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田中優「生活保護『不正?受給』の向こう側」

2012-06-01 20:30:58 | 田中優&鎌仲ひとみ
公務員時代にケースワーカーの仕事をしてた優さんの見解を読んで下さい。

転載・転送、大歓迎♡

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「生活保護『不正?受給』の向こう側」 田中 優

「人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していることを女性週刊誌が報じたことを契機に生活保護に対する異常なバッシングが続いている」そうだ。
ぼくはテレビを持っていないからよくわからないのだが、人気があるらしい。
これをあおっているのが世耕弘成議員と片山さつき議員だそうだ。
あまり言わないようにしているものの、「政治家だったらもっと勉強しておけよ」と思う。

扶養義務には二つあって、「絶対的扶養義務」と「相対的扶養義務」がある。
簡単に言うと、ひとつのパンを分け合って食べるのが絶対的扶養義務で、未成年の子に対する親の責任と夫婦間の関係だ。
それに対して自分のパンを確保した上で与えるのが相対的扶養義務だ。
今回の場合は相対的扶養義務に該当する。

言われているような異常なバッシングはできない関係だが、それでも自分の残ったパンを分け与えることはできたと思う。
要は「脇が甘かった」のは事実だろう。

しかしそれは「不正受給」ではない。
というのは、個人のプライバシー上語れないことがたくさんあるからだ。
ケースワーカーは個人の秘密を絶対に語ることができない。
ぼくは今回の件を全く知らないから言えるのだが、もしかしたら母親からの虐待やネグレクトがあったかもしれない。

それでも「扶養しろ」というのは無理だし、扶養させた場合、将来の時点で今度は逆に母親を餓死させるかもしれない。
また、一緒の住居に暮らしていないようだし、母親が扶養を断ることだってある。
しかも「お笑いタレント」がこんな悪い話の中心に置かれたのだから、今後、人気が落ちて本当に食べられなくなるかもしれない。
そのときは生活保護を再開できるのだろうか。

以前に「おにぎりが食べたい」と書いて餓死した人がいた。
それで生活保護は厳しすぎるのではないかと問題にされたことがある。
しかしその人の病名は「慢性肝炎」だった。多くの場合、この病名はアルコール依存症を想起させる。

食べたいのが「おにぎり」ではなく、発酵させた「酒」だったらどうなっていただろうか。
どちらにしてもケースワーカーはその話を絶対に言えない。

それを軽々しく叩く政治家の神経がイヤなのだ。
彼らが作った法に基づいて執行しているのに、それを政治家が叩くのは裏切りだろう。


ぼくがなぜ詳しいかといえば、以前にケースワーカーをしていたことがあるからだ。
ぼくの実感では、受給者の95%は正当な受給者だ。
もちろん生き方の問題はないわけではない。

「どうせ長生きしない」と思って将来に備えなかった人、自分の好きなように生きたあげくにどん底に落ちた人などだ。
しかしそれでも自分のせいではなく不幸な目に落ちた人も多い。
残りの5%にグレーゾーンの世帯がある。

ときどき男が出入りしている母子世帯(悪いことではないがもしかしたら扶養逃れかもしれない)、仕事に行っているのに収入申告が少なすぎる世帯、
アルコール依存症の世帯などだ。そこであれこれ調査を続けるわけだが、外に言うことは絶対にできない。

外に話せないことをいいことに、政治家が叩くのは異常だ。
政治家は立法で戦うのが職業なのに、法をそのままにして叩くことができるのか。

すべきことは個人のプライバシーを勝手に報じたことの問題ではないか。
女性週刊誌は一体どこから情報を入手したのか。
誰がリークしたのか。
それを使って異常なバッシングをした政治家に対して、女性週刊誌が問題にすべきではないのか。
絶対に話せないことがあるのが職業としてのケースワーカーだ。

一方のお笑いタレントも、イメージが重要なのだから、絶対に本当のことは言えないだろう。
ただ謝って、嵐が過ぎるのを待つしかない。

ぼくから見ると二人の政治家、世耕弘成議員と片山さつき議員の資質に問題があるとしか思えないのだが。


その直後にこのような対策が作られた。
マッチポンプのようにも見える。

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「生活保護受給 扶養困難、証明義務づけ 厚労相、支給水準下げも検討」

小宮山洋子厚生労働相は25日、人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護を受給していた問題に絡み、生活保護受給者の親族が受給者を扶養できない場合、親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課す生活保護法改正を検討する考えを示した。

保護の決定を行う各自治体は現在、保護申請者に扶養可能な親族がいるかどうか聞き取り、親族には扶養の可否を問い合わせているが、明らかに扶養可能でも拒否するケースもみられるという。

小宮山厚労相は同日午後の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会でも河本さんの問題に触れ、「扶養義務者は責任を果たしてほしい」と述べ、余裕があるのに扶養を拒む場合は積極的に家庭裁判所へ調停を申し立てる考えを示した。

現在も調停や審判の申し立ては可能だが、家庭の事情に踏み込むのを嫌って、実際に申し立てた例は「20年以上把握できてない」(厚労省)という。

小宮山厚労相は生活保護費の支給水準引き下げを検討する考えも表明。
生活保護の受給開始後、親族が扶養可能と判明した場合は積極的に返還を求める
意向も示した。
(産経新聞 5月26日)

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フジテレビ

「生活保護費の不正受給に関連して、あなたの周りで首を傾げるようなことがあれば、めざつぶまでお寄せください」
だそうだ。

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