バンビの独り言

バンビことけーちんの、あくまでも「独り言」デス☆

「スマートグリッドってなーに?」テープ起こし3

2010-07-02 00:45:17 | 田中優&鎌仲ひとみ
動画は18分45秒くらいから。
http://www.ustream.tv/recorded/7981715

………つづき………

日本の発電所を調べてみると、例えば天然ガスの発電所では発電効率が36~38%しかない所や50%発電しているところがある。
60%まで発電するところも。
ダメな発電所と良い発電所が混在しているなら、トップランナー方式で1位に合わせよう。
「天然ガス」「石油」「石炭」とある中で、石炭の火力発電所はものすごく二酸化炭素を出す(天然ガスの約2倍)。
なので天然ガスに変えれば二酸化炭素が減る。

現状の二酸化炭素の排出量を100として、「使えば使うほど高くなる電気料金」に変えたとしたら77.2%まで減る。
そこから、ドイツ&北欧並みにピークを下げて行こう、とすると、57.9%まで下がる。
そこから更に、発電所を最高効率のものに合わせる、しかも、CO2が最も少ない液化天然ガスの発電所に変えさせると、38.8%まで減る!
ここまで減ったなら、省エネと自然エネルギー導入で「ゼロ」になる。
日本最大の二酸化炭素の排出源である「電力」をゼロにすることができる。

さて、もう一つの問題。
電力会社はものすごくコストをかけている。
みんな「発電所が一番金がかかっている」と思ってしまいがちだけど、実は一番お金がかかっているのは
◯送電線
◯配電線
◯変電線
電気の通り道の方が圧倒的にかかる。

しかし、今、日本では、例えば東京電力では、青森の下北半島の先端に原発を作った。
そこから送電線でず~~~~っと運んで来る。
このコスト、2兆円を越した。
こんな莫大なコストをかけてわざわざ青森から運んで来なくていいのに。

それをスマートグリッドにしたらどうなるか?
地域の中だけの送電線で足りてしまうので、電力会社の最大コストがかなり小さくなる。
東京電力の2009年のデータでも、送電線、配電線、変電線の部分のコストがかなり大きいので送電線の部分を合理化していくというのは、コストに対して効果が大きい。
だから、スマートグリッドが成り立てば、私たちの電気料金は安くなる。

日本では「原子力発電が最も発電効率が良くて安い」「5.9円だ」と言われている。日本で最も高いのは水力発電(13.6円)。
ところが世界では一番安い発電は水力。どうして日本だけ水力発電がめちゃくちゃ高いの?

先ほど話した「揚水発電」(バッテリーにすぎず、「捨電所」)には莫大なコストがかかる。
日本だけ、「揚水発電」を「水力発電」に加えてしまっているから高くなっている。
「揚水発電」が必要だと言われている理由は「夜間の電気が余るから」。
夜間の電気はなぜ余るの?
「出力を弱火にできない発電所(=原発、石炭火力)」のせい。
だったら「揚水発電所」のコストは本来「原発」に乗せるべき。

電力会社は必ず「資源エネルギー庁のデータによれば」と言う。
「電力会社自らのデータってないの?」と思って、見つけた。
電力会社は発電所を作る時に「設置許可申請所」を地域毎に経産省に報告書を出している。
そこの中に「発電コスト」という欄がある。
初年度だけの発電単価を合計すると13.9円。
耐用年数全体で見ると12.3円が平均。

おかしい!「5.9円」じゃない。
しかも「揚水発電所」も「六ヶ所村再処理工場」も「もんじゅ」も入れていない金額。
それら(原発に付随するもの)を入れたら、めちゃくちゃ高いものになる。
こんなに高いものやらなきゃいいのに。

ところが何でこんなものを作るかというと、電力料金を決める時にはこういう計算式になっている。
みなさんが1,035円の電気料金を払っていたとしたら、その内訳は…

必要になった費用1,000円+電力会社が受け取っていい適正報酬3.5%=1,035円

これを「総括原価方式」と言う。
電力会社は独占企業なので、限りなくパーセンテージを上げて儲けようとするかもしれないから、一定のところまでしか儲けてはダメだよ、という規制にした。
ところがこの計算式を元に「できれば350億円、毎年儲けたい」と思ったら、必要になる費用を大きくすればいい。
必要なる費用を1兆円にすれば3.5%は350億円になる。
そのために「今後、電気消費はどんどん増えるぞ!」という架空のニーズと同時に無駄な施設を作ればいい、という図式になってしまう。

「もんじゅ」は1兆億円かけて作ったが15年間、事故で止まったまま。
最近、再度動かした途端に、事故だらけの状態になっている。
実は「もんじゅ」と周辺の施設を合計すると、「もんじゅ」は2.8兆円使っていることになる。
その2.8兆円は、私たちの電気料金に上乗せされている。
その結果、日本の電気料金はむちゃくちゃ高い。

電気事業審議会(電力会社のしくみを決める審議会)そこの中に出されたグラフによると、「日本はアメリカの電気料金より3割高い」とよく言われているが実際には「3倍高」!
スウェーデンは異様に電気料金が安いので調べてみると、日本の5分の1だった。
これが日本の国際競争力を奪っている。

電気消費の多い産業で言うと、
◯銅の製錬
◯アルミの製錬
◯鉄鋼の製錬
これは電気をものすごく使うから、それらの企業は日本に居られなくなり、日本を脱出した。
そのせいで海外の安い電気を使っている。

では日本に残っている企業はどうしてるの?
日本の工場の4分の1は自家発電している。
中部電力は2000年頃まで、日本の9つの電力会社の中で一番高かった。
その時にトヨタ自動車が揺さぶりをかけた。
「中部電力からわざわざ電気を買わなくていいんだよ」と。
その結果、中部電力が思い切りコストを下げて、現在、9つの電力会社の中で一番安い電気料金になった。

トヨタが中部電力管内の半分以上を電気を消費している。

ここからも言える。
「みなさんのライフスタイルの問題」というのは結構だけど、ライフスタイルで消せる部分は少ないんだ、と。

そして、ここまで高くしてしまった電気料金は問題だと思う。
このままいくと日本の産業は国際競争力を失い三流に落ちるだろう。

これは「危険性」ではなくて日本の国際競争力のためにも「原子力はやめていく」べき!
原子力のような「コストがかかる電気」は好きな人だけが買って欲しい、普通の人には「発電所を選べる」ようにして欲しい。

つづく。

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