしかに、『旅の仲間』に登場したトロルの動きは、若干古臭さを感じるものでしたが、今回も3匹のトロルが出ますが、全然なめらかです。それはゴラムにもいえます。当時もこの異形の生物が画面に違和感なく動いているのに、かなり衝撃をもったと思いますが、今回はさらになめらか。
それは背景もいえます。物語の舞台となる中つ国は、前回と同様ニュージーランドに求め、全土でロケが行われます。実際のNZの地形とCGの融合が絶妙です。そして今回、3Dで見たわけですが、その景観の拡がりは十二分に感じる事ができました。実際、幸運にもNZを訪れる事ができましたが、あの感じがほんとに広がっているんです。
今シリーズ、ニュージーランドも国を挙げて『ホビット』の支援をしているようです。
さらに、俳優陣も素晴らしかった。ドワーフの王子・トーリンを演じる英国俳優・リチャード・アーミティッジ。P.ジャクソンによる抜擢だそうですが、完璧はまってます。勇気ある武骨で真っ直ぐな王。
そしてビルボ・バキンズ演じるマーティン・フリーマン。平和を愛するちょっと優柔不断な心優しいホビットをこれまた見事に演じる。
そしてイアンのガンダルフの安定感の素晴らしい事。
『ロード・オブ・ザ・リング』は、実はかなりダークな物語でした。物語が進みにつれダーク度が増していくという。しかし『ホビット』は、元が児童文学というだけあってそういうダークな感じはない。陽気で単純な気質のドワーフの物語なのも、物語を明るいものにしている感じ。まだサウロンが復活していない事も起因してるでしょう。ただ『指輪物語』でも感じた、根底にある“あきらめない気持ち的な精神”は今作にもしっかり感じる事ができます。体も小さく、非力で穏やかなホビットだけど、その秘めた強い気持ちには、やはり今作でも心打たれるものがありました。この精神は、見事にフロドに引き継がれている。
さて、今回の新シリーズ3部作の1作品目『ホビット-思いがけない冒険‐』ですが、やはり3Dでの視聴をおすすめします。今回、3DでもNEXTレベルのハイフレームレートというものらしいです。要は、1秒間のコマ数が増え、映像が綿密になり立体感の質も高くなり、無意識レベルの目への負担も軽減されているようです。
私の前回の3D視聴は『アバター』でしたが、作品としては最高にTripできましたが、鑑賞後の疲れもけっこうなものがありました。今回、この辺の疲労はかなり減りました。さらに、眼鏡やコンタクトの人には、字幕の字を読む(認識)するのもかなり疲れるようで、今回は吹き替えで見て、コンタクトの妻もみやすかったって言ってました(個人的にはやはり字幕が好きですが)。
170分という長さです。無駄に長いとも思いませんでしたが、ちょっと終盤疲れてきました。物語の展開もそんなに意表をつく感じもうすく、だいたい展開も読める。ただすごく丁寧に映像化されていると思いました。原作の『ホビット』を読んでいないので、あれですが、元々『指輪物語』のような分厚い原作ではないようで、当初のプラン通り2部作で十分映画化できる物語だと思います。しかし、ピーター・ジャクソンがメガホンをとって3部作に変更。
2作品目『 スマウグの荒らし場』は、本年13年年末に公開される模様です。
そして『ホビット ゆきて帰りし物語』で新三部作は幕を閉じるわけです。
三部作にしたP.ジャクソン、何か大がかりな仕掛けを考えているように思います。今作を見ても、既に『ロード・オブ・ザ・リング』の物語とのつながりを十分感じる事ができ、さらに『ロード・オブ・ザ・リング』が深みを増した感じです。
『スターウォーズ』の新3部作の三作目『シスの復讐』は、見事に旧スターウォーズと新スターウォーズのサーガを結びつけた。あの感じをねらってるのではという気がします。
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を一気見という至福をかつて味わいましたが、数年後には6作一気見という至福を味わえそうです。
世界的には大ヒット上映中だそうですが、日本の盛り上りはイマイチみたい。私も、子供向けとかいう原作の言葉がはいり、そこまでの期待もしていなかったのですが、『ロード・オブ・ザ・リング』に魅了された人は間違いなく楽しめる作品です。そして初めて見る人は、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も見たくなるはず。別に『LOTR』を見てから行かなくとも十分楽しめます。
3D映画のTrip感はいい。バーチャル感もどんどんUpしてる。あなたも是非中つ国を旅してみて。
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『指輪物語』の世界を映画化できるのは、ピーター・ジャクソンしかいないだろうって誰もが思っていたはずですが、P.ジャクソンは制作側にまわり、実際最初にメガホンをとった人はギレルモ・デル・トロという人でした。ダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』が評価されての起用かな~。しかし、製作会社の財政問題が浮上し、撮影が一時中断。ギレルモ氏も『ホビット』プロジェクトに専念する事ができず降板。そしてやはりジャクソン監督が再びメガホンをとる事となります。やはり、P.ジャクソンあっての『ロード・オブ・ザ・リング』です。そういう運命を感じます。(なんか整形でもしたの?)
にしても、『王の帰還』の公開からもう10年経ったんですね。『ロード・オブ・ザ・リング』のスペシャルExtendedエディションは、今でも超お気に入り品ですが、このスペシャルエディションの特典映像には映画の製作秘話もあって興味深い。
ま~スケールが大きいと人と費用は相当かかるわけで。『指輪物語』の映画化プロジェクトはいくつもの大きな難題があったと思います。ピーター・ジャクソンがすごいと思ったのが、映画監督の才能だけでなく、現場を統率・管理する能力にも長けてる事。彼は経営的なセンスも相当なものを感じる。プロジェクトには、期限や予算の制約がつく。その中で、難題を一つひとつ解決しつつ、現場のモチベーションも高めベストなWORKをしなければならない。プロジェクトの規模が大きくなるほど、関わる人の思惑がからんできて、その辺のコントロールも難しくなってくる。そんな中やりきったのが前回の『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でした。アカデミー賞でも最高の結果がでましたが、美術、衣装、音響、編集、すべての部門でのチームワークの素晴らしさを感じました。
そして今回の『ホビット』3部作では、またその時のスタッフが一堂に会しているようです。さらに出演者も、今回の『思いがけない冒険』を見る限り欠ける事なくそろっている。今回、ガンダルフは主役のような活躍なのですが、前作同様、イアン・マッケランが務めています。
ただ再登板にあたってかなりの迷いはあったというのは意外でしたが、やっぱガンダルフはこの人じゃないと。マッケランがガンダルフを演じているといないとでは、物語のつながりの感触は全然ちがう。サルマンもちょこっと登場しますが、これまたクリストファー・リーが演じています。俳優陣のこの作品への愛をひしひしと感じます。
さて、今回の物語は、『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前のお話。元々、児童文学としてトールキンが創作した物語。世界観は『指輪物語』と同じです。ただ映像化は、『指輪物語』よりも難しいとされていたようです。
それは今作をみてもそう感じました。今回は、邪竜・スマウグに奪われた祖国を取り戻すために立ち上がった13人のドワーフとホビットのビルボの冒険ですが、まず13人のドワーフを描くのが難しかったとジャクソン監督も述べています。剣と魔法の世界観は、『ロード・オブ・ザ・リング』よりも強いように思います。しかし『LOTR』よりもさらに見事な世界観を生み出しています。エルフとドワーフの間の軋轢の原因もわかります。そういうものも感じて、また『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観に深みが出ました。
P.ジャクソン監督も、『王の帰還』からの今作にとりかかるまでの間の期間の映像技術の進化について言及しており、より自身のイメージに近い映像をSmoothに実現できた事も述べていました。たしかに、『旅の仲間』に登場したトロルの動きは、若干古臭さを感じるものでしたが、今回も3匹のトロルが出ますが、全然なめらかです。それはゴラムにもいえます。当時もこの異形の生物が画面に違和感なく動いているのに、かなり衝撃をもったと思いますが、今回はさらになめらか。
それは背景もいえます。物語の舞台となる中つ国は、前回と同様ニュージーランドに求め、全土でロケが行われます。実際のNZの地形とCGの融合が絶妙です。そして今回、3Dで見たわけですが、その景観の拡がりは十二分に感じる事ができました。実際、幸運にもNZを訪れる事ができましたが、あの感じがほんとに広がっているんです。
今シリーズ、ニュージーランドも国を挙げて『ホビット』の支援をしているようです。
さらに、俳優陣も素晴らしかった。ドワーフの王子・トーリンを演じる英国俳優・リチャード・アーミティッジ。P.ジャクソンによる抜擢だそうですが、完璧はまってます。勇気ある武骨で真っ直ぐな王。
そしてビルボ・バキンズ演じるマーティン・フリーマン。平和を愛するちょっと優柔不断な心優しいホビットをこれまた見事に演じる。
そしてイアンのガンダルフの安定感の素晴らしい事。
『ロード・オブ・ザ・リング』は、実はかなりダークな物語でした。物語が進みにつれダーク度が増していくという。しかし『ホビット』は、元が児童文学というだけあってそういうダークな感じはない。陽気で単純な気質のドワーフの物語なのも、物語を明るいものにしている感じ。まだサウロンが復活していない事も起因してるでしょう。ただ『指輪物語』でも感じた、根底にある“あきらめない気持ち的な精神”は今作にもしっかり感じる事ができます。体も小さく、非力で穏やかなホビットだけど、その秘めた強い気持ちには、やはり今作でも心打たれるものがありました。この精神は、見事にフロドに引き継がれている。
さて、今回の新シリーズ3部作の1作品目『ホビット-思いがけない冒険‐』ですが、やはり3Dでの視聴をおすすめします。今回、3DでもNEXTレベルのハイフレームレートというものらしいです。要は、1秒間のコマ数が増え、映像が綿密になり立体感の質も高くなり、無意識レベルの目への負担も軽減されているようです。
私の前回の3D視聴は『アバター』でしたが、作品としては最高にTripできましたが、鑑賞後の疲れもけっこうなものがありました。今回、この辺の疲労はかなり減りました。さらに、眼鏡やコンタクトの人には、字幕の字を読む(認識)するのもかなり疲れるようで、今回は吹き替えで見て、コンタクトの妻もみやすかったって言ってました(個人的にはやはり字幕が好きですが)。
170分という長さです。無駄に長いとも思いませんでしたが、ちょっと終盤疲れてきました。物語の展開もそんなに意表をつく感じもうすく、だいたい展開も読める。ただすごく丁寧に映像化されていると思いました。原作の『ホビット』を読んでいないので、あれですが、元々『指輪物語』のような分厚い原作ではないようで、当初のプラン通り2部作で十分映画化できる物語だと思います。しかし、ピーター・ジャクソンがメガホンをとって3部作に変更。
2作品目『 スマウグの荒らし場』は、本年13年年末に公開される模様です。
そして『ホビット ゆきて帰りし物語』で新三部作は幕を閉じるわけです。
三部作にしたP.ジャクソン、何か大がかりな仕掛けを考えているように思います。今作を見ても、既に『ロード・オブ・ザ・リング』の物語とのつながりを十分感じる事ができ、さらに『ロード・オブ・ザ・リング』が深みを増した感じです。
『スターウォーズ』の新3部作の三作目『シスの復讐』は、見事に旧スターウォーズと新スターウォーズのサーガを結びつけた。あの感じをねらってるのではという気がします。
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を一気見という至福をかつて味わいましたが、数年後には6作一気見という至福を味わえそうです。
世界的には大ヒット上映中だそうですが、日本の盛り上りはイマイチみたい。私も、子供向けとかいう原作の言葉がはいり、そこまでの期待もしていなかったのですが、『ロード・オブ・ザ・リング』に魅了された人は間違いなく楽しめる作品です。そして初めて見る人は、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も見たくなるはず。別に『LOTR』を見てから行かなくとも十分楽しめます。
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