バンビの独り言

バンビことけーちんの、あくまでも「独り言」デス☆

「人生を、いじくり回してはいけない」水木しげる

2015-12-07 08:28:25 | 子育て親育ち

水木しげるさんの言葉にはものすごく共感します。

努力・忍耐を美徳とする日本人は、努力・忍耐しない人のことを「おまえはダメだ」とジャッジする。
けど、自分の心が喜ぶことに素直に自由に暮らしている人は、人をジャッジしないように思う。

「欠点を克服するのではなく得意なことを伸ばせば良い」と田中優さんに教わってから、私はこのままでいいんだってすごくラクになった。

「幸せ」を求めるのではなく、自分を好きになろうと努力するのではなく、もっとみんなが自分の気持ちに素直に自由になれたらいいと思う。


…………転載します…………

http://illcomm.exblog.jp/22608072/

 


 

入隊して問もなく、私は南方の島、ニューブリテン島のラバウルヘと送られることになりました。
腕を失って前線から後退した私は、島で暮らす人たちと仲良くなった。
彼らは朝起きると、主食であるバナナを採りにいく。
そして昼問は涼しい家のなかでのんびりしている。
客人が来れば心からもてなす。
祭りの日にはみんなで歌い踊る。
ただそれだけの生活です。

彼らには義務のような仕事などありません。
もしかしたら人生の目標なんていうものもないのかもしれない。
それでも彼らは、とても満ち足りた表情をしていました。

彼らのなかには「幸せ」という言葉はありません。
それでも彼らの村には「幸せ」の空気が充満しています。
それは彼らの日常生活の中に、幸せが自然に組み込まれているからです。
あえてこれが幸せですと取り出して確かめなくても、ほのぼのとした幸福感に包まれているんです。

「幸せ」なんていう言葉がないほうがいいと私は思います。
そんな言葉があるから、人は「幸せ」を叫ぶのです。
もっと幸せになりたいと叫ぶのです。
本当の幸せとは、叫んだからといって手に入るものでもない。
私は彼らの村に流れる幸せの空気を、日本に帰国してからも思い出しながら、暮らしてきました。

やりたくないことは無理にやることはない。
自分にできないことは他人に任せておけばいい。
小さい頃から私はそう考えていました。

自分の好きなことをやる。
そのために人は生まれてきたのだと私は思っています。
やりがいだとか、充実感といった言葉をよく耳にしますが、結局は自分が好きなことにしか、そういうものは見つからないような気がします。

やりたいことが見つからないと言う人がいますが、まずは自分が好きなことは何かを考えること。
小さい頃に熱中したものを思い出すんです。
ただし、好きだからといって成功するわけじゃない。
いくら情熱を傾けて努力をしても報われない人はたくさんいます。
努力は人を裏切るということも知っておくことです。
それでも、好きなことに情熱を傾けている問は、きっと幸せの空気が漂っているものです。

私は自分が幸福だと思っています。
好きなことに情熱を注いで、人生を生き切ること。
うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある。
そんな時に、あたふたと騒がないほうがいい。
幸福だの不幸だのといちいち口に出さないほうがいい。
人生にはいろんなことが起こって当たり前。
それらに一喜一憂するのではなく、放っておくことです。

人生をへたにいじくりまわしたところで、何の解決にもなりません。
起きてしまった不幸はもうどうしようなもない。
ならば自然の流れに身を委ねてしまったほうがいい。
しょせん人問の力ではどうしようもないこともあるものです。
ラバウルの人たちは実にわかりやすい人生を送っています。
神様から与えられた人生を決していじくり回したりしません。
だから、幸せの空気に包まれているのでしょう。

(水木しげる「人生を、いじくり回してはいけない」2005年)


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