母の手術

今日は母の手術日でした。
出産以来、入院することなどなかった母。
ましてや手術は初体験とあって怖かっただろうに、気丈に振舞っていました。

「手術時間は４５分、処置を入れると１時間くらいです」と説明を受けたのに、１時間１５分経ってもなかなか帰って来ず、姉と「何かあったのだろうか？」と心配していたら、何と、新人研修に当たったらしく、先生でなく新米の女医さんが処置をしたという。

部分麻酔なので会話が丸聞こえ。
「時間かかっとるなぁ」「そうじゃないんだ」とぺちゃくちゃ喋る声を聞きながらの手術はとてもしんどかったらしい。
いつもは血圧が正常な母も、あまりの疲労に異常な数値になってしまい、術後少ししたら吸い込まれるように眠ってしまった。

「事前に説明も無しにそんなことするなんてひどい」
「血圧まで上がっちゃうなんて…お母さんかわいそう」
と憤慨する私と姉に
「『早くして欲しい』と何度も言おうと思ったけど、Fちゃん（医大５年生の姪）もこうして手術に立ち会って勉強してるってのを思い出したら何も言えなくてね。女医さんも緊張しただろうに。どの先生もこういう経験をして一人前になるんだからね」
と言ってました。

私、母のこういうところ、好きです。

小さい頃、友達とケンカした私に「人って必ず良いところも悪いところもあるんだよ。怒りが冷めたら、その子の良いところを見つけてみるといいよ」と話し、スピード出して走る車のことを「きっと急いで帰らなくちゃいけない理由があったんだね」と言い、人生の要所要所で、母のポジティブさに助けられ、気付かされてきたような気がする。

入院生活で見せる、人への思い遣りと腰の低さに、母の素敵な一面を垣間見ることができました。